ク-ル・ジャパン世界が買いたがる日本

著者 :
  • 祥伝社
3.18
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本棚登録 : 139
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396612627

作品紹介・あらすじ

アニメ、ゲーム、映画、フィギュア…今、「メイド・イン・ジャパン」は世界最先端商品だ!デジタルで統合が進むコンテンツ・ビジネスを国際マーケットでどう育てるか。日本を救う「新文化産業」の未来とは。

感想・レビュー・書評

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  • 他のクールジャパン関連の本に比べて、広く浅い感は否めないが、クールジャパンの魅力の根源は何か、日本人の視点で分析していて面白い。

  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

  • 目次
    まえがき 3
    第一章 「クール」の帝国・日本 13
    第二章 ビジネスとしての「クール・ジャパン」 49
    第三章 「ジャパン・オリジナル」の強さ 105
    第四章 「AKIBA」から世界へー国境を越えて増殖する「OTAKU」 167
    第五章 「クール・ジャパン」を産み出す人々 195
    第六章 新・文化産業のための世界戦略 219
    あとがき 244

    メモ
    p44 キャラクターを作り込む・・・日本のアニメは、キャラクターの成長を描いている。アメリカのホームドラマも成長を描いているものがあるが、どうしてマンガやアニメがことさら評価されるのだろうか?私の考えでは、それは人間が演じると感情移入しにくいからではないかと思っている。
    p45 マンガやアニメでは、最初から夢物語だから、純粋にキャラクターに感情移入できる。実像を持たないキャラクターに、徹底した性格設定と個性を与えたこと、これは大発明だったのだ。
    p46 (スターウォーズ)登場人物のキャラクターが作り込まれていて、四半世紀以上にわたって、運命の秘密が解き明かされてきた点が挙げられる。
    p46 (スターウォーズ)アレック・ギネスを除き、ほとんどが新人や無名の俳優を起用した。俳優がもたらすイメージを排したことで、それぞれのキャラクターに感情移入しやすくなっているわけだ。

    p52 コンテンツ産業という呼び方は、日本に独特のものだ。「情報の内容」そのものに価値を持つような仕組み。
    p84 コンテンツ産業は、あらゆる産業を横に串刺しにする。
    p96 ある米国の大学の研究者によると、日本のマンガ表現のレベルは、表現という領域で、現在、世界最先端、最高峰を行っていると主張している。
    p100 未来を描いたアニメが作られた国は、トヨタやソニーの国でもあった。工業が他の国から追い上げられている中で、アニメの国のハード製品は、やはり一歩進んでいる、クールなのだと世界は見ているわけである。

    p111 日本マンガが海外で価値を持った理由・・・奥深いストーリーを、独特の絵で表して人に伝えるという手法は、(世界の)どこにもない。
    p112 キリスト教に基づく西欧社会は、実はタブーの多い社会である。たとえば少女が服を脱いで裸になるような表現はとんでもないタブーだし、人間が生命体を作ったりすることは、神への冒涜とも捉えられかねない。
    p112 「ハローキティ」と能面の関係・・キティちゃんはどんな顔にも見える。日本の能面のように、いかようにも見えるものだ。
    p115 アメリカのコミックは陰影で描いている。日本の絵には、伝統的に影がない。浮世絵も日本画も輪郭で色彩を塗り分けるのである。
    p125 「お化け」と「人間型ロボット」が活躍する日本・・・1990年代前半、ホンダは人間型ロボットの開発に当って、バチカンに幹部を派遣し、お伺いを立てた。
    p126 (欧米では)神の領域に触れるものは、激しく反発される。アメリカには人工授精や中絶などに強烈に反対する勢力がある。
    p129 オタクビジネスの真骨頂・・アメリカの黒人たちから生まれたジャズであっても、好きになると日本人は、猛烈に勉強して、系統立てての類推などもしながら、埋もれている原盤を見つけ出す。オタクの情熱と方法論と言うほかはないだろう。
    p131 物事を「極める(究める)」ことを尊重する精神性は、日本人の特徴として挙げられる。
    p133 「こだわり」と「改善」と「品質」・・・英語にもなった「カイゼン」だが、海外で導入しようと思っても、直ちには成果が上がらない。オタク的にこだわるメンタリティがないと、カイゼンすべきポイントが見えないのである。
    p135 モノに対しての尊敬・・具現化された「モノ」のクオリティを通じて、作り手の姿勢やあり方を見ているように思える。「モノ」を通して、その先にあるものへの敬いのようなものがある。
    p136 この世にあるものはすべて仏となる力を備えている、という山川草木悉皆成仏の考え方も底流にあるのかもしれない。

