- Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396460471
感想・レビュー・書評
-
ブクログの談話室で知りました。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作『夏休みの町』収録の短編集。
絵もお話もよく知らず表紙の感じとタイトルだけで買ったのですがよかったです。
シンプルで簡潔なのに暖かみのある絵。ジャンルは日常SFかな。
表題作の『夜とコンクリート』
不眠症の主人公は我が家への帰り道、酔っぱらった同僚とその連れに出会う。
ああほんのちょっと視点が変わるだけで世界はこんなにも穏やかな表情をみせるものか、と思った。
『夏休みの町』
夏、ソウは公園で大破した戦闘機と倒れている老人に出会う。老人はライトセイバーみたいなものを持っていて..
.。
小説、漫画読みには痛いかも。タイトルと絵柄が大島弓子さんを思い起こさせる。
『青いサイダー』
心の中に、ヤシの木のはえた小さな島‘シマさん’がいる僕。いつも話しかけてくれた‘シマさん’が話しかけてくれなくなって三ヶ月。僕が住むマンションの屋上に‘センニン’と呼ばれるおじさんを見つける。
‘僕’と両親、‘センニン’との関係が‘僕‘に変化をもたらしていく。センニンの「僕のすることは間違いだらけな気がする」の言葉に友人の「俺のやることなんて間違いしかない」が良い。こんな優しさをもった返しができたらなー。
『発泡酒』
超短編。あの日あのときの‘真実’なんて発泡酒の泡みたいにシュワシュワ消えてしまうのかな。ぬるく苦い後味。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議で、日常で、常に近くにあることのような話でした。おもしろかったです。
-
どの作品も静かな湖面のような夜の描写が印象的だった。
表題作「夜とコンクリート」と「夏休みの町」が好き。 -
見えるものと見えないもの、聞こえる音と聞こえない音。それに囚われると、「今、ここ」のことしか考えないようになってしまう。二つの場所に同時にいられないだけで、この瞬間にもどこかでは何かが眠り、何かが目覚めている。
余白が語る余情に酔いつつ、夜に発光するコンクリートがひしめく街で帰る場所を見失ったときに思うのは。不安定な春の薄氷を踏み抜いて、不眠の冬に返送された人のこと。わたしが悲しかったのは、あなたが次の季節を疎んだことでも、世界を見限ったことでもないから。夜が甘く、眠りが優しくありますようにと、ただそれだけ。 -
何年か前に試し読みを読んでいた。
本屋でたまたま、平置きされていて、残り一冊で、気付けばそのままレジに持っていっていた。出会うというのはこういう感じだなと久々に思い出した。
いい話、とか悪い話、みたいな、ひとくくりにできない物語が四つ、夜に浮かんでいた。いつか経験したことがあるようなないような。不思議な気持ちにさせる本だった。空白が愛おしい。
好きなひとにおすすめするのなら、これがいいなと思うまんがだった。 -
絵面、素敵です。
すこーし不思議な、でも、すこーし現実的なおはなし。 -
町田洋氏の作品『夜とコンクリート(2014)』を読了。 今年の9月14日に読んだ・・・前作「惑星9の休日(2013年)」を読んで大好きな作品だったので 町田洋氏の他の作品も読んでみた。 今回も大好きだ… 特に”青いサイダー”がGood!!
-
独特のもの悲しさを内包した作品。細かい書き込みや構図がないので非常にシンプル。また登場人物も少なく、キャラクターに起伏が少ないのも特徴。
不思議と何度も手にとって読み返してしまう。