鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396343972

感想・レビュー・書評

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  • やりやがった!

    謎多き火付け「火車」と対峙する京都西町奉行長谷川平蔵を助けるべく星十郎と武蔵を伴に京へと旅立つ源吾

    大好きな深雪殿と新之助が江戸で留守番とあっては今作は期待出来ないなという拙僧の予想を軽く覆してきました!

    新たな魅力的な登場人物と共に京のまちを舞台に暴れまわる命を護る火消し源吾を待ち受ける驚愕のラスト!
    父と子の想い出の向こう側に見える鬼の平蔵こと長谷川平蔵宣雄の生き様に魂が震えるシリーズ第4巻!

    羽州ぼろ鳶組『鬼煙管』!!

    刮目せよ!!!(ババーン)

    (次回予告か!)

    • mofuさん
      ひまわりめろんさん

      私も平蔵の生き様に魂が震えました!
      ひまわりめろんさん

      私も平蔵の生き様に魂が震えました!
      2022/06/17
    • ひまわりめろんさん
      ぼろ震えですね!(語呂が悪い)
      ぼろ震えですね!(語呂が悪い)
      2022/06/17
  • 〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズ第四作。
    今回は京都出張編。

    京の街で突然遺体や建物が火を吹いて燃える事件が連続して起こる。
    …と聞くと、個人的には乃南アサさんの『凍える牙』を思い起こしてしまう訳だが、当然こちらは展開が違う。
    京都西町奉行の長谷川平蔵に請われて〈羽州ぼろ鳶組〉頭の松永源吾は、星十郎と武蔵を連れて京へやって来た。
    江戸とは勝手の違う中、源吾は少しずつ事件の真相に迫るのだが、予想をはるかに超えて奥深く大規模なものだった。

    ぼろ鳶組メンバーが総出演ではないので寂しいかと思いきや、京にも愉快な火消しがいた。
    野条弾馬というその男は酒飲みだし言動もとても都人とは言えない荒っぽさだが、火消しに掛けては頼れるし、何となく源吾に似ている。つまり粋なのだ。
    また平蔵の息子・銕三郎(後の鬼平)が登場。何故か源吾とは反りが合わずほぼ別行動ではあるものの、銕三郎は銕三郎なりの正義で走り出す。そこがまだ青くハラハラする。
    そしてもう一人、火消し道具作りの達人・平井利兵衛。六代目利兵衛を継いだのは何とまだ若い娘・水穂。武蔵は竜吐水(今で言えば放水機?)を始めとする様々な道具に魅せられると同時に水穂にも魅せられたようだ。

    突然人や建物が火を吹く原理については成る程と思った。少し前に見たテレビ番組で、かのツタンカーメンのミイラに焼け跡があるのもこれが原因と聞いた。
    しかしこれだけ簡単に火を点けられるということはもっと危険なことも出来る訳で、源吾や平蔵らの緊張は高まるばかり。
    それにしても黒幕の思惑には驚かされる。価値観が違うと言われればそれまでだが、そのためにここまでするのか。

    今回は非常に物語が練られていて、親子、夫婦、家族の良くも悪くも強い絆を感じたし、それがゆえに人は前を向いて歩ける一方で悪い方へ突き進んでしまうこともあると改めて知らされた。

    長谷川平蔵が京都西町奉行時代に突然亡くなることは歴史上分かっていたことではあるものの、まさかこのような形でとは思わなかった。
    別れがある一方で新たな出会いもある。銕三郎が今後江戸で源吾とタッグを組むのか、それも楽しみだ。
    そして辛いシーンが続いた武蔵だが、最後にはかわいらしい一面も見せる。今後が気になる。
    源吾の妻・深雪は今回は出番が少なかったものの、良いタイミングで届く手紙は源吾の心を癒し励ましてくれた。

    読後調べたら、黒幕は後々の時代に断絶するらしい。ちょっと溜飲が下がる。

  • シリーズ第4弾。
    泣けた。ぼろ泣きだ。
    終章、長谷川平蔵親子の肩車のエピソードには特に大泣きだった。
    「一度過ちを犯しても、人は優しさに触れてまた立ち直れるはず」
    男達の過ちを許す優しさ、強さに痺れた。

    いつもの江戸を離れ、今回の舞台は京都。
    平蔵に頼まれ、源吾・星十郎・武蔵の3人が、人が突然燃えるという面妖な事件を追いかける物語。
    今回も沢山の出逢いがあった。
    深雪が源吾宛ての手紙にしたためた通り、嬉しい出逢い苦しい出逢いがあり、そして哀しい別れもあった。
    人はそうやって出逢いと別れを何度も繰り返して生きて行くのだ。
    ほんと深雪の言葉は心に染みた。
    いつの日にか再び、成長した二代目平蔵と再会し今回の忌々しい事件を解決してほしい。
    そして源吾と深雪の子供の名前は平蔵の願い通り、平蔵の名に因んだ名前にしてほしい。

    • ひまわりめろんさん
      mofuさん
      こんにちは!

      「ぼろ泣き」って表現いいですね
      ぼろ鳶組で泣けたら「ぼろ泣き」って公式にしましょうw
      mofuさん
      こんにちは!

