謹訳 源氏物語 ニ

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 153
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613617

作品紹介・あらすじ

「すらすら読める」「これぞ現代語訳決定版」と大反響。発売たちまちベストセラー入りの第一巻に続く、待望の第二巻。

感想・レビュー・書評

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  • 末摘花から花散里まで。
    桐壺帝や葵の上がいなくなり下降気味な源氏。
    、な中でも色心は旺盛なのがさすが。
    やっぱり紫の上との一連の関わりはちょっと引く。

  • 訪問が疎かになっている源氏と六条御息所の心情や帝のご注意、葵の上の懐妊の話を前段で語っておいて、御息所の娘の禊行列に花形スターの源氏が出ること、見物人が群がる源氏の人気の様子、ためらいがちに出かける二人と場を作り、そこでの牛車の場所取り争い。そして、この事件が、後段で物の怪騒動、葵の上の死を引き起こします。「葵の巻」を読むだけで、紫式部の洞察や描写、構成の凄みがわかります。しかも、時代の美意識を体現しているんですから、芸術作品として並ぶものがないのでしょうね。

  • 運勢下降気味な源氏。

    奥ゆかしい女と思って手をだしたら単に引っ込み思案の不美人だったり、女が関係を清算しようと覚悟を決めつつあるところに「このまま切れるのももったいない(?)」的なスケベ心を出して焼け木杭に火をつけて泥沼にはまる。

    自重しようという気持ちはあるのだが、天性の容姿、才能のゆえ、周りからはほっておかれず、自身も周りをほっておけない性格のため、結局はずるずると同じことを繰り返してしまう「天才のダメ人間」。

    昼ドラのような展開で大ピンチだが続きはいかに?

    朧月夜は美人なのか?

  • 源氏のチャラさばかりが目立つ第1巻と大きくことなり、波乱に満ちた第2巻。

    父桐壺帝の死、正室葵上の死、右大臣の隆盛など、読み応えあり。

    源氏が、少しだけ大人になってきたかな?

  • 小学生の時はまぶしかった。(図書室にあった子供向け日本の古典や、マンガ日本の古典で読んだ。)
    中学生になると古語にドキドキした。
    あさきゆめみしは、儚くて綺麗だった。
    瀬戸内寂聴さんのは、麗しくかつ荘厳な感じだった。

    で、リンボウ先生のこの謹訳は、面白い。すっごく面白い。何でだろう。今まではショーケースに入っていた源氏物語に、手で触れている感じがする。

    【読了メモ】 (150726 9:45) 林望 『謹訳 源氏物語』(二)/祥伝社/2010 May 1st/末摘花、紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里

  • 源氏物語2、この巻は末摘花から花散里までです。

    リンボウ源氏は、「正確な古典解釈」が一番のウリで、根拠のない恣意的な解釈や省略は一切ありません、と言い切っています。
    だから、原文を読めない私は、これが原作にいちばん近いんだ、というイメージの元読み進めているので、いろいろ細かい驚きが多いです☆

    細かいけど例えば、王命婦に対してこんなに冷たい藤壷ははじめて。でもよく考えたら当たり前かも。この人さえしっかりしてくれてたらーー!って普通思うよね(笑)
    あと、賢木の巻で、斎宮からの返歌が実は女官が代作代筆したものなのに、そうとは知らず批評するさまがあわれ・・・源氏さん、ビミョーにバカにされてるの?と面白かった。
    それとこれはインパクトの違いだけど、紅葉賀の行幸は今まで本番より試楽の方が素晴らしかったと解釈していたので、本番の描写の丁寧さは新鮮でした。
    その分試楽の青海波の描写がさらりと物足りないくらいだった。けど、これが原作なのかな、とか考えました。
    さすがだな!いろいろ楽しめる♪

  • 了。

  • すらすら読んだ。
    紅葉の賀、葵の巻が好き。

  • 藤壺が・・・!
    源氏が・・・!
    とどきどきドラマチックでした。

    特に藤壺が出家する場面。
    源氏のように落胆している自分。
    千年前の舞台に自分も立っていました。

  • (「BOOK」データベースより)
    「すらすら読める」「これぞ現代語訳決定版」と大反響。発売たちまちベストセラー入りの第一巻に続く、待望の第二巻。

    (出版社レビュー)
    ■全54帖の完全現代語訳、全十巻刊行予定
    本シリーズは、すべて書き下ろし。二巻は、末摘花、紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里を収録。
    ■鹿島茂さん、三浦しをんさん推薦!
    「翻訳は『等価』を以て原則とす。厳密な解釈で原文を量り、それを明晰な現代文に移し替えるのである。だが、言うは易く行うは難し。とりわけ『源氏物語』においては、前者を欠いた文学者訳か後者のない学者訳しか存在しなかった。しかし、奇跡は起るものらしい。以後、『林望源氏』こそが唯一無二の現代語訳源氏となるであろう」
    ――鹿島茂氏

    「本書の最後までたどりつくと、もう次巻が待ちどおしくてたまらず、『そうか、源氏物語をリアルタイムで読んでた平安時代のひとたちも、きっとこういう気持ちだったんだな』と実感しました」
    ――三浦しをん氏

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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