菩薩花 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 619
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396344238

感想・レビュー・書評

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  • 今回も面白かった!

    このシリーズの大きな魅力のひとつは作中登場する「火消し番付」と通称ですよね「火喰鳥」とかね
    なにしろかっこいい!
    そして今回は火消し番付がお話の鍵になってたりします

    最後は「菩薩」に「火消し菩薩」が勝ちます!
    そりゃあそう
    偽物が本物に勝つはずがないのだよ!

    • ひまわりめろんさん
      ね、いいでしょう

      湯呑みいいね〜
      ほんとに祥伝社でグッズ化してくれないかな
      あと暖簾とか団扇とか半纏とか
      てか主要キャラの半纏を模した甚平...
      ね、いいでしょう

      湯呑みいいね〜
      ほんとに祥伝社でグッズ化してくれないかな
      あと暖簾とか団扇とか半纏とか
      てか主要キャラの半纏を模した甚平とか売れそうやなw
      2022/07/05
    • みんみんさん
      今村翔吾オフィシャルサイトでグッズ販売してた…
      Tシャツとタオル…和が足りてない( ̄▽ ̄)プッ
      今村翔吾オフィシャルサイトでグッズ販売してた…
      Tシャツとタオル…和が足りてない( ̄▽ ̄)プッ
      2022/07/06
    • ひまわりめろんさん
      ほんとだ
      スタッフ、センスないね

      湯呑みは必須だわ
      せめて手ぬぐいだわ〜
      ほんとだ
      スタッフ、センスないね

      湯呑みは必須だわ
      せめて手ぬぐいだわ〜
      2022/07/06
  • 〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズ第五作。

    これまで毎作のように出てきた火消番付。掲載常連組の加賀藩やこのシリーズの主人公・松永源吾でも嬉しいものだが、ぼろ鳶組のメンバーにとっては何よりの励ましになる。
    しかし仁正寺藩の火消・柊与市にとっては、番付上位に載ることが火消組の存続に関わる切実な使命となる。

    今回も面白かった。
    ぼろ鳶組の新庄藩に限らず、どこも懐事情は苦しい。それでも江戸の人々を火事から守るために頑張っている。
    だけどその努力をアッサリと予算がないから、で切り捨てられるのは堪らない。かといって無い袖は振れない。さてどうするか。
    火消番付を巡って柊が危険な行為に及ぼうとしているのかと思いきや、ああこれ以上はネタバレなので書けない。
    タイトルの『菩薩』に相反する二つの意味が込められていて、そこが上手いと感じた。

    源吾たちが暴こうとする悪はとてつもなく陰湿で根深く手広く、強大で明らかにするのが難しい。
    加賀藩火消たちや鬼平の力を借りるも、なかなか上手く行かない。
    しかし最終的に火消には火消なりの解決法があったと分かるところは痛快だ。

    『おれは自分の子には火消になって欲しくねえ。どこに火の中に飛び込めって親がいる。(中略)だがよ、それ以上に、どこに人が焼け死ぬのを見捨てろって親がいる!』

    今回も格好良いセリフ、頂きました。
    だけど結局源吾も親の背中を見て火消になった口だし、今作で生まれた息子も火消になるんだろうなぁ。

    そして矜持を持っているのは勿論火消だけではない。
    火消番付の選定にも関わっている火事専門の読売書き・文五郎もだ。
    危険な目に遭っても命の危機に瀕しても最前線で火事の様子や火消たちがどう消火に当たったかを事実だけを克明に書き記している。
    そこには何の感情も贔屓目も入れない、真のプロの姿があった。
    彼の姿で火消番付が揺るぎない価値を持つことを教えてくれるところも上手い。

    相変わらずの深雪夫人のやり手っぷりと人付き合いの広さにニンマリしつつ、田沼意次シーンでは危険な雰囲気も感じる。脇役で頑張ったのは加賀藩火消の娘を始めとする子供たち。これからも時に可愛らしく、時に小憎らしく、時に頼もしい成長を見せてくれそうだ。

    『菩薩花』とはハイビスカスのこと。冬を越せない南国の花を譲られた深雪が、何とか冬を越させようと頑張っている姿に諦めない力を源吾は感じる。
    越せるか越せないかは分からない。だがやってみなければ何も起きない。

  • 火消番付ーいつの時代も順位に拘る男の多いこと。
    己の力量もさることながら、お家の評判にも繋がるのだから気になるのは当たり前かもしれない。
    番付の大関・関脇陣の火口を奪って炎を消し去り、一気に大関へランクアップしようとする火消もいたりして。
    そんな火消の元々の意義を覆す輩がいたりすると、只でさえ火事が多く、喧嘩っ早い男達の多い江戸の街も大騒動が勃発すること間違いなし。

    シリーズ第5弾。
    いつもぼろ鳶組のような、不器用だけれど一本気な男達を見慣れているせいか、私利私欲に走る火消がいること自体に怒りを感じた。
    今回も様々な人達との出逢いがあったけれど、源吾にとって一番喜ばしい出逢いに、今か今かと待ちわびた人達も安堵したことだろう。
    無事かの方との約束も果たし、周囲の皆にも祝福され、今後のぼろ鳶組の活躍もますます楽しみだ。
    火消菩薩・深雪のご加護があればぼろ鳶組も安泰に違いない。