      「ぼろ泣き」って表現いいですね
      ぼろ鳶組で泣けたら「ぼろ泣き」って公式にしましょうw
      2022/06/17
    • mofuさん
      ひまわりめろんさん、こんにちは♪

      大好きなぼろ鳶シリーズですが、中でもこの回は泣きました〜。
      ぼろ泣きです(ToT)
      ぼろ鳶に「ぼろ泣き」...
      ひまわりめろんさん、こんにちは♪

      大好きなぼろ鳶シリーズですが、中でもこの回は泣きました〜。
      ぼろ泣きです(ToT)
      ぼろ鳶に「ぼろ泣き」ぜ公式にしてほしいですね。

      コメントをありがとうございました(^.^)
      2022/06/17
  • 今回の舞台は京都
    死体が火を噴く奇怪な連続殺人事件が次々と起こり、京の人々を不安に陥れる

    そんな火を使った難事件を止めるため、京都西町奉行長谷川平蔵は、松永源吾を京に呼び寄せる

    真相を解明していくうちに、朝廷側の暦を司る土御門家の陰がちらつく
    暦を我がもののように操る土御門家、それに対抗する幕府方の渋川春海。
    おおっ、沖方丁のが『天地明察』ではないか!

    源吾を助けるべく共に京に上がった魁武蔵の活躍も見逃せない
    極蜃舞とひでりがみの対決

    息子の銕三郎に後を託すかのようにして、自分が踏み台になって他の者を屋根に上げ、怒号や嗚咽、叫喚の渦巻く中、自ら火に包まれていく長谷川平蔵!
    火盗改の名奉行の長谷川平蔵がこんな最期でいいのか

    解説にもあるように「終章」の長谷川平蔵と当時まだ、6歳だった息子銕三郎の肩車のシーン、平蔵が亡くなってしまっただけに余計に心に沁み、静かな余韻を残した

    これから父になる松永源吾にも父子の関係がどうあるべきなのかを示唆するようで感動した

  • 【羽州ぼろ鳶組4】
    えーーーっ! 嘘でしょ⁈ なんで、どうして⁈ と、叫びたくなった終盤。。。
    哀しみとその後の感動に嗚咽が止まらなかった。

    今回の舞台は京。長谷川平蔵の要請で、源吾は星十郎と武蔵を連れて京へ赴く。
    青坊主、火車という、妖怪の仕業と噂される珍事件を解決する為だ。

    平蔵の息子の銕三郎(てつざぶろう)、火消し道具職人の水穂、京の火消し:弾馬と新キャラも登場。

    しっかし、ポッカリと胸に空いた穴がなかなか埋まりそうもない(◞‸◟)
    終章を読んでから、序章に戻るとまた泣けた(T . T)

  • 「羽州ぼろ鳶組」の4冊目。

    今回は、都を混乱に陥れている火を用いた奇っ怪な事件を止めるため、京都西町奉行長谷川平蔵が頼りとする源吾を京に呼ぶところから始まるお話。
    櫂五郎が操る船で大坂を経由して星十郎、武蔵とともに京都に入った源吾らに、平蔵とその息子・銕三郎の関係、火消道具を扱う絡繰り師「水工」利兵衛の秘めた謎などが絡み、いつもとは異なりじりじりと話が進む。中盤までは、弓矢を引き絞りギリギリまで解き放たない、そんな緊張感。
    そして、それが解き放たれるや否や、またしても怒涛の展開だが、下手人と対峙する武蔵の姿に火消しの第一義を思い出す源吾の姿が白眉。
    と思っていたら、その後の思いもかけぬ平蔵の姿はそれを上回り涙を誘う。終章の挿話がまた泣ける。

  • 平蔵〜〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
    カッコ良すぎる!もう号泣‼︎

    序章&終章が良すぎて全部持ってかれた‼︎
    何なの?どんどん面白くなるんですけど?

    また今日も寝不足です(_ _).。o○

  • シリーズ4作目は京都が舞台。
    これまでで一番スピード感があり一気読み。
    関西人なので、源吾と弾馬の掛け合いの
    微妙にかみ合わない感じがおかしかった。
    笑いあり、涙あり。
    プロローグとエピローグも秀逸。

  • 京都の治安維持に奔走している長谷川平蔵から、源吾への書状が届いた。
    死体が突然発火する不審な事件が相次いで起こり、京の人々は「火車」と呼んでおそれるばかり。
    解決の糸口を掴むため、源吾の力を貸して欲しいというのだ。
    星十郎、武蔵を伴い京都に到着した源吾らは、これはより大きな災厄を引き起こすための実験ではないかと推測。祇園祭を控えた京の町を守れるか?


    うううっ、涙ナミダ。なんてこったい。
    レビューが書けねえ。

    まだ悲劇を知らぬ深雪さんの書状のこまやかさに、また違う涙をさそわれる。

  •  京都奉行長谷川平蔵は、火を用いた奇怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消し、松永健吾を京に呼び、真相に迫るが…。

     待望の第4巻が出たので、早速本作を手に取りました。

     今回は、京都が舞台、ストーリーは、謎を解いていくミステリー仕立てと、今までとはちょっと違ったぼろ鳶組の活躍を見ることができました。

     いつものメンバーが今回は、出番がないので少し残念ですが、その分、後の鬼平である鉄三郎が健吾とコンビを組んで活躍し、見逃せない展開でした。

     クライマックスでは、題名の意味が伝わってきて、胸が熱くなりました。

     プロローグとエピローグの父子のエピソードもこの物語に深みを与え、読後感も爽快でした。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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