はじめて好きになった花 (祥伝社文庫)

  • 祥伝社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396341657

感想・レビュー・書評

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  • 私も、後悔を伴う恋ばかりをしてきました。まだまだ、若いからなにを生意気な、と思われるかもしれませんが。それでも、ひとは自分のことで精一杯で、自分の見えてる世界の一大事が、世の中で一番大変なことだ、って思っちゃう。
    過去を振り返れば、あーすればよかったんじゃないか、もっとこうできたんじゃないか、それでもこれでよかったんだ、とかいろいろと思う訳で。
    整理なんてできない。
    それでも、幸せな方向へ、皆で進んでいければいいと思う。
    最後の、ノノの話はよかった。
    本当に、本当に好きだったら、そこに後悔があるなら、やり直しができるチャンスがあるのなら、そこは、勇気を出すべきなのだ。

  • 変に展開を推測しすぎて、
    案外あっさりだと感じてしまった。
    それぞれの作品に繋がる部分があると
    さらに良かった。

  • 本に関わる人々を題材にした4作の短編集。
    どの話も50ページ前後で、スキマ時間の読書にはピッタリ。

    作品全体を通して、あれが伏線だったのかな?とかもしかしてこうなるのかな?といった小説的な展開はないけれど、登場人物の日常がこれからもずっと続いていくことを感じさせるリアリティある物語であった。
    読み始めは、そんな作風にどこか物足りなさも感じたが、読み終える頃には、今までと別の場所から心が満たされる感覚に触れることが出来た。

  • 題名にもなっている『はじめて好きになった花』が凄く好きです。自分が綺麗だと思ったものが他人にとってはそうでは無い、きっと不安になると思います。でも、やっぱり好きなものは好きで良いんだと思います。個人的に人は手に入らなかったものの方が記憶に残るものだと思っています。その当時は上手く動けなくて後悔している事に時間を経てやっと向き合えたのだと思うのです。
    好きな花の意外な力や必要とされていた話を聞いて魅力を再発見できたように、例え好きなものが悪く言われているのを聞いてしまっても、自分は他人が知らない良さに気付けているんだと思って大切にしたいと思いました。

  • 「風を切るボールの音」
    キャプテンはなぜ、翔子の手紙に応答してくれなかったのだろう。私はしてほしかった。私が今、翔子ほどではないとはいえ、大切な人に助けを欲している状況だから特にそう思ってしまう。

    自分に(自分だけに)助けを求めてきている人に対して、応答さえしないなんて、そんなことできるのだろうか。

  • 三十代後半の、編集者など本づくりにたずさわる人を主人公にした
    追憶と慕情の物語が4編

  • 幸福とは、幸福を問題にしないときを言う。
    過ぎ去った日々を顧みるときと
    過ぎ去った日々のことを顧みる間もないほどのとき。
    どちらも幸福なときだと思う。

  • はらだみずき『はじめて好きになった花』
    2015年 祥伝社文庫

    今回は短編集。
    主人公たちはみんな30代後半で、回顧録的小説でした。初恋、大人になってからの初めての本気の恋、そして友情などが描かれています。同じ境遇ということではないのに、読んでいて、じーんと、じんわりと胸が熱くなってくるお話たちで、主人公たちのように僕もが懐かしく感じられる作品でした。
    それが単にあの頃はよかった、懐かしいという回顧ではなく、現在の背景を巧みに表現しながら過去の思い出へといざなっていくんです。
    そしてどれもが、読み終わったときに未来を感じる作品です。
    はらだみずきさんの作品は〝未来〟や〝希望〟を感じることができるのも大ファンになった理由のひとつなんだと改めて感じました。

    #はらだみずき
    #はじめて好きになった花
    #祥伝社文庫
    #読了

  • 「はじめて好きになった花」
    見つけた綺麗な花。
    知識のないまま見ていれば綺麗だと思うだけかもしれないが、実際には何かしら意味があるからこそ生きているのだろうな。

    「風を切るボールの音」
    交際期間は短いが。
    自分の中で消化しきれないからこそ縋るような思いで手紙を書いたのだろうが、返事が無ければ色々と不安になりそうだ。

    「会えないはずの人」
    同窓会で知った事。
    酒の席だからこそ出来る交流はあるうえ、酔っ払ってくると普段なら絶対に聞けないような話を聞けるかもしれないもんな。

    「あの人からの手紙」
    長々と書かれた文。
    わざわざ叙述トリックを使っているのかと思うほど酷い手紙であり、最後の言葉がなければ勘違いしたままになるだろうな。

  • 短編集
    「はじめて好きになった花」彼岸花は悲しい花ではない
    「風を切るボールの音」サッカーのキャプテンとマネージャー
    「会えないはずの人」忘れられない女性に横須賀で出会った
    「あの人からの手紙」カップルと男友人の微妙な3人
    過去の恋愛にとらわれている30代の葛藤をテーマにどれも出版社の編集員をキーマンとして描いている。

