謹訳 源氏物語 四

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613785

作品紹介・あらすじ

三十代となった源氏。最愛の藤壷の死を経て、豪華絢爛たる栄華の日々が訪れる-。待望の第四巻。

感想・レビュー・書評

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  • 源氏絶頂期。

  • この辺りが光源氏の権力のピークでしょう。豪邸を建て、所縁ある女性たちを住まわせ、雅なイベントを催したりして絢爛たる王朝絵巻を見せてくれます。一方、女性遍歴の方はというと、積極果敢ですが、連戦連敗でしたね。感心したのは「玉鬘」の巻です。ユーモアあり、波乱万丈ありで、独立した物語としても成り立つ面白さを感じました。

  • 古歌はもとより、白楽天も知っていれば、源氏物語はもっと楽しめる違いない。

  • 最高権力者になった光源氏。でも自分の息子にはあえて苦労をさせる。で、息子も美形で有能と。┐(´~`;)┌

    息子の初恋は大人の事情で邪魔されて可哀想。でもほかに可愛い娘を見つけて目移りするところはまさに光源氏の血筋。

    秘密が漏れてピンチの予感はするけれどまさに全盛期。政治もうまくいってるみたいだし。

    四季をイメージした素敵なハーレムを作って、幼女から育成した正妻も性格美人の和み係も巫女属性のお姫様も赴任先でできた愛娘も想い出の人の忘れ形見も囲い込み。

    好奇心で手を出してちょっと後悔してる面白みのない不美人にだってしっかり責任は果たしてます。

    ...紫式部は絶対、個人的に恨みのある女性を末摘花のモデルにしてると思う。悲劇のヒロインにはせずに情けをかけて自分の心理的余裕を見せるとか性格悪い。

    田舎育ちで無知な玉鬘に襲い掛かって泣かれたのはご愛敬。

    それにしても季節やイベント、建物、衣裳のきめ細かい描写が素晴らしい。千年前の貴族文化だからこそ表現できる「美」が日本にあったことを誇りに思う。

  • 源氏31歳の冬から36歳まで。

    齢も重ね、それなりの立場となり、冷静な言動が見られるようになってきている。

    源氏30歳を過ぎ、亡き夕顔に対する思いが滲みでている。
    夕顔の子である玉鬘に執心。今後の展開が楽しみ。

    本巻は心の葛藤とか空気感といった目に見えないものに着目して描かれているように思う。
    そういう意味で池澤夏樹 日本文学全集で源氏物語を担当する角田光代がその空気感をどう表現・訳し、玉鬘の心理をどう描くのかとても楽しみ。
    (角田光代の源氏物語は2017年5月から2018年3月に上中下3回に分けて発売される予定)

  • リンボウ源氏、四巻は、薄雲、朝顔、少女、玉鬘、初音、胡蝶までです。

    源氏もおじさんになり、自分の色気が万人受けしません。朝顔、玉鬘と立て続けにフラれる様子が意外と手厳しく描かれていていい感じでした♪
    必死に言い訳する源氏がかっこわるくてお気の毒。。
    そうそう、リンボウ源氏は章ごとに源氏の年齢の記載があり、それがとっても便利。今の年齢感覚と違うとはいえとてもわかりやすいです。
    この章の源氏は30代。当時としてはもう立派なおじさんです。。

    こんな感じでモテぶりは下降気味だけど、彼のマイブームは権力欲。
    六条院が完成し、享楽と風流を尽くした豪奢な住まいは源氏の絶頂を表していますね。
    紫が健在なうちに一度おじゃましたいわ。(笑)

  • 本の内容

    三十代となった源氏。最愛の藤壷の死を経て、豪華絢爛たる栄華の日々が訪れる—。待望の第四巻。

    (レビュー前)

  • 薄雲・朝顔・少女・玉蔓・初音・胡蝶

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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