韓国新大統領 文在寅とは何者か

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396616083

感想・レビュー・書評

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  • 前ソウル支局長の毎日新聞記者・澤田さんが文在寅大統領就任直後に出版したもの。
    個人的に少しだけ顔を知っていることもあり、著者に送っていただいた本なのだが、すぐに読めなかったこともあり、「新鮮さ」をのがしてしまった感がある(自分のせいだが

    大統領就任直後に出版された、ということは「大統領としての文在寅」がどう動くかを確認する前に書かれたもの、ということになる。
    そのため、選挙戦の過程で文候補がどういう作戦をとったのか、どういう思想を持っているか、ということの他は、あくまで「こういう政策を打ち出すことになるだろう」という観測しか書かれていない。いや、そもそもそのようにしか書けなかったのだ。

    しかし、この本の意味はそこではない、と私は思う。
    時期が時期だけに「文在寅とは何者か」とのタイトルで出版されたのだろうが、実際には文在寅が登場する前の段階、すなわち「なぜ朴槿惠大統領は罷免されたのか」だとか、「進歩的な大統領が就任した際の日韓関係はどのようになるか」だとかいった現代韓国の「出来事」「問題点」が様々な視点から幅広く、分かりやすく書かれているところが強みだろうと考える。

    韓国政治を専門にしていた私にも理解しづらいところがあるのが韓国の政治だ。しかも、その変化はとても速い。10年ほど韓国に住んだり、往復したりしていた私だが、その決して長くはないこの期間だけでもその変化はとてつもないものだった。
    同書は「今の韓国」を知るために、新鮮なうちに読んで戴きたい一冊だ。

  •  書名に反し、文在寅やその政策自体に触れたのはごく一部で、残りは日韓関係や韓国社会の解説だった。過去の筆者の本や新聞コラムの内容をまとめたような感じでもあり、雑多と言えば雑多だが、内容は幅広く気楽に読める。
     文在寅大統領の対米政策は、「反米的」とのイメージがあるが「当面は慎重な姿勢で安全運転に努めるはず」と筆者は述べている。政権発足から2か月、本書発刊から1か月の現時点では、その指摘は当たっていると言ってよいのではないか。政権末期に振り返ってみるとどういう評価になるのだろうか。
     保守・進歩の別を問わず米中の狭間で両方と良好な関係を保たなければ生きる道はないとの自己認識。儒教や「正しさ」感覚から歴史問題で日本を批判し、しかもそれを「反日」とは自覚しない感覚。親/反日・米・中、などと簡単にレッテル貼りはできないことが本書からわかる。
     韓国の大統領が「帝王的」と言われるほど権力が強いのは制度よりも属人的な政治文化のためだと筆者は指摘している。この点は政治学者の更なる分析を読んでみたい。
     なお、一般の韓国人の「安保不感症」を正確に論じた産経新聞を「冷静なメディアの代表格」と呼んだ箇所には思わず笑ってしまった。いや、筆者に同意するのだけど。

  • タイトル詐欺ですな。
    文在寅のことは最初にちょこっと書いてあるだけで、それ以外は韓国の政治とか、韓国人のものの考え方を書いてあるだけ。
    それらは、他の本とかでいろいろ言われていることで目新しいことは書かれていないので残念だった。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425971.html

  • 著者は「安部首相も(嘘慰安婦へお詫びの手紙を送らないかと朝鮮党に質問され)『毛頭ない』ほどキツイ言い方をしなくてもよかったのに」など韓国寄り。(いつもかんじるが朝鮮人は自分で解決しないで日本側譲歩をねだる)
    大統領当選して笑顔だが悲劇必至。人権弁護士として事実を曲げてまでも依頼者の権利を拡張の大働き。警官を焼殺した学生に10年の刑も重過ぎると恩赦させたが、非合法なクーデター的手段で大統領になるや露骨に司法に介入し、日本との国際協約のボーダーを蹂躙せんとする。ときに国民感情に沿わない判断をすることこそ指導者の務めだが、いまや日本の8~9割となった対韓強硬論を宥めるのは日本の政治家の役割とばかりに無言、傍観的発言に終始。/焦眉の急でやるべき事は軍事強化で、経済格差からして北を叩き潰せる軍事力を備えてこそ平和的統一できよう

  • 昨今の「慰安婦問題」や「徴用工問題」を聞くにつれ、どうも韓国はわからない国であるとの思いを抱いていた。小生はリベラリストを自認しているが、それでも最近の韓国の主張にはとてもついていけない。
    しかし本書を読んで、韓国の儒教を基本とする国民文化の一端を知ると、賛同はできないまでも一定の理解はできる思いを持った。
    「上位者には徳を求める」「間違いは正されなければならない」という儒教的徳目を現在の国家関係や歴史観に及ぼすとこうなるのかとため息をついた。
    これまでに本書のような視点の本は読んだことはなかった。面倒な隣国への理解を深めることができる本として評価したい。

    2017年8月読了。

  • カカオトークを利用しないでドイツのテレグラムを利用するというサイバー亡命がブームになった。韓国人の旅行先ランキングの人気は圧倒的に日本。ソウルの有名大学を出てても就職できない。スペック増強のために必死になっている。

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著者プロフィール

澤田 克己(サワダ カツミ)
毎日新聞論説委員
毎日新聞論説委員。1967年埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。在学中、韓国・延世大学で韓国語を学ぶ。1991年毎日新聞社入社。ソウル特派員、ジュネーブ特派員、外信部長などを経て2020年から現職。著書に『「脱日」する韓国』(ユビキタ・スタジオ)、『韓国「反日」の真相』(文春新書、アジア・太平洋賞特別賞)、『反日韓国という幻想』(毎日新聞出版)、『新版 北朝鮮入門』(共著、東洋経済新報社)など、訳書に『天国の国境を越える』(東洋経済新報社)。

「2022年 『犠牲者意識ナショナリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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