    p217 埋もれた才能を束ね、さまざまな業界を横に串刺しにするのは、プロデューサーの仕事である。

    p247 世界が日本文化のファンになりつつあるのだ。私は、世界中の歴史も宗教も哲学も倫理もイデオロギーも自由にリミックスして、コンテンツとして楽しみ、血を血で流すような争いを現実の世界では行わずに、なんとか収まっている日本を、素晴らしい文化先進国だと感じている。だから、どんどん世界の方たちに日本ファンになっていただいてよいのではないだろうか?

  • デジハリの学長が、日本のアニメ・ゲームなどのサブカルチャーが海外からどのように評価されているかを、解説した本。
    納得出来る点もあるが、日本人としての視点から日本のポップカルチャーを見ているので、鵜呑みに出来ない部分もある。
    それから、デジハリの宣伝も気になったが、デジハリの開校動機が優秀な日本のデジタル文化を世界に売り込む為のシステムを作りたいという学長の強い願いには、共感出来た。

  • 日本のポップカルチャーが世界でCOOL(=かっこいい)と言われる現在。では、それらのコンテンツをいかにして世界の市場で育てていくか。

    授業のレポートを書くために読んだ本、その2。
    著者が、非常に日本のクリエイターたちの力を信じている本だった。
    これだけ素晴らしい想像力、技術、そして作品が生まれる日本はすごい。それを世界へ売らなくてどうする!
    日本が作り出すものへの信頼に支えられた、潔いほどの商業主義が気持ちよかった。「日本ってすごいじゃん! すごいものを作ってるんだから、世界にもっと売れてもいいじゃん!」という気持ちになってしまう、ある意味とっても魅力的な本(笑)。

    とはいえ、そんな気になってくるのも、ただの一時的な「儲け話」ではなく、著者の話にきちんとした説得力があるからこそ。
    とてもわかりやすくコンテンツ・ビジネスのことを解説し、日本人の商売下手をきちんと説明した上で、ではどうすればよいのかを具体例を出して提示している。
    本の細部にわたって、「日本の作るものはすごい」という意識が一貫しており、著者自身もその意識を信じている。ゆえに、論がぶれないし、ビジネスライクに話を進めても嫌味にならない。また、非常に前向きであり、日本のコンテンツ・ビジネスの可能性を信じられるのがよいところ。おそらく、著者がこの本を書いた大きな理由が、「この業界のビジネスには未来があるぞ!」と多くの人に呼びかけたかったためであろうと思われる。

    経済という面から、日本のポップカルチャーをわかりやすく描いた良書であった。

  • 世界が日本文化のファンに。歴史も宗教も哲学倫理もイデオロギーも自由にリミックスして、コンテンツとして楽しみ、争いを現実の世界では行わずに、何とか収まっている日本。

  • 10/10:元気の無くなってきたゲーム業界、アニメ、漫画業界を奮い立たせる本。確かにハードは真似できるけど、発送は中国には真似できない。背景に文化があるからね。せっかくの財産を国として保護、育成しようとしてないですね、確かに。前の前の首相の筑豊の坊ちゃんが続けていたのであれば、少しは進んでいたかもしれないけど。

  • 分析が中心。そんなに面白くない。

  • 日本のいい所を探してみようと思い、内容も確かめずにタイトル買い。
    デジタルハリウッド創設者である著者が語った日本のオタク賛美とも言える。例としてあげるそれぞれの自称、その分析が非常に理にかなっていてかなり興味深く読むことが出来た。前半部分は英語で出版しても売れるんじゃなかろうか。そんな印象を持った。90点。

  • デジハリの学長が書いた本。なので、日本のコンテンツやソフトビジネスが世界でどれだけうけているかが語られた本書は、少し偏りが強い感じを受けました。コンテンツ産業としての継続性が問題の本質なんだなと思います。

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