愚者の毒 (祥伝社文庫)

  • 祥伝社
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本棚登録 : 220
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342623

感想・レビュー・書評

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  • 暗い話で読んでて辛かった。設定はありがちかなー。
    ミステリー的には面白かったけど、だれにも共感できず、、、。って感じです。

  • ちょっしたことで知り合い、友情を深めていく二人の女性。
    早い段階でネタバレと思われる描写があるが、なぜそうならなければならないのか、どう繋がっていくの気になって一気読み必至。
    後半は、貧困、劣悪、過酷な環境の少年少女時代の話に戻る。
    これが大変つらい。読んでいて胸が締め付けられる。
    少年少女はただ一生懸命生きてきた。暗い過去に追いかけられながら、それでも一生懸命生きてきただけだ。
    最後、穏やかだったのだろうか・・・もっと幸せを感じてほしい一生だったと願わずにはいられない。

    宇佐美さんの本は初めてだったが、また次の作品も読みたい

  • どれだけ語り合っただろう。肝心な事は伏せても心は通っていた。唯一無二の友達だった…。
    宇佐美さんの著作を読むのはこれが三作目。作風内容ともに好みで、いずれも面白かった。
    悲劇を予感させる不穏な空気が漂い、何が起こるんだろう?と、とても惹き付けられます。
    お名前から40代位の男性を想像していたのですが、全く違いまして。
    女性的なタッチだと思って調べてみたところ、女性でした。どうりで。
    もっとたくさん書いてほしい作家の一人です。

  • すごい読み応え!
    ストーリーも重厚なうえ
    ミステリーとしても完璧。
    まさかの展開に何度も驚かされた。

    なんにも悪くない
    むしろ誠実に生きている主人公達が
    犯罪を犯しつつ生き延びていく様は
    もどかしくも切なかった。

  • 過去と現在を行き来しながら物語は進む。序盤は思わせぶりでまどろっこしい語り口に辟易していたが、第一章の終幕から雲行きが一変。三池炭鉱事故の史実に基づく第二章は非常に気が重くなった。最終章では全ての謎が綺麗に解けるが、この真相がまた重苦しく、折角見つけた光を己の手で葬ってしまった二人の罪悪感は筆舌に尽くしがたい。途中で筋書きは読めてしまうものの、最後の一行が終わると同時に流れるエンドロールが見える映画的な作品でもあった。哀しい物語ながら、葉子と達也の紡がれなかった絆は美しかった。やはり「白夜行」は連想した。

  • 壮絶な過去を持った葉子と希美が職安でひょんな事から知り合う。同じ匂いがする二人はお互いの存在で荒んだ心に必要な存在となって行く。希美の紹介で難波家の家政婦として葉子は亡くなった妹の子達也と住み込みで働くようになる。1965年の過去から1985年の葉子と希美の出会い…そして、現在…物語が明らかになるにつれて、それが繋がってくるとどんどん話に引き込まれた。

  • 4月-10。3.5点。
    暗い過去を持つ女性。しゃべれない甥っ子と金持ちの住み込み家政婦に。
    場面変わり、悲惨な炭鉱労働者一家。逃亡する男女。

    面白い。ラストもおー、そー来たかっと言う感じ。
    炭鉱労働者一家の悲惨さが、際立っていた。

  • たぶん、電車内の広告で見かけて。

    振り返ってみれば、
    ヘンデルが落とした白い石が夜の森に光っているように
    手がかりは点々と残されていたが、
    話の面白さにやみくもに突き進んでいって、
    作者の思い通りに道に迷ってしまっていた。
    もちろん、甘いお菓子の家ではないゴールにはたどりついたが。

    行ったことのある場所が出てきたという個人的な理由もあるとは思うが、
    人物描写といい、筑豊の時代描写といい、
    とにかく面白かった。

    ラストを救いとみるか、報いとみるかは人それぞれだろうが、
    果たして人生の帳尻は合ったのだろうか。

    自分は、達也が成長した姿がみれて、良かった。

  • 戦後日本の貧困を背景としたクライムミステリー。

    ミステリーとしては真相が読めてしまったので、社会問題小説として感動しました。
    タイトルの意味は作品中で説明があるのですが、「ある人には毒となる行動や存在がある人には薬(救い)となる」と解釈しました。
    作品構成としては、2015年現代と1985年が交互に語られる第一章、2016年と1965年の話が交互にかたられる第二章、そして全ての謎が明らかになる第三章で、現代パートで先に何が起こるかを匂わせているので、どのようにしてそこに至るのかがミステリー的であり興味をそそり一気に読まされました。
    ラストはそれまでの伏線から読めなくもないですが、それなりに衝撃でしたし、救いがあったのかどうかも解釈次第だと思います。
    自分は、生き残った二人は救われていないのではないかと思いました。

  • 2017.12.07読了。

    一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!

    色々と御都合主義だろうという点はあるが、読ませる力のある小説。

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著者プロフィール

愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で第1回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。17年、ミステリー小説『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞する。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている。

「2017年 『角の生えた帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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