- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784396348533
作品紹介・あらすじ
累計36万部『ひと』からつながる物語、待望の文庫化!
「東京に出ろ。人を守れる人間になれ――」
じいちゃんの言葉に背中を押され、単身上京した僕、江藤瞬一。
誰ひとり知り合いのいない街は、僕を受け入れてくれるのか?
両親を亡くし、尾瀬の荷運び・歩荷を営む祖父に育てられた江藤瞬一は、後を継ぎたいと相談した高三の春、意外にも「東京に出ろ」と諭された。よその世界を知れ。知って、人と交われ――。それから四年、瞬一は荒川沿いのアパートに暮らし、隣人と助け合い、バイト仲間と苦楽を共にしていた。そんなある日、祖父が突然東京にやってきて……。孤独な青年が強く優しく成長していく物語。
感想・レビュー・書評
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小野寺史宜さん2作目
前作『ひと』に続いて今回は『まち』
このタイトル!くぅ〜たまんない!
まさにシンプルイズベスト!!
前作の『ひと』が良かっただけにハードルを上げてしまったが、今回もまんまとハマりました。
やっぱり大好きだなぁ、このシリーズ。
群馬県の片品村で祖父に育てられた江藤瞬一。
祖父の跡を継いで歩荷になろうと考えていたが、祖父は「村を出て、東京に行け」と勧める。進学や就職が理由でもなく、祖父の言う通りに高校卒業後に上京した瞬一。
人と出会い、人とのつながりを通じて、まちが出来ていく。人から頼られる人間になれー祖父の教え、両親からの教えが、瞬一を少しずつ成長させていく物語。
平易な表現で感じたままを率直に言葉に表現して、読者をありのままの主人公目線に誘う作風は、作者の人柄が滲み出ているようでとても心地良かった。
田舎から上京した若者ならではの、擦れていない真っ直ぐな目線。過ぎた日の自分を時々振り返りながら、時に懐かしく当時の感情が思い起こされた。
人と出会い、人とのつながりが生まれて行く中で、着実に成長していく瞬一に寄り添っている内に、大切なことに気付かせてくれる様な作品だった。
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江藤瞬一は、9歳の時に火事で両親を亡くし、じいちゃんに引き取られ育てられた。
地元でじいちゃんの歩荷の仕事をやりたいと思う瞬一だったけれど、じいちゃんに「東京に出ろ」と背中を押され、高校を出て群馬から東京に行き、今は引越しのバイトをしている。
アパートの隣人にも恵まれ、バイト仲間とも打ち解けるようになり、しだいに東京に馴染んでいく瞬一。
言葉少なだけれど、瞬一を一人前にしようと温かい言葉をかけてくれるじいちゃんのありがたさに泣けてきます。
真っ直ぐに育ってきた瞬一の今後の成長を見守りたくて、夢中になって読んでしまいました。
瞬一の住んでいる筧ハイツは、小野寺さんの他の作品「ライフ」にも「縁」にも登場するのです。
コンビニで働く井川幹太も、少年サッカークラブの室屋さんも、同じ時期に筧ハイツに住んでいるなんて、彼らが一度に登場するなんて、驚きと嬉しさで舞い上がりそうでしたよ。
さらには砂町銀座商店街おかずの田野倉でコロッケを買う場面も、荒川の河川敷から見るあの景色も、たくさんの人やものが織り交ぜてあって、私が今までに読んだ小野寺さんの作品が全部繋がっていたなんて、ほんとうに驚かされました。 -
『ひと』に引けを取らずこちらも良作でした。
いい人過ぎるかなって言うか純粋過ぎると言うか、寡黙な感じは育った環境や境遇がそうさせるのでしょう。
ふとした息抜きにと読んだ作品でしたが、心温まりました。でも、色んな意味で『ひと』が良過ぎたかなと…。 -
前作「ひと」が良すぎて、この本をブックオフで買えた時点でルンルンでした笑
読むのが楽しみで、結局一日で読み終えてしまいました。
この作者さんの本、というかやはり主人公のキャラクターなのかもしれませんが、読みやすくて、気取ってなくて、大好きです。
「よその世界を知って、人と交われ」と瞬一のじいちゃんが言ってたように、瞬一と周りのひととのつながりを感じる、読んでいて心地良い話でした。
(ひととのつながりは、言葉が大衆化してて、辟易してるとか「ひと」の感想でいいましたが、ひととのつながり大事です笑)
作者さんの他作品を調べたら、「ひと」→「まち」に続いて、「いえ」が出てるとか…
ブックオフに行くのが楽しみです! -
両親を早くに亡くし祖父に育てられた瞬一が、祖父に東京に出ろと諭され、様々な人と交わり、助け合い成長していく物語。
すごい良かった!!!
