人間はなぜ戦争をやめられないのか: 平和を誤解している日本人のために (NON SELECT)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396500771

感想・レビュー・書評

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  • 戦争は政治の継続であり、外交の一手段である —— 。戦争には戦争の論理があり、法則がある。それを心得ていなくては戦争の予防も治療もできない。在韓米軍の撤退、中国の台湾侵攻、さらに日本の核武装まで想定される今、日本人は何を考えるべきか、平易に説く。

    第1章 人間は、なぜ戦争をやめられないのか―戦争を「善悪」や「良心」のレベルで捉える愚かさ
    第2章 「戦争常識」の非常識―歴史の分岐点は、ほんの些細なことで決まる
    第3章 「失敗の教訓」としての大東亜戦争―歴史的事実を考察する時、何が重要か
    第4章 戦争とは何か、「戦争設計」とは何か―平和国家だからこそ「戦争設計学」の確立が急務

  • ■戦争

    A.人間が戦争をするのは、脳に前頭葉があるからだと心理学者は言う。前頭葉を使うと、人は考えすぎて、「ありもしない危険」を作り出す。好例が軍拡競争だ。いずれも相手が攻めてくると考え軍備を増強する。それがエスカレートし、やられる前にやろうと考えて、とぢらかが先制攻撃を仕掛けることになる。

    B.戦争は設計して行うものである。すなわち、政治上の要請に従って戦略を決め、それによって戦術、先頭の仕方、武器の採用を決める。さらに世界各国へ説明理由をつくり、国民への説明を行い、そして攻撃開始の時期と場所を選ぶ。この、戦争を設計するという考え方が、戦前、戦後を通じて、日本で育っていない。

  • 是不是?好不好? 人能不能中止战争?

  • 日本が反省すべきは侵略でも大虐殺でもなく、戦争を設計せずに大東亜戦争に突入したこと。国会がなすべきは、平和の誓いでも謝罪外交でもなく、アジアのためにも世界のためにもなる将来の進路を設計することだ。

    戦争はあってはならないことと思考停止、現実を冷静に見ないから、キャンペーン負けしている。

  • ■書名

    書名:人間はなぜ戦争をやめられないのか―平和を誤解している日本人のために
    著者:日下 公人

    ■概要

    イラク、自衛隊、集団的自衛権、北朝鮮、尖閣諸島…
    この現実と論理を知らずして戦争は防げない!
    <「善悪」や「良心」レベルで戦争は論じられない>
    戦争は政治の継続であり、外交の一手段である。だから国家はその
    ための戦略と戦術を設計する。だが戦略的思考の乏しい日本人は、
    戦争を「善悪」や「個人の良心」レベルでしか考えられない。在韓
    米軍の撤退、中国の台湾侵攻、さらに日本の核武装まで想定される
    今、「戦争を設計する」という発想こそ不可欠なのだ。先駆的戦
    争論、ここに甦る!
    <「平和主義者が戦争を惹(ひ)き起こす」という逆説>
    ●第一次大戦の教訓が教える「平和な時が、いちばん危ない」
    ●国際関係でモノを言う「軍事的実力」と「バランス・オブ・パワー」とは
    ●債権大国・日本は、実は戦争の危険に包まれている
    ●「戦争目的無視、戦略思想なし」の大本営が敗戦を招いた
    ●「専守防衛」が日本の周囲に“真空地帯”を生む
    ●すでに「新しい戦争」が始まっている
    (From amazon)

    ■気になった点

    ・平和に浸っているときの方が事件は起きやすい。
     それは油断しているからだ。

    ・戦争は設計するもの。戦争は政治の延長だ。

  • 最近の疑問、ちょっとは答えがあるかなと思って、読んでみた。

    「週刊金曜日」での内容。こういう情勢や政策がからむ内容は、どんどん状況や考えが変わっていくから新しいほうがいい。これは2007年でちょっと古い、最近書かれた本はないかなと探し中。

    ●「非武装」を語る前に:豊下ならひこ もと京大助教授、国際政治論
    ●それでも非武装を選択する:木村あきら 平和学・国際関係論

  • 国民と国境をもった国家は何をするのか。国家は国益を守ることを仕事とする。そこで国家の目標とは何か、が問題になる。アメリカなら自由主義と民主主義を守ることになる、これがナショナルゴール(国家目標)でこの実現に役立つものがナショナルインタレスト(国益)である。

    イギリス人はチェンバレンとチャーチルの第二次大戦での行動がすべて正しかったとは思っていない人も多い。イギリスは多くの犠牲を払いながらもポーランドの共産化を防ぐことができなかった。

    ASEANは日本を強国だと考えていたから1992年にアジアのバランスオブパワーに入って中国と対峙してもらいたかったので、ASEANが呼びかけたが、世界が見えていない日本は断ってしまった。これではアジア諸国からの信用はがた落ちだろうな。

    日本人は原爆と水爆の区別も知らないで核兵器議論をしているのだから、北朝鮮から見たら、こんなに脅しやすい国はない。だから軍事知識は必要なのだ。

    リッベントロップはドイツの成り上がり者、イギリスに駐在していたときに、息子の入学をイギリスの断られた。それでドイツに戻って第二次大戦時にはイギリス攻撃の急先鋒になった。個人的な資質は重要である。

    かつて東北や九州の人たちは軍隊に入って米が食べられて差別されないことに喜んだ。

    日本は戦争を設計できない。アメリカ人は戦争を設計する。第二次大戦を戦っている最中からすでに戦後世界のことも考えていた。戦争を設計しているのだ。

  • いろいろ参考になるところが多かったけど、179ページの「降伏とは指揮官同士の話し合いで決定する」、「個人投降の規程はない」というあたりが特に印象に残った。投降して捕虜になるのは原則として組織的な行為だというのが常識だというのは今日あまり知られていないことだと思う。

  • う〜ん、戦争うんぬんの話ではなく、なぜ日本は太平洋戦争(大東亜戦争)に負けたのか。が主テーマな気がする。著者の主張は陸軍と海軍の仲が険悪だったからの一本張り。

  • 反戦集会をしてもアメリカは止められないの。貿易センタービルはなくなっちゃうの。テロはなくならないの。ナイナイづくしの裏側には、「必然」がありました。ということですが…そこにどんな論理があるかを知りたくて読んでます。まあ、自分の手の届かないとこなんでしょうが。

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著者プロフィール

1930年、兵庫県生まれ。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く予見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。『いよいよ、日本の時代がやってきた!』 『日本人への遺言』(渡部昇一氏共著)『日本人への遺言partⅡ 「和の国のかたち」』(渡部昇一氏共著)『反核愚問』他多数有り。

「2018年 『「発想」の極意 人生80年の総括』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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