ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)

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  • 祥伝社
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レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342104

感想・レビュー・書評

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  • 浦和医大・法医学教室に「試用期間」として入った研修医の栂野真琴。彼女を出迎えたのは偏屈者の法医学の権威、光崎藤次郎教授と死体好きの外国人准教授・キャシーだった。凍死や事故死など、一見、事件性のない遺体を強引に解剖する光崎。「既往症のある遺体が出たら教えろ」と実は刑事に指示していたがその真意とは?死者の声なき声を聞く、迫真の法医学ミステリー!

  • 「迫真の法医学ミステリー」の惹句通り、痛快無比のエンターテイメント。
    著者の中山千里は、ピアニスト岬洋介シリーズ、あるいは弁護士御子柴礼司シリーズで、どんでん返しの帝王との異名があるが、今回は、法医学教室が舞台。
    次々に出てくる専門用語、医学用語(解説によると、著者はこのような専門的な内容でも取材に出かけることは一切ないらしい!)は、理解できないながら、著者の巧まざる筆致に、連作短編の5話とも、たちまち読了。そして、1話から4話までの隠された真実が最終5話で明らかになる。著者の仕掛けにまた脱帽。
    さらに、主人公は新米研修医栂野真琴だろうが、法医学の権威光崎教授、紅毛碧眼の准教授キャシー、各3人のキャラクターが、それぞれにまた何ともユニークで、この作品の魅力をいやがおうにも引き立てている。
    続編も、近々刊行されるらしいので、それもまた見逃せない。

  • 法医学がテーマの短編集、5話。
    浦和医大・法医学教室に、研修医として入った栂野 真琴(つがの まこと)。

    彼女の上司は、偏屈な法医学の権威、光崎教授。死体好きな変わった外国人准教授 キャッシー先生。

    生者は嘘をつくが、死者は決して嘘をつかない。死者の声なき声を聞く、法医学ミステリー。

    続編が楽しみです。



  • 研修医の栂野真琴は単位不足のため、法医学教室に入ることに。
    傲岸不遜な解剖医の光崎教授と死体好きの外国人准教授キャシーに振り回されながらも、真琴は教授の信念と一流の解剖技術を目の当たりにし、法医学にのめりこんでいく。
    何の事件性もない遺体を強引に解剖しようとする光崎教授の真意は―—。

    5つの連作短編集。
    テンポと歯切れのいい文章と、キャラ立ちしている登場人物たちが生き生きと活躍する緩急ある構成に、夢中になって読みました。

    どの登場人物も魅力的で、彼らが繰り出す明解な会話や医療に対する真摯な態度にはしびれました。
    古手川刑事もキャシー教授も良いのですが、中でも光崎教授の突出したキャラの濃さが半端ない。
    「生きている人間は嘘を吐くが、死体は真実しか語らない」という彼の言葉。
    数多の死体と向き合ってきた、不遜な性格ながらも凄腕の技術を持つ彼だからこそ言える、短いけれど含蓄のある言葉は後々効果的に響いてきます。

    また、「異状死」でもほとんどは解剖されず立件されないという日本の司法解剖の現状や、解剖を忌避する日本人独特の遺族心理など、自分の無知を思い知らされる点もたくさんありました。

    人間の実態を見すえる徹底したリアリズムの眼差しは、読者をクライマックスへと力強く導いてくれます。

    解剖までの手続きや医療知識が間違いだらけという感想を書いている方もいるみたいですが、エンタメとして楽しめたので気になりませんでした。

  • 登場人物は、わりとステロタイプ。
    「犯人」も途中で予想した通りで、
    大きなどんでん返しはなかった。

    が、読みやすい文体と、かなり特殊な世界を
    「不気味なまでに精緻に描く」描写力で、
    最後までぐいぐい引き込まれて読んだ。
    これぞ「筆力」というものか。

    解説に「筆者は全く取材に出ない」とあったが、
    それでいて難解な専門知識・用語を縦横無尽に駆使し、
    目の前で見ているかのようなリアルな解剖シーンは...
    まさに「筆力」なのでしょう(^ ^;

    お食事中には読まない方がいいようなテーマです...(^ ^;

  • 法医学教室の偏屈教授に外国人准教授。内科から回された研修医が法医学の深さを知って行く。テレビドラマの原作はほとんど読まないのだけれど法医学に惹かれて。真実を探るこの面白さ。

  • 法医学教室に回された研修医。やたら命令形の教授と死体好きな外国人准教授のキャシー。変人揃いのこの教室で、彼女はやっていけるのか?面白かったー。たまにミステリ読むと楽しいなー。

  • とある首都圏の大学医学部の法医学教室が舞台。
    犯罪捜査の過程で、医学的所見を得るために遺体を解剖したりするのが法医学教室です。
    解剖シーンはすごく迫力があります。
    一見事件性のない遺体の解剖を繰り返すように見えますが、最後に共通項が見えてきます。
    話のもっていきかたがうまいなー。
    20161031

  • いつも迫真の描写を楽しませてくれる中山氏が今回舞台に選んだのは法医学教室。
    唯我独尊の振る舞いを見せつつも、その能力と職務への誠実さで一部の人からは圧倒的な信頼を得ている光崎教授がなんとも魅力的です。
    専門知識と事件の繋げ方が秀逸で、単なるお仕事小説に留まらない内容の濃い作品でした。
    主役と脇役が入れ替わりながら個性の強いキャラクターが複数の作品に登場するところも中山ファンの気持ちを擽ります。

  • 法医学教室が舞台の連作短編集。
    一話完結かと思いきや、最後まで読むと物語が繋りを見せました。
    中山氏は同じキャラクターを色々な作品に登場させるタイプなんですね。
    チョイスして読むには適さないのかな〜

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著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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