情報分析力 (単行本)

  • 祥伝社 (2024年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784396618261

作品紹介・あらすじ

プロはどう集め、読み、アウトプットするのか?
溢れる偽情報時代、情報に溺れないための「分析装置」の作り方とは?

問題は「情報がない」ではなく、「情報を分析するやり方」にあった!
情報の取り方、分析の基本、情報分析のための文章術……
ビジネスパーソンから学生まで
ロシアの軍事・安全保障専門の著者による情報分析力入門講義

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■著者「はじめに」より

現代は情報に関するコストが人類史上で最も低下した時代と言えるでしょう。
情報は誰にでも、いくらでも入ってくるのだけれども、その処理装置を持つのは簡単ではない。
これは現代の世界が抱える大きな問題ですし、本書ではこのギャップをなるべく
縮めることを試みてみたいと思っています。

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■目次より

第1章 ロシアのウクライナ侵略はどう分析されたか?――溢れる偽情報といかに向き合うか
第2章 情報分析で大事なスタンス――「情報」とは何か
第3章  情報を取る――どのように定点観測するか
第4章  集めた情報を分析する――「位置」を描き、具体論で語る
第5章  情報をまとめる――情報分析のための文章術
第6章  情報分析で陥りやすい罠――「予断」と「偏り」の中で
終章   不確実な時代の情報分析
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みんなの感想まとめ

情報分析の重要性を深く理解できる本であり、著者の専門的な視点と丁寧な説明が魅力です。特に、ウクライナ侵攻を背景にした具体的な事例を通じて、情報の集め方や分析方法について実践的な知識を得ることができます...

感想・レビュー・書評

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  • 情報分析力

    情報の洪水に揉まれる日々、何を信じてどう行動すればいいのか迷うことが多い。
    小泉悠氏のこの本は、そんな混沌の中で冷静に「情報を料理する」技術を教えてくれる。彼の専門はロシアの軍事情報だが、その泥臭い分析のプロセスは日常のビジネスや子育ての判断にも通じる。情報はただの材料であり、自分で調理して自分の知恵に仕立てることが肝心だと実感させられる。著者の文章は硬質で理知的、時に哲学的だが、だからこそ感情に流されやすい現代人にとっては貴重な指針となる。ただ、専門的すぎて読み物としての親しみやすさはやや薄く、自分の生活にどう落とし込むかに工夫が必要かもしれない。しかし、その分だけ情報と向き合う覚悟を秘めた真摯な一冊。情報に踊らされず、家族と仕事を守るための武器として重宝できるはずだ。

  • いい本に巡り会えた。
    情報分析ってジャンル中々ないし、興味ない人にはソッポ向かれる本ではあるが、ウクライナ侵攻で、NEWSや本などで名前をよく聞く著者だったので読んでみた。
    内容は分析について、自分で調べ物する行為に専門的な着眼が加わったものであるが、この著者、分析者としての視点の広さも然ることながら、説明の仕方が懇切丁寧で、本の随所に誠実性が伝わってくると共に、丁寧であるが故の、説明の不器用さも伝わってきて、それが哲学の様な人間らしい説明に感じ、重厚な内容であるが楽しく読む事ができた。

  •  著者の小泉さんは、感情やイデオロギーを交えずに事実を淡々と述べて、あくまで客観的な観点から論説するスタイルで非常に説得力がある。現代は情報が民主化されて、誰もが一定の情報を手軽に入手出来る時代になったが、反面情報過多によりフェイク情報等も溢れているため、情報の選別と分析により、情報を自分なりに咀嚼することが困難な状況にある。本書では情報を可視化するために文書にまとめて整理することや、集めた数字をグラフなどに羅列して眺めていると数字がしゃべり出すこと、アウトプットできないのはインプットが足りていないことなど、分析者でなくても情報と接する上で重要なことが分かり易く記載されており、非常にためになった。

