縦に書け!: 横書きが日本人を壊している

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 36
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396440053

感想・レビュー・書評

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  • 酒鬼薔薇事件から始まる本書はもうなんていいますか凄いですよお腹いっぱいになります。
    「縦書き」もとい「日本語」を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。「縦書き」こそが「日本語」であり、「横書き」は日本人を壊す〜なんて、なかなか、思い付かないですよそんなこと。『「縦書き」こそが精神を救う』ってね!精神ですかそうですか。
    何より2005年の時点で『「横書き」がひじょうな勢いで増え続けている』と述べる筆者の環境があまりにも読者とは異なっているのではないでしょうか。その「横書き」が主流でない場所に立ってテレビ、パソコン、ゲームをもって「横書き」批判されてもなあ、と。さらに『生活上必ずしも必須でない、パソコンやケータイ、インターネット』とあり、それらを必須と思う自分にとってはよくある今時の若者は〜本でした。ですが内容が表題からの予想に反して凄まじく壮大であったので大変楽しめました。

  • 今まで「横」に縛られていた。
    これを読んでから、まずは日記を縦書きに変えてみた。
    縦書きで書くと、背筋が伸びる感じがする。

    著者の主張には同意はできない部分も多いけれど、新しい(というよりも失われていた、本来の)世界観が提示されたのは確か。

  • 書家である著者は、日本語を書くことの追求の果てに「書いてこそ日本語、それも縦に書いてこそ」という確信にたどり着く。そこから展開される日本文化の状況論はラジカルで示唆に富むものとなっているが、副題にある「横書きが日本人を壊している」という認識までも共有するのは簡単ではなかろう。しかし、キーボードに侵略されたままでは、日本文化に未来はない! 

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著者プロフィール

書家。京都精華大学客員教授。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。2017年東京上野の森美術館にて『書だ!石川九楊展』を開催。『石川九楊著作集』全十二巻(ミネルヴァ書房)、『石川九楊自伝図録 わが書を語る』のほか、主な著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『説き語り 日本書史』(新潮選書)、『説き語り 中国書史』(新潮選書)、『書く 言葉・文字・書』(中公新書)、『筆蝕の構造』(ちくま学芸文庫)、『九楊先生の文字学入門』(左右社)、『河東碧梧桐 表現の永続革命』(文藝春秋)、編著書に『書の宇宙』全二十四冊(二玄社)、『蒼海 副島種臣書』(二玄社)、『書家』(新書館)、作品集に『自選自註 石川九楊作品集』(新潮社)、『石川九楊源氏物語書巻五十五帖』(求龍堂)などがある。

「2022年 『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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