  • y

    少し期待していたのとは違った

  • 最後のお話しは良かった。

  • 通り過ぎていった恋を懐かしく感じたり、後悔したり。誰でも一度は経験してことのある気持ちかもしれません。そんな恋心を五感で感じられるような一冊です。

    印象的なのは「はじめて好きになった花」の題名。たくさんの花との出会いの中、「この花が好き」と感じる瞬間は、自分以外のものに愛を感じる瞬間でもあります。
    目の前の花はいつか枯れてしまうかもしれませんが、精一杯大切にしたり、美しさに心を奪われたり、別れに涙したり。
    花も人も他の物も、出会い愛し別れがあることは一緒。その時間を、後悔がないように大切にしていきたいと感じました。

  • はらだみずきさんは初めて読む。
    4つの短編が収められているのだが、単行本の文庫化ではなく、書き下ろし作品もない。

    「はじめて好きになった花」
    収録作品の中で一番いい。
    情景描写がとても素敵。
    一人称で書かれており、主人公が見ている景色から伝わる心情が切ない。
    読みながら、いろんな思いが混ざりあって、ぐちゃぐちゃになっていく。
    「自分の美しいと思うものが、他人にはそうではない」と気づいたとき、子供には自分を貫くことが難しいだろうなぁ。

    この作品を気に入る人は、たぶん自分の昔の記憶を思い出しているんじゃないだろうか。
    読者その人だけの感想が生まれやすい作品だと思う。


    「風を切るボールの音」
    いい作品なのだが、個人的に複雑な気持ちにさせられる。
    昔の彼女に手を差し伸べようとする気持ちとか、思い起こされる昔の記憶の美しさはわかるのだが、その彼女を100%好きになれないせいだ。
    浮気者だとかじゃないけれど、純情そうに見えるのに彼氏の途切れないような女性。
    男の気持ちを知ってか知らずか、連絡をとってきて自分の中でだけケリをつけて去っていく女性。
    俯瞰で見ると美しくまとまっているのだが、私はどうしても男性視点で見てしまうので、主人公が都合よく振り回されているように見える。
    それもいい思い出ってことだろうか?
    まだまだ私は若いな。


    「会えないはずの人」
    作品中では好きだった女の子が読んでいた本が作家に影響を与えたようだが、やはり異性の影響というものは大きいなと感じた。
    「過去のどうしようもない恋」という共通項で見ると、「はじめて好きになった花」の方が佳作だ。


    「あの人からの手紙」
    ストーリーは100点なのだが、キャラクターが好きになれない。
    彼氏がクズすぎる。
    それに惚れる主人公も。
    ノノのほうが絶対いい男なのに。
    あ、三角関係の話ではありません。
    彼氏は同じ過ちを繰り返し続ける人生のような気がするなあ。


    はらだみずきさん、他の作品も読んでみたい。

  • 四つの短編。
    どれも良かったけど、『はじめて好きになった花』が特に好き。

    過去の体験、失敗や後悔の記憶も全部引っくるめて今の自分が出来上がっている。

    この登場人物たちのように、ひとは人生のうちに何度も過去を振り返る。本気で恋愛してた頃の痛かった思い出も美しく昇華させられるような心の豊かさを持ちたい。

  • 2016.5.20読了。

    久しぶりの恋愛小説。
    過ぎ去った過去を思い出して懐かしくなったり後悔したりするけど、未来志向になるために思い出している、そんな本だった。

    短編のため、新鮮な感覚のまま読み切れるのがとても良き。オススメ。

    会えないはずの人では舞台が横須賀でとても親身な気持ちになった。また死んだ人に会うという不思議な経験を自分も出来たらいいのになんて思った。

    やはり誰もが思い出す青春って高校生から大学生で、過去ばかり気にしてないで、大学生というイマも楽しまないと。編集者が主人公だったので、自分が30歳の時こんな風に仕事しているのだろうか、と妄想した。

  • 20160620
    なんだか台詞ばかりの小説だなーと思いながら読み終えました。それぞれが過去の恋愛に囚われているという短編でしたが、登場人物がどうも好きになれなかったです。最後の短編に出てくる彼も、そんな彼が好きな彼女もどうも好きになれなかったなぁ〜。自分勝手な彼氏でも好きと言うような女は精神的に自立していないように感じられる…、気がします。そしてそういう恋愛は学生時代までに終わらせておくべきだと思うのです…。そんな恋愛を30過ぎてもしてもうだうだやってるのを見るのは私としてはあまりおもしろくなかったです。
    ただ、終わり方は気持ちよかった。(笑)

  • Tぬオススメ本。
    返すときにどんな本か忘れて、もう一度読んだ本。
    二度目のほうが面白かった。
    最後の最後はちゃらい男にやられた感たっぷり。笑った。

  • タイトルと装丁がすごく好み。

    あの人からの手紙
    いらいらするけど好き。

  • 四篇からなる、三十代後半の男女の話。
    作家として暮らせることに感謝をして生きている、至って普通の人で、専業作家の北嶋。
    編集者と作家の関係って何だか異質な印象。
    ちょっと切ない「会えないはずの人」この話が一番好き。
    随分、理屈っぽい男と、忘れてきた思いに決着を着けたい女の話「風を切るボールの音」
    こんな男が目の前にいたらイライラしちゃう。
    でも、どこか憎めないのは「あの人からの手紙」
    表題作「はじめて好きになった花」と、四つの話から分かることは、思春期も大人もどちらも厄介。

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著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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