死人狩り (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
2.50
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  • (8)
本棚登録 : 153
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396345273

感想・レビュー・書評

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  • 伊豆西海岸を走行中の路線バスに銃弾が撃ち込まれた。バスは海に転落し、乗員乗客27人全員が死亡。その中には静岡県警の刑事の妻と2人の子供がいた。バスの乗客に恨みを持つ者の犯行と睨み、死亡した乗客について調べる刑事たち。これが死人狩り。様々な人生が見えるが、話に深みが無い。犯人はある程度予想できた。家族を失った刑事の悲しみがイマイチ伝わってこなかった。

  • 時代背景が気になり調べてみると昭和57年...
    その為かなりの違和感があって、終始入り込めなかった。

    銃撃で乗客乗員全員が死亡するという事件さえ起こらなければ、露呈する事もなかったであろうそれぞれの後ろ暗い生活など、犠牲者を調べる件や設定自体は面白かった。

    早々に犯人の目星がついてしまうので推理物が好きな方向けではなさそう。

  • 伊豆西海岸を走行中のバスに銃弾が撃ち込まれた!バスは海へ転落し、乗員乗客27人全員が死亡。この事件で妻子を喪った浦上(うらがみ)達郎警部補は、犠牲者の誰かに恨みを持つ者による犯行と睨み、被害者たちの周辺を捜査し始めるが──。

    27人もの犠牲者を出した未曾有の大量殺人事件。通常なら犯人を追うところで、被害者の身辺を洗って手がかりをつかむ「死人(しびと)狩り」をすることになる。まさか死ぬなんて思ってもいなかった乗客たちの生活や秘密が暴かれていくのがやるせない。事件が起こらなければ続いていた日常が一変する。それは日常に潜む人間関係や心情を嫌でも映し出すのだ。犯罪が起こることでの余波を感じられる人間ドラマとしては見どころあり。

    「驚愕の真相」「本格長編ミステリー」と説明文にはあるが、ミステリーとしてはパンチが弱い印象。もっと込み入った犯人やオチになると思っていた。大量殺人の謎と400ページ近くある物語の終点がこれかと思うと物足りない。ここまで積み上げてきた膨大な捜査と人間ドラマを、犯人へとぶつけてくれたらカタルシスがあったなあ。被害者の身辺をひたすら洗い続けて手がかりを探す刑事の姿がカッコよかっただけに、終盤が惜しい一作。

  • 伊豆西海岸を走行中のバスに、銃弾が撃ち込まれた。バスは海に転落し、乗員乗客二十七人全員が死亡。本件で妻子を喪った静岡県警警部補浦上達郎は、犠牲者の誰かに恨みをもつ者による犯行と睨み、亡くなった一人ひとりを虱潰しに当たるが…。犯人の狙いは二十七人のうち誰なのか。浦上が突き止めた、驚愕の真相とは―?大量殺人の謎に挑む、本格長編ミステリー。

    導入部は、まるで「笑う警官」(マルティン・ベックシリーズ)のようだが、その後はしりすぼみ。残念。

  •  昔のミステリー読むと、今はストーリー練り込みまくってるという進化を感じる。
     むしろ練り込みすぎなのかもしれないが。
     本作は昭和57年のミステリー。

     伊豆半島西岸、路線バスが何者かに銃撃され、バスは海中に転落、27人が犠牲となった。
     その事故に巻き込まれて妻と子どもを亡くした警部補、浦上達郎は相棒の伊集院としらみつぶしに27人の遺族にあたる。
     誰か殺されるような恨みを買っていた人物はいないのか。
     
     ミステリーというよりはヒューマンドラマ。
     そして結末があまりにもあっけなさ過ぎて、いったいなんやったんやという読後感。

  • ミステリーというより人々の背景を追い求めるヒューマン・ストーリーという感じがした。
    問題のミステリー部分は「やはりそう来たか、、」と言う展開になった。
    その点は物足らないが先に述べたヒューマン・ストーリーの所は面白かった。二人の刑事が調べを続けるうちに段々と希望が持てなくなっていく感じがひしひしと伝わってくる。

  • 2.75
    言葉使いがちょい古い
    正直いつに書かれてたかはわからないまま読んでるからまぁ前なのかな、それかこの書く人のやり方なのか
    短編集みたいな感じでちょっとがっかり
    結末もわかっちゃったんで読み進めていく楽しみがなかったかなって感じです

    主人公の執念が見えたし疲労感、体調がどーゆー状態かというのが伝わった

  • 真犯人の手掛かりを求めて、二十七人の犠牲者を捜査する刑事が、様々な人生模様を垣間見る、という趣向。決して長い小説ではないから、それはもちろん、あっさりとしたスケッチでしかないのだけれど、いくらでも膨らませられそうな話で、実際ショーケン主演で連続テレビドラマにもなっているそうだが、さもありなん。真相はありがちだが、そこで読者を驚かそうとは思っていなかったんだろう。

  • すんごい古い設定で。月の給料が2万円とか、、、だったからおかしいなぁ。でも出版が令和元年だなぁと思ってたら、やっぱり昭和57年発行だったやつを新しくした本でした。

    内容はそのままで今の時代に即したふうには変えないんだなぁ。と。

    40年近く前のミステリー。

    やはり時代背景に若干の違和感は禁じ得ないし、ラストのオチが、なんだよ。って感じでした。

    もう一捻りあってもよかったのに。

    最初からめちゃくちゃ怪しかったやん。っていう。笑笑
    まだ、まだこの時代のミステリーは伏線が単純だったのだろうか。わからないけど、面白くなくないけど、なんだよ。の連続でした。
    笑笑

    主役の刑事2人もパッとしないおじさんで。せめてイケメンとかにして欲しいなぁ。笑笑

    普通のおじさん2人。頭がすごくキレるわけでもなく、面白くもなく、ただのおじさん2人なんだな。

    キャラ設定もやはり時代があるのかな?最近のミステリはコミカルな刑事とか、やたら頭の切れる個性的な一般人が事件解決!っていうのがよくあるパターンで、それに読み慣れてるから、普通のおじさん刑事がなんとも物足りなく感じるんだろうか。

  • 昭和57年の作品。帯もキャッチーですごく面白そうな雰囲気が出てるけど、中身はちょっと、、ただ淡々と乗客の背景が続くだけでオチも淡白。

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著者プロフィール

1930年生まれ。1960年、初長篇『招かれざる客』が第5回江戸川乱歩賞候補次席となり、本格的な小説家デビュー。 1961年『人喰い』で第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。 テレビドラマ化されて大ヒットした『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説、サスペンス小説、恋愛論などのエッセイ他、歴史書等も著し、380冊近くもの著書がある。2002年、逝去。

「2023年 『有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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