知性だけが武器である――「読む」から始める大人の勉強術

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396615598

感想・レビュー・書評

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  • 2021年7月 小展示「集中を高めよ!!学びを求める為の本」

  • 日頃から本を読んだり、日記を書いたり、体系的に物事を考えることが好きで知的好奇心が強いほうだと思いますが、時々自分なりの方法論に「これでよいのか?」と不安になってしまう、そんな時に本書を読みました。

    第1章・2章では読書術を論じており、自分の普段の読書方法を客観的に見直すことができ、本書を読んだ後では読書に対する意識が変わってくる。
    第3章以降では人生論にも通ずる印象がある。自己の環境を整え孤独になる=自己を見つめ直す、本当は何を勉強したいのか=本当はどう生きたいのかなど。

    学ぶ・勉強するという言葉から、いわゆる受験・就職のための教育が連想されやすいように思いますが、自発的に読書をすることが、自分の可能性やチャンスを広げることだと再認識し、それこそが本当に「学ぶ」ということだと思います。
    知性こそが大人の魅力である。

  • 著者の体験から得た独学術。だが、学生向けではない。社会人に向けた勉強術である。
    読むことが基本。読むことから学びが始まる。
    読むこととは、新しい発見や理解を深めること。
    著者との対話で考えを深めること、精読をすること。
    等を楽しみながら続けることを提唱している。

  • ザッツライト

    単なる教養本かと思いきや。
    高尚な哲学であります。
    精読せよ。とにかく調べつくせ。
    書いて考えろ。

    とにかく難しいのです。

  • 心の奥底で燻っていた様々な事が、文章になっていた。
    ★どういう形であれ、勉強するという事は自分の運命の可能性を広く太くするものだ。
    ★楽しみは誰かから与えられるものではない
    ★勉強とは自分だけに開かれるチャンスの誘いの手である。
    ★本を理解する為に必要なものはそこから何かを掴み取ろうとする姿勢。
    ★論の展開を押さえる方法①論の主旨②論の根拠③前提となる観点、歴史的背景④論の構造。
    ★三種の理解→整理分類できた時。論理的な分かり方。比喩や置き換えができる。
    ★身をもって体験する為にに私達は肉体を持ってこの世にある。頭だけでは分からない事もある。
    ★連想を使って思考する。感情と絡めない。
    ★心配をする事は最も毒性が強い。誰かについて何か悪い事が起きるのをずっと想像する事。この癖は凄まじい浪費なので捨てるべき。
    ★問題を抱えていてもその問題を心の外に置く。
    ★自分の世界観と同レベルの物しか読み取れない
    ★読んだ事を後でさらに考えなければ精神の中に根をおろす事なく消える。
    ★時間を増やすには趣味を捨てる。所詮趣味は趣味。仕事や勉強とリンクしている場合は別。
    ★妄想を捨てる。頭の中に様々に思い巡らせても実際は何もしないので貧しくなる。
    ★孤独の2日かんを過ごし、本当は何をしたいのか。何ができると思うのか。真の欲求は何なのか。何を知りたいのか。どうなりたいのか。自己とじっくり時間をかけて対話する。
    ★評価は何か1つの社会の中での事に過ぎない。
    ★もし自分の才能に不安があるなら、手がけている事柄に自分がそれ程熱心ではない事を自分自身が知っているから。
    ★ハッキリとした具体的で、必要に迫られる動機がある人は外国語を習得しやすい。
    ★ラテン語を齧る
    ★独学に必要な物は物理的な力、筋力。スクワット、腕立て伏せで気力が高くなる。気力は体力に伴っている。
    ★自分からの積極的な観察によって生き生きとした洞察を生む新しい自分を日々創造していくべき。

  • 著者の、幅広い知識が、頑固そうな語り口で広がっております。私は、「超訳ニーチェの言葉」ですでに著者のファンでありますので、為す術がございません。おすすめされて、読みたい本が、また増えました。

