黄金雛 羽州ぼろ鳶組 零 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396345808

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  • 黄金雛 ー 羽州ぼろ鳶組シリーズの10作目。《零:番外編》
    2019.11発行。字の大きさは…小。

    尾張藩火消し171人が焼け死んだ事件に、松永源吾たちが立ち向かう…。

    物語は、飯田町定火消・松永源吾が16才の時の話に遡る。
    源吾の世代は、「黄金の世代」と言われ優秀な火消しが出て来た年でもあった。
    そして、源吾の父・重内、大音勘九郎の父・謙八などの人達の話が出ていて、おやっさん達の話が聞けて嬉しいです。
    事件の発端は、尾張徳川家前藩主・宗春の業績を抹殺したい幕府老中や若年寄、尾張火消しを廃止したい尾張藩御付属列衆(江戸家老)・中尾采女、甚兵衛に遺恨を持つ火事場見廻・服部中、商売敵越後屋を蹴飛ばしたい毛織物商糸真屋・久右衛門、秩序を乱す火消しをこころよく思っていなかった大学頭・林鳳谷が策を用い尾張藩火消頭・伊神甚兵衛の配下171人を焼き殺したことから始まります。

    甚兵衛が死んで3年が過ぎたころ服部中の屋敷から火が出て屋敷に居た服部中以下20数名と救出に向かった火消し加賀鳶たちが死んだ、加賀鳶の譲羽十時は、重症を負い、その話から火事の原因に不信を懐く。
    加賀鳶大頭・大音謙八たちは、火事の原因究明に乗り出す。それとは別に、源吾と勘九郎たちも動き出す。
    そして、事件に関係した糸真屋・久右衛門も死に、久右衛門から真相を聞いた源吾たちは、次に狙われる林鳳谷を助けようとするが、幕閣は、林鳳谷をおとりにして下手人の捕縛に動く。

    尾張火消しの中で唯一生き残った者がいる…その者が、下手人か…。
    林鳳谷は、源吾たちはどう動くか…。

    【読後】
    今村翔吾さんが、「青き春」と言っている、源吾たちの若かりし頃の話を尾張藩火消頭・伊神甚兵衛の話をとおして語っている。
    また、源吾が、なみいる火消しを見まわして「あんたたちは俺たちがあこがれた火消しだろうが! いつから火消しを辞めてしまったんだ!!」と叫んだくだりは、胸が打たれる。

  • シリーズ第10弾は始まりの物語。
    源吾が火消デビューを果たした若かりし頃、「黄金の世代」と呼ばれた同期の仲間達と共に懸命に奔走した日々を追う。

    若さ故に心のままにがむしゃらに突き進む源吾達。
    大人達のやり方が理解できず反発したり、言い付けに背いたり、とまだまだ"青い"。
    あの「菩薩」の内記もぼやきながらも、心の奥を熱くするのだからよっぽどだ。

    「火消はどんな命でも救うのだ。それが悪人であろうとも。たとえ己が死ぬことになろうとも」
    「人の強さは、人の弱さを知ることだ。それを喰らって、人は強くなる」
    父の遺した言葉は源吾を火消として、人として強くする。
    これが源吾の、ぼろ鳶組の原点。
    今では大御所のように偉そうにしている面々の、恥ずかしい"青い"時代が読めて嬉しかった。
    そして迎えた終章。
    また第1弾から再読したくなった。

    要所要所で幼い頃のぼろ鳶組のメンバーがチラッと登場するのがこれまた嬉しい。
    「解説」にもあったし、私も薄々感じていたことだけれど、ぼろ鳶組って『ONE PIECE』の「麦わらの一味」に似てる。

  •  羽州ぼろ鳶組の始まりの物語、若かりし火消したちが活躍するシリーズ第零巻。

     10巻目にあたる本巻を零巻として主人公の若かりし日の物語が描かれており、主人公の成長を味わうことができました。

     当然、個性ある火消したちの若かりし頃も描かれており、人物のつながりも感じられ、新たな楽しみを味わうことができました。

     また、主人公と父との確執や理解など、親子もテーマになっており、読みごたえがありました。

     物語としてもクライマックスに向けて盛り上がっていく展開で今回も十分堪能することができました。
     
     第10巻が今から楽しみです。

  • やはり安定の面白さ。
    零、ということで今までのを再読したくなった。

  • 羽州ぼろ鳶組10巻目にしてなんと「零」。
    若き日の源吾らの胸のすく活躍。
    いつも江戸の地図を確かめながら読みます。

  • 若き日の源吾たち、
    火消しのなんたるかを教え育てる親世代。

    誰もが不器用で真っ直ぐなのが
    気持ちよくもありもどかしくもあり。

    父重内の早すぎる死に
    源吾が心を溶かした後の時間が
    もう少しだけあればいいのにと思った。

    それにしてもここで零をだしてくるとは!
    上手いなぁ、
    一巻からもう一回読まずにはいられないよ。

    今年中に再読するぞ!

  • 羽州ぼろ鳶組シリーズ第10巻であり、第0巻ともいえる源吾たちがまだ10代の火消しになったばかりの話。

    それぞれの親や、命を預ける仲間たちとの絆などの始まりが感じられる。
    今でいえば高校生くらいの源吾たちの行動力と胆力には脱帽する。

    伊神の苦悩と、重内の強さの描写がもう少し欲しかった。

    過去9巻を再読してみたくなる作品ではある。

  • あれ・・・進藤内記への心情がものすっごく揺れた。悪い奴やな、と思っていたのに、あれれれ・・・。菩薩花をもう一度読まなきゃ。若いというのは眩しいけれど、暑苦しすぎて、うっとおしい。だからこそ、うまく手綱を操作できる人達が必要なんだと思う。父の本当の姿に気付くのが遅すぎたのか、父が逝くのが早すぎたのか。親子そろってとても不器用で歯がゆかったです。ゆっくりこのシリーズも再読しなくちゃ。新年1冊目に取っておいた本。堪能しました。

  • 「羽州ぼろ鳶組」シリーズ9巻を愛読の方は、ご存知の大活躍の火消したちの若かりし頃。
    人の命を救う多くの火消したちが、なんとも納得のいかない事件が起こった。
    それから3年。火付け事件が起こる。がしかし、ただの火付けではなかった。
    毒薬が充満し、そこの住人をはじめ、救いに入った火消したちの命をも奪う強い毒薬だった。その毒を含む煙が次々と命を奪う。
    決して連合を作らない火消したちが、密かに相談する。
    20歳前の若い火消しは、次からの火付け事件の現場に入れない、次の時代の火消したちだからだ。
    それに不満を持つ源吾たち。

    読みはじめてからテンション上がりっぱなしの、物語。
    ぼろ跳びのファンは大喝采必須!!!!!!

  • 102

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著者プロフィール

今村 翔吾(いまむら しょうご)
1984年、京都府生まれの時代小説作家。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て専業作家となる。
2016年、『蹴れ、彦五郎』で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、2016年『狐の城』で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をそれぞれ受賞。2017年『火喰鳥』が単行本デビュー作となり、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして代表作となる。2018年「童神」で第十回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題されて単行本発刊。同作が第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補となると同時に、第160回直木賞の候補に。

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