  • 黄金雛を先に読んでいたので、進藤内記に何があったのか、何故こうなったのかが、分からない。そこの物語も描いて欲しい。

    このシリーズは、読みやすく、ミステリーの要素もあり、火消の心意気や友情・連帯、剣戟、挫折と負けん気、家族愛など、好きな要素が盛り沢山にたらふく味わえる。とても安心して物語世界にたゆたい元気をチャージできるエンターテインメント。こうした物語を提供してくれる作家、ストーリーに出会えた僥倖に感謝したい。

  • このシリーズも第5話となった
    今回の表題は「菩薩花」琉球のハイビスカスのことを指すらしい
    今回の主題の「菩薩」は、明暗二人

    火消番付で三役に上がらなければ、鳶の数を四分の一に減らすという無理難題を突きつけられ、配下の鳶達の暮らしを守るため大物喰いに打って出る仁正寺藩火消頭取の柊与一

    大物喰いとは、自分よりも上の番付のモノの消口を奪って、一気に番付を上げること

    読者は次々と起こる火事に対する不審な出火と火消の初動の速さから、これは怪しい!
    柊与一の仕業かと、うっかり騙されそうになる

    そこには大きな力を後ろ盾にした疑いたくなる陰謀が!

    相変わらず、火消の場面の描写は、緊張のあまり息を飲むが、ただ一つの目的に向かって、男たちがひたすら火に立ち向かっていく姿は美しい

    そして、そのあとの弛緩の場面がまたいい

    ついに、みんなが待ち望んだ源吾の第一子が誕生する
    名前がいい! 
    そして、たくさんのかっこいい兄貴達にあふれんばかりの愛情をそそがれ、これから育っていくであろうこの子は、何と幸せな子だろう
    きっとこの子の成長もこれから語られるんだろうなと思うと楽しみになる

    こちらまでほっこり幸せな気持ちで読み終えることができた

  • 「羽州ぼろ鳶組」の5冊目。

    今回は、仁正寺藩一万八千石の大名火消を率いる柊与一が家老から鳶の大幅削減を迫られ、火消番付で三役を獲るために「大物喰い」を決意するところから始まる。
    そこから、不審な付け火、それに気づいた火事読売書きの文五郎の姿が消え、その子・福助も付け回される一方、他の火消から手柄を奪おうと闘っていた与市も行方知らずとなるなど謎解き調のお話となる。
    その中で、新たに登場する、巷では「菩薩」と崇められる八重洲河岸定火消・進藤内記がどう絡んでいくのかと思っていたが、こいつが火消の風上にも置けない不逞やつ。
    さしもの源吾もその奸計に右往左往で、お琳お七&福助の逃走劇やぼろ鳶の知恵を絞った八重洲河岸への押し入りなど見せ場とは言え押される場面が多く、ややフラストレーションが溜まる展開。

    深雪さんが無事に平志郎を産むことが出来たのは良かったが、親の顔して実は鬼だった内記を反面にして、今回の物語を貫くのは親や先達から子や後進に受け継がれる思いや教えの大切さ。
    源吾が新之助に指揮を執る者の心構えを説く場面、源吾が触れると生まれたばかりの赤子の小さな手が触れた指をぎゅっと握ってくれる場面、鳶になりたい子どもたちが与市と語らう場面、福助が文五郎に弟子入りを懇願したという場面、それぞれに印象的。
    己を助けた新之助を同じ位に留めた文五郎の差配にも親心を感じて、じんわりと温かい。

  • 【羽州ぼろ鳶組シリーズ5】

    江戸へタイムスリップ♡
    安永2年(1773年)も秋、年明け発表の人気火消し番付が気になる面々。中には、番付を上げようと、他の火消しの手柄を横取りする柊与市のような者が現れる。

    また、火事の遺児を引き取り『菩薩』と崇められている進藤内記。
    火事の記事を書く読売の文五郎が今回の登場人物。行方不明になる人物を追い、謎解きに翻弄する松永源吾率いるぼろ鳶組。

    深雪も、会うとご利益があるといわれるもう一方の『菩薩』だ♡
    本当の親心が今回のテーマ。
    深雪さん、無事のご出産おめでとう

  • シリーズ第5作。
    今回のテーマは現代社会にも通じるものがあって色々考えさせられる。
    ミステリ調で進む話もやはり最後は熱い男達の火消し話で締めくくってくれる。
    田沼捌きも粋で最高でした。

  • 京都から戻った源吾たち。
    江戸でぼろ鳶組全員の活躍が見れるのはやっぱり嬉しい!
    ただし、やっぱり事件は起きる。
    財政難から火消し削減を迫られている与一や源吾が毛嫌いしている菩薩の進藤内記。
    それぞれの思惑が重なりあい、混乱しながら解決へ突き進む源吾たちが格好良い!
    それぞれが自分の限界を超えて頑張る姿を見ていると胸が熱くなる。
    権力に負けず、人命第一に全力を尽くす火消たちを応援せずにはいられない。

  • 本筋での結末は少し消化不良という感じたったが、
    今回はサイドストーリーにほっこりさせられた。

    深雪の出産と火消し番付。
    待ちに待った二人の第一子。
    初々しいパパと
    すっかり母の顔のママ。

    それにしても新之助は毎回危険すぎる。
    鳶の面々の誰も傷ついてほしくない。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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