  • 久しぶりに知的好奇心が刺激された
    哲学って面白い
    白取さんの表現力が素晴らしいのかもしれない

  • 副題の「読む」から始める大人の勉強術ことに関して必要なテクニック、態度、考え方がよく整理できていた本でした。
    学校教育嫌いで、自らの意思で、自らの人生を心豊かに過ごすためにとってきた筆者の人生の設計思想がよく理解できました(笑)。
    第1章「読む」から始まる勉強術
     「考える」は「読む」から始まる
     知性のための読書術のコツ
     何かを理解することについて
     読んで理解するための六つの技術
     「考える方法」を使いこなす
     思索するためのノートとメモの使い方
     自分向けの文章に書き換える
     試験勉強が国ならない勉強術
    第2章「読む」ことが武器となる
     知性のニヒリズムを打開するために
     読書を通じての変身
     知識と内的力を増やす近道としての精読
     偏見で読まないために
     新しい発想を生みたいのなら
     高い本を読む
     読書の落とし穴
     読んで考えるか考えないのか
     世界文学の効用
     知識や効率ではなく自分のために読む
    第3章 静かな場からの生産、時間を増やす術
     最良の書斎は内にある
     静かな場からの生産
     時間を自分の手にする方法
     時間を増やす技術
     勉強を始める人への私的忠告
    第4章 大人の勉強とは冒険のように人生をワクワク
        させるものである
     本当は何を勉強したいのか
     才能について
     大人の勉強には二つの道がある
     情報・知識・知恵について
     ジェネラルな知へ
    第5章 今、何を学ぶべきか
     外国語の学習は必要と文化から
     独学する力について
     観察から生まれる洞察力
     留学生の勉強
     にわか勉強法
     今、何を学ぶのか
     哲学と宗教について読んでおきたい書物
     勉強を楽しくさせる書物
    以上ですが、67歳の本好き人間にとって、自分のやってきたことの正しさ、また、今後の方向性についてしっかり定めることができたすばらしい本でした(笑)。

  • 2年前からピアノを習い始めてわかったことですが、大人になってからやる勉強は、大学に入学するまでに行っていたものと大きく異なることを実感しました。お金を自分で払う点もそうですが、教えてくれる先生が必ずしも年上でなく、何を教えてもらいたいかを、教わる側が明確にする必要がある等、良い経験をしています。

    さて、この本は、読書=「読む」から始める大人の勉強術を、白取氏が解説してくれています。初めて彼の本を読みましたが、無限に時間のない「大人」が、時間をかけて読んだ本をいかに活用するのかという具体的な指摘は良かったです。

    時間は皆に平等に与えられている、とよく言われますが、それに反するような「時間は増やせる」という考え方は大変参考になりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・論を展開している本を読む場合のポイント、1)趣旨、2)その根拠、3)論の前提となっている知識・観点・価値観・歴史的背景、4)その論の構造(筆者がどのように多くの知識をつなげているか)(p27)

    ・考える4つの方法を使いこなす、1)連想する、2)書いて考える、3)立って考える、4)リラックスして考える(p46)

    ・重要な個所については、自分向けの文章に換えて咀嚼、理解する(p63)

    ・本を読むことは、その本に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、その文章からなんらかの意味や価値をくみ取ること(p81)

    ・大人になる、とは、認識が変わることの言い換えでもある。一冊読むごとに人は変わっていくものである(p84、85)

    ・調査なしの読み方は、大きな弱点がある。その本を読んだ時点での自分の世界観と同じレベルの部分しか読んでいないから(p102)

    ・厚い本にも肝と呼ぶべき文章のまとまりがあるので、そこを探して読めば主張や要点がわかるようになる(p119)

    ・読書に求めるものは正しさではない、本に書かれていることはいつも仮説であるから、何か新しい考え方の地平を開いてくれるか、といった個人的な感性や価値観をたいせつにすべき(p127)

    ・独りで本を読むとき、わたしたちの心は開き始める(p143)

    ・本当は時間が少ないのでない、自分が集中して事柄にあたっていないだけ(p154)

    ・時間を豊かに使う=集中する方法は、1)妄想・煩悩を棄てる、2)考えず、思惑を持たず、予想せず、虚心坦懐に物事にあたる、3)外からの雑音を遮断する環境に身を置く、4)後悔に似た反省や自己採点をしない(p157)

    ・真のモチベーションは、自己の内側から、ふつふつと湧いてくる(p169)

    ・才能を身につける条件、1)自分が求めることの一点において怖れない、2)ずっとその一点について関わりを続ける(p181)

    ・素朴で粗野な情報を一般的なニーズに合わせて加工したものが知識と呼ばれる、知恵は知識の組み合わせから生まれることもあるし、経験と知識をベースにした発想の飛躍から生まれることもある(p194)

    ・外国語を学ぶ場合、まずは自分が母国語に習熟していなければならない。本当に外国語を学ぶ必要にせまられているかどうかという度合いがキーポイントとなる(p215)

    ・ほんの少しでいいから、ラテン語をかじっておく方がいい。西洋系の多くの外国語のスペルはラテン語から派生している(p216)

    2016年8月28日作成

  • 基本的に自分の考えてる事と同じだな〜と思いながら親近感持ちながら読みました。

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著者プロフィール

白取春彦(しらとり・はるひこ)

青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説、論評の明快さに定評がある。
主な著書に、ミリオンセラーとなった 『超訳 ニーチェの言葉』のほか、『頭がよくなる思考術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『この一冊で「聖書」がわかる!』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『行動瞑想 「窮屈な毎日」から自由になるヒント』(三笠書房) など多数。

「2023年 『超要約 哲学書100冊から世界が見える!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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