『読後感』という言葉はあるけど『読中感』って言葉はあるのかな。もしあれば、これが最高!!!
ず〜〜〜っと読んでいられそうな優しい文章。
じいちゃんとの会話、万勇との会話、敦美さんとの会話、どの登場人物との会話も全部いいの一言。
〜とても印象に残ったフレーズ〜
『川、どうだった?』と敦美さんが尋ね、
『流れてた』と彩美ちゃんが答える。
何て言ったらいいのだろう…皆んな出てくる人が良い人ばかり。とてもお薦めしたい一冊です!!! -
職場の同僚からお借りした小野寺史宜さんの『ひと』と『まち』。
いままであまりこのような人との繋がりをテーマにしてるものはあまり読んでこなかったので、どうなんだろう、、、と思いながら読んだけど、特にミステリーのような大きな出来事があるわけでもない、ただ人との交わりを描いた作品であるのに没頭して読んでしまった。
人との繋がりってやっぱり大事だし合わない人と無理に合わせる必要もないよな〜。
穏やかな気持の読了感だった。
会話がとても読みやすい。
小野寺史宜先生、ファンになりました。 -
30年前に江戸川区平井に住んでいたので凄く懐かしくて、荒川の河川敷や商店街の雰囲気とか学生時代を思い出した。
優しい気持ちにさせてくれる作品
人と人とのつながりって大切 -
図書館で借りた関係で、「ひと→いえ→まち」の順番で読んでしまったけど、いえにも登場した江藤くんが本当にそのままの人柄(^^)
先日実際に江戸川区平井にも行ってみましたが、小野寺さんの作品に登場する人物は人物像がクッキリしてるので本当にそのへんに存在を感じるようでした!
じいちゃんカッコ良すぎた。「瞬一は頼る側じゃなく、頼られる側でいろ」というセリフが響いた。 筧ハイツに住みたいし、横尾成吾読みたいし、田野倉の映樹さんお久しぶりですという気持ちに(笑)
小野寺史宜さん作品が大好きなので、「小野寺史宜サークル」を作りました(^^)
※まだメンバーは2人です(笑)
オプチャで小野寺さん作品の好きなところを語り合ったり、人物相関図の作成に取り組めたらと思っています!
ご興味ある方はご連絡ください(^-^) -
主人公が故郷を離れ都会で育っていく日常を描いた作品。
さくさく読めるのは何でかなと考えると、一つ一つの出来事がイメージできるからかも知れないし、不思議と主人公の優しさと朴訥さに共感できる部分が多かったりするのかも知れない。 -
小野寺史宜さんの作品は『ひと』に続き2冊目。本作もも優しく心が温かくなる最高の作品だった。
小学生の時に両親を火事で亡くし、祖父に育てられた主人公・瞬一。高校卒業後、祖父から東京へ行く事を勧められ上京。23歳までの生活で出会ったバイト仲間やアパートの住人との温かい交流を描いたヒューマンストーリー。
瞬一の人柄が本当に良い。思いやりがあり誠実で心が洗われた。じいちゃんとの関係も素敵。『頼る側でなく、頼られる側でいろ』と言うじいちゃんの教えを守り、『頼られる』職業を見つけ目指す実直さに涙。トラウマを乗り越え、一歩前に踏み出す瞬一を心から応援したいと思った。
読後は清々しい気持ちになった。本書は人が繋がり合い、一つの『まち』や誰かの居場所を作っている事を思い出させてくれる心温まる1冊です。-
uriさん、こんばんは。いつもありがとうございます。私も読後はとても清々しい気持ちになりました♪本当にどうしたらこんな子に育つのかしら?uriさん、こんばんは。いつもありがとうございます。私も読後はとても清々しい気持ちになりました♪本当にどうしたらこんな子に育つのかしら?2024/05/31
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コルベットさん、こんばんは。こちらこそいつもありがとうございます!
読後の清々しいしさ、共感してもらえて嬉しいです♪
子育て難しいですよね。...コルベットさん、こんばんは。こちらこそいつもありがとうございます!
読後の清々しいしさ、共感してもらえて嬉しいです♪
子育て難しいですよね。じいちゃんの様な母親になりたいです笑2024/05/31 -
2024/05/31
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著者プロフィール
小野寺史宜の作品





