匿名者のためのスピカ (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 98
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396344245

感想・レビュー・書評

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  • 単行本の時から読みたいと思ってたけど、なんというか…。言葉に表しづらい物足りなさというか。
    国語が一番好きだったから、過去の背景があっても笠井くんに感情移入できずサイコパスめいて感じられたのもあまりハマらなかった要因かも。

  • 笠井、法科大学院生。生命保険会社に勤めていた。そこで顧客に頼られストーカーを受ける。
    七沢、母親の愛情は全て弟に。
    館林、笠井の恋人。高橋に高校生の頃監禁される。母の愛情は弟に。
    高橋、館林を監禁。またも波照間に連れて行く。
    笠井、七沢は2人を追う。

  • 信じることと、執着すること、何が違うのでしょうか。その人が信じるものは周りからみたら執着で。求めることと与えることが上手にできない。光の危うさを感じました。

  • ここ最近、島本理生作品を読んでるけど、初めての男性主人公。こういうのも書くんだ。だからというわけじゃないけど、あんまり感情移入できなかったあ、、。

  • 誰かに愛されていないと、愛されてる確かな実感がないと、きっと人は生きていけないのかもしれない。

  • この量で、こういう重いテーマを書ききるのは、ちょっと無理があるかな、と思う。
    あ。以下、ややネタバレ気味。注意。



    結局、どの登場人物にも感情移入出来ないままで終わってしまった感。
    いや、今のところの最新刊『ファーストラヴ』と比較して読ませたかったのなら、まあ、分からなくもないかも。
    これがドハマリした方には、オススメです。

    悲劇のヒロインの中でしか自分を見出せない景織子にも、そんな彼女を助けるという正しさだけで、本当の彼女と向き合っていこうとまでは出来ない修吾にも、心は動かされない。
    むしろ、景織子については、結局自分が落ち着くための「アナタが良い人だから、私じゃあ勿体無いわ、サヨウナラ」パターンかよ、と思ってしまった。
    昔から、男の人が視点となる恋愛漫画やアニメで、薄幸(そうな)美女が、そうやって去っていくパターンを、うさんくさい目で見てきた自分だ。
    まあ、「君が幸せになるなら、僕は退くよ、サヨウナラ」パターンもまったく同じ意味で、白けていたものです。

    だって、相手がどうかは完全無視だから。
    相手を傷つけまいとするのは、自分が傷つきたくないからだと、確かにそう思う。
    えらく、本筋から離れて語ってしまった。

    ただ、二人を巡る事件に、一見大して関心もなさそうなのに、ものすごく首を突っ込んでくる七澤くんは好きだな、と思った(笑)
    自分がかつて置かれた境遇に引き寄せられているのだと、太一さんは言うけれど、七澤くんは自分のためとか、修吾や景織子を傷つけるために、動いたのではないように思う。
    そういう不器用さが唯一良かったので、七澤くんのその後、立派な検察官になれたかを知りたいなぁと思ったのでした。

  • 【あらすじ】
    法科大学院生の笠井修吾は就職の相談がきっかけで同級生の館林景織子と親しくなる。彼女には恋人に監禁された過去があり、今もその男らしき相手から連絡が来るという。怯える彼女を守ると誓った修吾だったが、ある日彼女は、その男と思しき人物の車に自ら乗って姿を消してしまう。修吾は彼らを追って南の島に向かうが…。著者が初めて挑む、衝撃の恋愛サスペンス!

    【感想】
    愛情とは何かをすごく考えさせられた一冊だった。自分にとってはこれが普通だと思う愛情でも、他人からしてみたらそれは普通の愛情ではないこともあるんだなと思った。そのわかりやすい例がマザーコンプレックスだと思う。当の本人たちは愛情をただ与え合っているだけだと思っている。でも傍から見たらそれは、少し異常に映る。今回の物語はそれと同じと言っていいのではないだろうか。マザーコンプレックスはお母さんと子ども、この物語の場合は誘拐犯と少女。元恋人でもあった。景織子は親からの愛を受けられずにいたせいて、愛に飢えていた。だから、優しく差し伸べられた手を握ってしまった。それが悪夢の始まりだった。でもそれを景織子は悪夢と果たして認識していただろうか。そんな境遇の景織子を、好意を持たれた笠井は
    救おうとする。クラスメイトのちょっと不思議な七澤と共に、景織子の行方を追う。なぜそこまで七澤が力を貸してくれるのか。叔父の太一が七澤の過去を笠井に語ってくれた時、七澤も愛に飢えていた時期があり、自分と景織子を重ねていた部分があったのかもしれないと感じた。だから助けたいと思ったのかもしれないと。笠井は純粋に景織子に好意を持ち、助けたいと思っていた。でも、景織子の方はどうだっただろう。元恋人の歪んだ泥沼の愛情から抜け出せなくなっていたのではないか。この人には私しかいない。私にはこの人しかいない。そんな風には思っていなかっただろうか。これこそ歪んだ愛情だ。もう付き合ってもいないのに、何年も会っていなかったのに、監禁されていたことだってあったのに。それでも、久しぶりに会った時に、波照間島に星を見に行こうと言われて、景織子はついて行った。ここでようやくタイトルの意味について考える。匿名者のためのスピカ。元恋人は、自分のための星、つまり輝かんばかりの愛を手に入れたかった。そういう意味でもあり、好きになった人と、スピカを見に行きたいという意味も込められているのではないかなと思った。愛情とは奥深いものだと思う。一歩間違えたら歪み狂うものでもある。純粋で輝かしい透き通った星のようなものでもある。この物語に出てきた登場人物は皆、誰もが歪んだ愛情を少しずつ抱え、大きく抱え、または過去に抱えている人もいた。完璧な愛情とは何か。そう聞かれてもわたしは答えられない。なぜならわたしの受けている愛情もきっとどこかしら歪んでいるからだ。歪みのない愛情なんて存在するのだろうか。完璧な愛情なんてあるのだろうか。あるのならそれがどんなものか、わたしは知りたい。この物語を読んで、愛情以外にも完璧って難しいことだらけだよなと痛感した。匿名者のためのスピカは、もしかしたら、あなたのためのスピカを指しているのかもしれない。

  • 法科大学院に通う主人公がつきあい始めた同級生。彼女が元恋人と失踪する。
    高校生のとき元恋人に監禁された過去を持つ女性や、子どもへの歪んだ愛情を注ぐ母親が出てくる。歪んだ愛を描いた物語として読むならアリなのかもしれない。でも、帯には「恋愛サスペンス」と謳っている。サスペンスやミステリーとしてはかなり消化不良だった。もっと登場人物の心情が深堀りされていたなら違う印象だったはず。もったいない。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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