純愛モラトリアム (祥伝社文庫 や 18-1)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 131
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396340605

作品紹介・あらすじ

「こ、こ、これ一応誘拐だから」中学生の美希は部活帰りに突然車に連れ込まれた。犯人は西小原さん。若くして美希を生んだ母の恋人だ。痴話げんかの腹いせらしい。呆れた美希はいつも自由奔放な母を心配させるため、動揺する西小原さんをドライブへ誘い出し…(「西小原さんの誘拐計画」より)。好きなのにうまく言えない!?不器用な恋愛初心者たちを描く八つの心温まる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 順番に主人公が繋がりながら変わっていく8編の連作短編小説です。表紙から全て中高生のお話かと思ったら、そうでもなく、大人のちょっと青くて優しいお話でした。全てのお話が単純に優しさ溢れる人物・物語ではないのだけど(浮気者の太陽にはいい気持ちがしなかった)、後半読み進めるにつれ、ほっこりしてきました。

  • 今日マチ子さんのカバーイラストで選んだ一冊。ジャケ買いというやつです。
    8編の恋愛話が収められていますが、憎めなくて可愛らしい話が多かった。

  • 勝手な片思いだったり、
    妄想の世界が炸裂してしまったりしているけれど
    主人公たちが愛おしくてたまらなくなってくる短編集です。
    失恋して悲しくても、暴走しかけても
    彼、彼女たちはちゃんと自分の恋心にピリオドを打つし
    勇気を出して一歩踏み出したりもしているのだ。
    皆がこんな風に恋が出来たら、ストーカー事件なんて消えてなくなるだろうに。。。
    でも、それもこれもモラトリアム中だからこその
    心温まる出来事で
    この後に待っているのは嫉妬や欲望の渦巻く
    ドロドロとした恋物語なんだろうな(笑)

  • 爽やかな気持ちで読み終えた。
    8つの物語が、主人公が代わっていきながら、繋がっていてスラスラ読めた。
    1Fヒナドルからアマリリス洋子、そして菊ちゃんの涙までの繋がりながら流れていくところが特にお気に入りです。
    中高校生時代の告白や、恋愛妄想してた頃、つまらない大人になりたくなかった頃、憧れの夢を抱いてた頃を思い出せた。
    そういう本でした。

    最後、意地悪だった菊枝の人生にも未来を与えている椰月美智子は、とても優しい。

    • 9nanokaさん
      女流作家、続きますね(^^)
      登場人物の繋がっている短編集なんですね。
      中高生だった頃の気持ち、案外忘れてしまっています。思い出せるもの...
      女流作家、続きますね(^^)
      登場人物の繋がっている短編集なんですね。
      中高生だった頃の気持ち、案外忘れてしまっています。思い出せるものはいいなと思います。
      2014/10/13
  • 北大路公子さんの書籍からこちらにたどりつきました。主人公みんなの自分の人生への肯定感が清々しい。

  • くっだらないと吐き捨てたくなるほどに嫉妬してしまう人たち。

  • 不器用な人たちの恋愛オムニバス短編集。
    んーー、やっぱり恋愛ものって読めない人だなあ私、と思うのだった。

  • どの話も可愛らしく良かった

  • 妄想ソラニンは割と良かったけど、やさしい太陽にうっかり泣いちゃったしスーパーマリオにはゾクッとしたけど、求めてた感じとは違ったなー。

  • 「好き」をうまく表現できない恋愛下手な男女が織りなす、ちょっとせつない連作短篇集。
    脇役の人物が次の作品では主役になるという繋がりが巧みで、登場人物全員に感情移入してしまう。
    特に、後半の「妄想ソラニン」、「1Fヒナドル」、「アマリリス洋子」、「菊ちゃんの涙」の連携は見事の一言。圧巻です。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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