三十石船 取次屋栄三 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396341503

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  • 三十石船 ― 取次屋栄三シリーズの15作目
    2015.09発行。字の大きさは…小(字の大きさは、中だが字の薄いので小)
    東海道 情けの掛川、お礼参り、三十石船、親の欲目の4話。

    気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、剣術道場の師・山崎島之助の病状を父からの便りで知り、急ぎ大阪へ向かいます。その道中での物語です。
    剣術の恩師・山崎島之助は、元気なのですが、幼い頃に大変世話になった鈴木風来軒が亡くなっていました。

    【東海道 情けの掛川】
    東海道を上る秋月栄三郎が、掛川宿で公儀道中方・手島信二郎と一緒に、宿場の顔役・天地の藤助と、町奉行の矢藤新五兵衛を懲らしめます。
    《読後》
    久しぶりに「取次屋栄三」を読んで、ほのぼのとした温かいものが出て来ます。そして心をなごませ、顔が軟らかくなります。栄三郎の人柄が、いいですね。
    2021.01.04音読で読了。音読時間は、83分。

    【お礼参り】
    尾張藩熱田奉行配下の同心坂巻志之助は、岡っ引きの又次郎を使って、弥太五郎を無実の罪で20年の島送りにした。島から帰った弥太五郎と知り合った栄三郎が調べると、既に又次郎は、死んでいた。
    《読後》
    無実の罪で島送りになった弥太五郎は、復讐を企てるが、又五郎が死んでいて、その息子の話を聞いて、しんみりします。
    2021.01.05音読で読了。音読時間は、87分。

    【三十石船】
    野鍛冶の倅であった栄三郎が、剣客になるため師・岸裏伝兵衛に伴われて、江戸へ出る前に言葉に尽くせぬほどに世話になった鈴木風来軒が、亡くなっていたことを知った栄三郎は、急ぎ大阪に向かうが…。
    風来軒は、栄三郎へ「楽しみを見つける極意」をしたためて有りました。
    「世の中の あほ見て笑え
    あほ見て笑うほどの楽しみはなし
    ならば まず己があほになるべし」
    《読後》
    風来軒との思い出を聞いていると、しんみりしてきます。
    そして風来軒の極意を見たとき、私はあほになれない自分を……、どうしたらあほになれるのかな。
    2021.01.06音読で読了。音読時間は、94分。

    【親の欲目】
    栄三郎が、実家に帰って来ました。父・正兵衛は、嬉しくて自慢して歩き回ります。栄三郎は、兄・正一郎に感謝し、尊敬し、頼りになる兄です。そんな中で幼馴染の亥之吉を助けて栄三郎が動き出します。その時、掛川宿で別れた公儀道中方・手島信二郎がいい役で出て来ます。
    《読後》
    読んでいると栄三郎の人柄か、ほんわかしてきます。
    2021.01.07~11音読で読了。字が薄くて音読していますと、続きません。毎日少しずつ音読して、やっと終わりました。

    【読後】
    久しぶりに取次屋栄三を読みました。物語を通して栄三郎の笑顔と、醸し出すほんわかとした雰囲気がとても良いです。

    【音読】
    音読していますと、字が薄いので目が疲れます。そして、笑いがあまり出ません、音読には向いていないです。静かにゆっくり読むのが合っているようです。
    2021年1月4日~11日まで文庫本を音読で読みました。
    2021.01.12読了

  • 栄三郎の生い立ち、スポンサーが素敵。

  • 久しぶりの取次屋栄三シリーズ。京都に入るまでは、陳腐感があり、なんとなく乗り切らない感じであったが、栄三郎の話になってから俄然いつもの調子の筆の乗りでいい感じ。人情噺として良い所をついていて、読んでいて「ほっこり」していく。面白かった。

  • 現在の人間になるには恩人がいた
    大阪の栄三を描く作品
    ますます広がる取次屋ワールド

  • 201509/たまに女性キャラの描写にもやっとするとこもあるけど(男性作者ならではだし、読者層を考えるとそういうもんなんだろうけど…)、栄三をはじめ登場人物達が魅力的なので毎回楽しみなシリーズ。

  • 栄三が大阪に帰る。途中に事件に巻き込まれては解決。剣に生きるようになるまでの話が泣かせる。

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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