美術史ではなく、日本画分析の本。「ヘンな」って付けているから良書と見ていいのかよくわからん。でも、興味深いところもあった。
この本もタイトル詐欺なんだ。
美術史というのは面白いものが少ないんだよなぁ。確かに芸術を型にはめる行為だから、歴史的背景にとらわれすぎる解説はできないし、美術史は難しい。
そういう点で、この本はちゃんと美術史していないからがっかり感は薄いんだけど、美術史していないならやはりタイトル詐欺だ。ひっかかったぜ。
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鳥獣戯画は好きなので特集してくれてよかった。何篇もある絵巻と知れてよかった。有名なのはやはり良いトコどりなんだな。それ以外の巻はパッとしなかった。
源頼朝像らへんもなかなか。光の当て方とか興味深い。昔の自然光に頼る屋内では画の色合いも違う。なのに美術館ではそれを考慮に入れないとか、芸術への愛が足りないね。
あと、顔だけ細かく、周りはぼんやりっていうのも新しい観点にしようと思った。
洛中洛外図も興味でてきた。本当にウォーリーを探せだ。足を止めていつまでも鑑賞している迷惑な客になろう。雲によるパースの取り方とか気を付けて見よう。
人物画の目線とかは学問チック。今まで日本画に抱いてきた違和感はこれだったのかな。これもアリか。つまり流し目なんだよな。だから日本画はあんな平面なのに色っぽさがあるんだな。
この著者イケメンなんだよなぁ。ぜひ画像検索してほしい。
あと、会田誠という人もこの本の中に一度出るが、彼の作品もちっと気になった。毒まき散らしています。
しかし、山口晃も会田誠もこんな絵の漫画家がいる。影響与えているのか。シンクロニシティなんだろうか。