ドラッカー 日本への言葉

著者 : 望月護
制作 : 竹村健一 
  • 祥伝社 (2010年9月11日発売)
2.93
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613761

ドラッカー 日本への言葉の感想・レビュー・書評

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  • 歴史から学ぶことは?

  • 明治の経営者とドラッカーを比較している。すでに明治時代に、日本は優秀な経営者を輩出していた事を書いた本。意外と面白く読めた。福沢諭吉、渋沢栄一、岩崎弥太郎を例に書かれている。福沢の「智」=現代のナレッジ。より実践的な知識。それは渋沢が敬愛する論語的な考えと一部反する所も面白い。福沢の利に対する考えも論語に反する。「私利が集まって公利となり、家財が積もって国財となり、国が富むのである」 これは一見「功利主義」ととられかねない。多分、論語の「小人は利にさとり、君子は義にさとる」という言葉などと反していると思われるが、本質が違い利の中身が違うと私は思う。自分勝手な利を求めているのではない。後で書かれる企業における利益の追求は企業を存続させる責任を果たす為と言うシュンペーターの考えと同じものだと書かれている。企業はゴーイングコンサーン、その為に将来のコストとして利が必要。又ドラッカーも同じ事を言っていた福沢の「独立自尊」という考えが、これからの会社と社員の関係になると言う。

  • ・インドの経済はめざましい発展を始めた。それは、英語人口が多く、アメリカと昼夜が逆転の関係にあり、夕方メールで注文を受けて、翌朝にはプログラムを納品する便利さが理由。
    ・岩崎と渋沢は、いずれも経済発展の本質は、貧しい人たちを豊かにすることではなく、貧しい人たちの生産性を上げることだと知っていた。
    ・事業とは自社独自の手で価値を加えること

  • ドラッカーの本というより、日本の偉大な経営者列伝みたいな感じ。
    日本的経営の良さにドラッカー視点でスポットを当てるのを否定はしないけど、日本企業の終身雇用制を美徳として取り上げるなら、非正規雇用の人員調整とか若肉老食とか、負の部分にもスポットを当てて議論がないとなんの説得力も無いよ...。

  • ##フォトリーディングで読みました##

    ドラッカー、すばらしい!と、うなる本です。日本も捨てたものではない、と思えます。

    日本には素晴らしい知恵を持った先人達と、素晴らしい思想、仕組みがあります。「カネではなく、人間に価値を置く」文化、考えてみるとホント、すごい。

    と同時に、そのような日本企業の中で働く日本人一人一人が、会社においてどう存在価値を見出していくか?ということを真剣に考えなければならない、意識改革の必要性も覚えます。

    日本のよさをもっと探したくなりました。

    明日からすること
    ・顧客目線で、課題を考える
    ・堂々と儲けるために、顧客へどんなメリットを提供できるか考える

  • 内容は、ドラッカーが認めた明治時代の「3人の重要な人物」、福
    沢諭吉、渋沢栄一、岩崎弥太郎とドラッカーの教えをリンクさせたもの。

    ドラッカー本として読むと、内容的にギャップがあるかもしれませ
    んが、明治期の偉人たちの物語として読むと、じつに貴重な示唆が
    得られる一冊です。

    実際には、この3人に加え、小林一三や浅野セメントの創業者・浅
    野総一郎、「製紙王」藤原銀次郎、「電力の鬼」松永安左エ門など、
    さまざまな名経営者を取り上げ、それぞれの成功要因、ビジネスモ
    デルなどを解説しているため、実業のヒントとしても読めます。

    古いビジネスモデルが行き詰った現在、彼らがどうやって事業を展
    開していったのかを知ることは、きっと新たなビジネス創出の機会
    につながると思います。



    渋沢(栄一)は、パリで一人の銀行家に会う。そしてこの銀行家か
    ら、「多くの人たちから集めた資金を賢い経営者に貸し、大きな事
    業をさせれば、儲けた利益がみんなに還元される。結果として国も
    豊かになり栄えるのだ」と聞いて驚く

    ベルギーの製鉄所を見学した後、国王に謁見したところ、国王から、
    「鉄を使う国は豊かになる。将来、日本が鉄を必要とする時には、
    ぜひベルギーから買ってくれ」と言われた。渋沢には、国王がまる
    で商人のように思えた。国を豊かにすることが国王の仕事だと気が
    ついたのは、だいぶ後になってからのことである

    徳川時代は、不景気になるとみんなが「お伊勢参り」に出かけた。
    とくに元禄バブルが弾けた宝永年間(一七〇四年ごろ)には、お伊
    勢参りが大流行し、なんと二カ月の間に三六〇万人が出かけたとい
    う記録が残っている。三六〇万人と言えば当時の日本人の一割以上
    に当たる


    岩崎と渋沢は、たんなる豊かな日本ではなく、創造力のある強い日
    本をつくろうとした。いずれも、経済発展の本質は、貧しい人たち
    を豊かにすることではなく、貧しい人たちの生産性を高めることで
    あることを知っていた(ドラッカー『断絶の時代』)

    掘った石炭は船で輸送するから、炭鉱事業と海運事業はお互いに補
    完し合って事業を伸ばすことができる。岩崎は西南戦争で儲けたカ
    ネにさらに借金をして、石炭鉱山を大量に買い漁った。一八八一年
    (明治一四年)には、長崎港外の小島にある高島炭鉱の払い下げを
    受けた。石炭を売るために販売部門をつくった。この販売部門(売
    炭部と言った)は、後に三菱商事となる

    三菱が「組織の三菱」と謳われ、発展したのは、岩崎の死後、持ち
    株会社としてのオーナー家と、個々の事業会社の経営を分離したか
    らである。この「組織改革」を、ドラッカーは、日本でもっとも自
    立的な経営管理陣をつくりあげた。(『抄訳 マネジメント』)と
    評価している

    ドラッカーによれば、イノベーションとは単なる技術革新を指すの
    ではなく、「儲かっていない活動を、儲かる活動につくり変えること」

    小林(一三)の目に留まったのは、乗客が抱えている荷物だった。
    そうだ、お客にとって買い物は限りなく駅のそばが便利なのだ──。
    この発想から生まれたのが日本初のターミナルデパート・阪急百貨
    店である

    「いくらよいアイデアがあっても、カネがないと惨めな思いをする」
    (小林一三 全国高校野球大会のお客を奪われた時の言葉)

    浅野(総一郎)は、捨てられていたものをもう一度生かすことによ
    って大儲けしたのだ

    ある時、福沢(諭吉)の優れた業績に対して勲章を授与すると伝え
    に来た人物がいた。福沢は怒った。「誉める、誉めないとは何のこ
    とだ。学者を誉めると言うなら、隣の豆腐屋も誉めたらどうなんだ」
    そう言って、叙勲の話をにべもなく断わっている

    生き甲斐のある環境をつくることが本来の経営の目的であるはずだ

    序文 なぜ今、「明治の日本人」が重要なのか
    監修者まえがき 竹村健一
    著者まえがき 望月護
    第1章 なぜドラッカーは日本の経営者を評価したのか
    第2章 「株式会社の生みの親」渋沢栄一と、「三菱の創業者」岩崎弥太郎
    第3章 日本のイノベーターたちの功績
    第4章 福沢諭吉の「智」は、ドラッカーの「ナレッジ」
    第5章 「利益」を正しく追求した、松下幸之助
    第6章 ドラッカーと日本、そして日本人──「企業は人なり」

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