「怒らない体」のつくり方――自律神経を整えるイライラ解消プログラム

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614652

感想・レビュー・書評

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  • 人は怒ったり、不安や緊張を感じることで、血流が悪くなり、脳の酸素量が低下し、思考力が低下する。また、血液がドロドロになり、血管を傷つけ、酸化して、体はどんどん不調を示しだす。それが連鎖して、さらに血流が悪くなり、思考も鈍くなり、仕事の質も悪くなる。

    怒りが生まれる条件は、自信がないときや、体調が悪いときなどの自分の心理状態が悪いとき。外部環境が悪いときや、余裕がないとき、予想外のことが起きたときにも怒りの感情が出やすい。

    また、イライラしない体づくりとして、普段から口角をあげ、笑顔で過ごし、背筋を伸ばしてゆっくり歩く。また、呼吸を深くゆっくりする。字を丁寧にゆっくり書くことも自律神経を安定させる。暴飲暴食をせず、しっかり睡眠をとるとイライラすることも減り、イライラしたとしても短時間で転換することができる。

    自分のイライラが起こりやすい状況は、車やバイクを運転しているときが多い。これを解消するために、にっこり笑って斎藤一人さんの幸せ言葉を言いながら、ゆっくり呼吸をしながら運転してみよう!

    怒りの感情をコントロールできれば、他に健康法はいらないほど体調がよくなるだろう。そして、正しいところで怒れるように、思考を働かせ、自分の頭の斜め上らへんからイメージ的に自分を見つめることで、 日々の感情をコントロールしよう。

  • タイトルの通り、アンガーマネジメント実践法を指南してくれる一冊。

    ⬛︎こんな人にオススメ
    ・職場や家庭で怒り任せな言動をして後悔したことがある方
    ・日々の仕事でイライラが止まらない方
・健康志向の高い方

    ⬛︎本書のポイント
    本書では一貫して、『怒る=健康に害を及ぼすこと』という観点で記述されており、この切り口が面白かったです。

    怒ることで自律神経が乱れてしまうので、この乱れをなるべく無くさないようにする。
    そのためには日頃からどういった取り組みをすれば良いのか、実践的な方法が記述されています。

    以下、私なりの本書のまとめ。


    ⬛︎自律神経の乱れは万病のもと。
    自律神経とは、交感神経と副交感神経のこと。
    この自律神経が乱れると、血管が収縮して末梢神経の血行が悪くなってしまう。

    自律神経を乱れさせる原因のひとつが『怒り』である。
    怒ると交感神経が活発になり、心拍も血圧も上がり、血管が収縮される。
    すると血液の流れが悪くなり、細胞一つ一つに血液が行き渡らなくなる。
    ほんの数分しか起こらなかったとしても、一度乱れた自律神経は3時間乱れることもある。

    よく、怒りを吐き出した方がいいと言うが、吐き出すと交感神経が長時間乱れる原因になる。
    吐き出さずに我慢すると、一時的に交感神経は乱れても、すぐに副交感神経も働きバランスが戻る。
    『沈黙』は平常心を保つための完璧な方法である。

    また、小さな怒りであっても毎日感じていると、自律神経は乱れっぱなしになる。
    小さな乱れは自分では意識しづらいので、そのまま自律神経の乱れが収まらず、結果、体のあちこちの不具合を引き起こすことになる。

    つまり、「怒りを爆発させないから大丈夫」ではなく、怒りによるダメージから身を守る方法を身につけることも重要になる。


    ⬛︎怒りによるダメージから身を守る方法
    怒りに振り回されない体づくりをすることが大切であり、それはすなわち『脳への酸素量を増やすこ』である。

    方法①
    口角を上げ、笑顔でいる。
    不機嫌な表情をしていると、交感神経が活発になり、血の流れが悪くなるので、脳に血がうまく回らずに苛立ってくる。
    無理やりでも表情を変えると副交感神経が優位に働き、落ち着きをとり戻せる。
    口角を上げて作り笑いするだけでも良い。

    方法②
    背筋を伸ばしゆっくり歩く。
    姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、血交感神経が活発になり、血の流れが悪くなるのでイライラしてくる。
    歩く時は前屈みで、デスクワークの時は猫背気味。そういう人は自律神経のバランスが崩れやすく、怒りっぽくなる。
    背筋を伸ばすと気道が開き、呼吸が深くなる。
    脳に送る酸素が増えると、自律神経のバランスが安定する。
    イライラしていると気づいた時には、背筋を伸ばしてゆっくり歩いてみる。

    方法③
    ため息と、ゆっくり長く吐く呼吸。
    大きなため息は、その後に入ってくる空気が自然と多くなるので、自律神経が安定しやすい。
    そして長く息を吐くことで、副交感神経が刺激される。


    ⬛︎テンションが低い朝の対処法
    朝から調子が出ない、なんとく目覚めが悪いと感じる時は、交感神経の働きを活発にするのが良い。

    方法①
    両手をあげて「ふっふっふっ」と短かく早く息を吐く。

    方法②
    鏡の前でしかめっ面をする。

    方法③
    早いテンポの曲を聴く。


    ⬛︎苦手な人との付き合い方
    自律神経のバランスから考えると、苦手な人とは付き合わない方が良い。
    そのストレスは、すぐに体に不調が出なくてもボディーブローのようにじわじわと体を内側から蝕む。

    例えば、電車に乗って「この人嫌だな」と思ったら、車両を変える等して移動した方が良い。
    そのまま居続けると苛立ちが募り、自律神経が乱れてしまう。


    ⬛︎最後に
    本書を読んで、自律神経を安定させるこで得られるメリット、そして怒りを遠ざけることによる健康よ維持増進に対する理解が深まりました。
    早速、本書で紹介されていた実践法を日常生活の中に取り込んでみようと思います。
    本書では上記以外の実践法もいくつか記載されていますので、気になった方はぜひ読んでみては。

  • まずは沈黙を保って、怒りと向き合う。無かったことにしようとしてたけど、そうではないのだと分かって良かった。
    「怒り続ける必要があるのか」と問いかけてみることから始めたい。

  • 面白かった。
    カッとすることだけが怒りではないということ。なるほどなと思った。

  • 健康のためには交感神経と副交感神経のバランスが重要とのこと。そのバランスをよくするための簡単な方法が提案されている。実行しやすそうな方法が多いところが良いと思った。

著者プロフィール

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。

「2022年 『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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