  • ロシア-ウクライナ戦争が始まって以来、著者の顔を見ない日はない。
    軍事評論家でありロシア軍事の専門家として、的確なコメントに毎回唸らされてしまう。
    その識者が書いたのが本書だが、その内容は戦争に関する考察ではなく、一般的な「情報分析」に関することだ。
    著者のメッセージを端的にまとめると「大事なのは、情報収集力ではなく、情報分析力」だということ。
    特別な情報は確かに必要かもしれないが、専門家でもない限り、その情報は不要だろう。
    それよりも、誰でも手に入る情報を如何に分析し、意味を見つけ出せるかの方が重要と説く。
    本当にその通りだと思う。
    世の中に情報は溢れているし、収集することもボタン一つで簡単に出来てしまう。
    それら大量の情報の中から、価値あるものを見つけ出し、それに対して自身の考察を加えることで、元の情報を単なる「インフォメーション」ではなく、「インテリジェンス」に昇華させる。
    情報を収集、分析した結果として得られる「知見」こそが大事ということだ。
    これは耳の痛い話である。
    日常でも、ネットで拾った情報を、あたかも自分が調べたように自慢して喋ってしまうことがある。
    その話がより深堀されているならまだしも、ネット情報の真偽も調べずに、しかもそのまま話を伝えてしまう。
    浅はかな行動なのは間違いないが、大量の情報に触れている現代では、ありがちなことだろうと思う。
    気が付きにくいだけで、自分自身も行っている可能性が高い。
    情報取得は確かに大事だし、集めようとしているだけマシなのかもしれないが、本当に大事なことは、「どうすればインテリジェンスに昇華できるのか」の方なのだ。
    特にこれからは、生成AIが簡単にDeepReserchしてくれる。
    専門家でなくとも、誰でも気軽に分析することが可能となってしまった。
    それこそボタンの一押しで、情報の収集から分析までを完結させてしまうのだが、果たしてそれは「知見」と言えるのだろうか?
    生成AIが出力した結果を読むのは自分自身。
    あくまでも読む側の解釈する力こそが、これから大事ではなかろうか。
    これは結構奥深いことだと感じてしまう。
    最近、社内の若手社員から「どうやって情報収集しているのですか?」と問われた。
    特段自分自身が意識して情報収集していた訳ではないから、面食らってしまった。
    当たり前のことだが、過去に自分が閲覧していたサイトから、情報が勝手にお薦めされてくる。
    エコーチャンバーが社会問題にもなっているが、相当に意識して他の情報を取得しようと思わない限り、自分が偏った情報に操作されていることに気付くこともできなくなっている。
    ましてや、それを生成AIに聞いて、深く知った気になっているのだから、これは相当に自戒しなければいけない。
    本書は、警告にもつながる問いを発していると感じた。
    著者自身が、特別な軍事機密にアクセスしている訳ではないと言い、普段使っているのは、「OSINT(オシント)」と呼ばれる手法ということだ。
    「オシント」は、オープン・ソース・インテリジェンス。
    つまり、新聞やテレビの報道、SNSの投稿、商業衛星の画像など、一般に公開されている情報を集めて分析する手法のことだという。
    つまり、特別な情報は何も使っていなく、一般の我々と同じように取得できる情報だけで、あれだけの分析を行っていたことになる。
    これは、一体どういうことなのか。
    「インフォメーション」と「インテリジェンス」では、意味が根本的に異なる。
    料理の例は分かりやすいのだが、インフォメーションはあくまで「食材」であり、インテリジェンスは調理された「料理」だという。
    今の世の中、食材(情報)はいくらでも転がっている。
    ネットを検索するだけで、一生かかっても拾い切れないほどの情報にアクセスできる。
    しかし、それをそのまま生の状態で閲覧しても、自分の身になるものではない。
    栄養にするためには、自分なりに調理して、意味のある料理(知見)に昇華させなければいけないということだ。
    それでは、「インテリジェンス」に昇華させるには、どうすればよいのか。
    これは勿論、簡単な話ではない。
    本書の中で、著者は「書くこと」の重要性について触れている。
    頭の中で考えているだけでは、「インテリジェンス」に昇華されないし、情報分析力も高まらない。
    文章として書き出すことで、論理の飛躍に気付いたり、足りない情報が見えてきたりするのだという。
    私がこうして読書感想文を書き連ねるのも、意味があったということか。
    無意識のうちに分析力のトレーニングになっていたのかもしれないと思うと、無駄ではないと思えてくる。
    インプットした情報を、自分なりの言葉でアウトプットする。
    このプロセスを経ることで、情報が自分の中の知識となり、知恵となる。
    この行為を生成AIだけに任せてしまうと、能力が磨かれることはなく、当然衰えていくばかりだ。
    健康的に自身の能力を高めるためには、すべてを機械に任せるのではなく、多少不便でも自ら歩いて筋力を高めるかのように、脳を鍛えろということだ。
    得られた情報から、一歩踏み込んで自ら考えてみる。
    そしてアウトプットし続けてみる。
    そういう習慣を身に付けることで、ありふれた情報が、自分なりのインテリジェンスに変化していくはずなのだ。
    世界情勢はますます複雑化している。
    ロシア-ウクライナの問題だけでなく、中国や台湾、中東の情勢など、日本を取り巻く環境も予断を許さない。
    日本に限らず、少子高齢化は加速し、人口減少社会に突入している。
    そんな中で、ビジネス環境も変化せざるを得ない。
    昨日までの正解に頼るのは、止めた方がいい。
    不確実な時代を生き抜くために、自分の頭で考え、分析し、判断する力は絶対に不可欠な能力だ。
    専門家ではない我々でも、公開情報を手掛かりに、世界の一端を読み解くことはできる。
    会社であっても、様々な情報を単なるデータとして見るのではなく、それらが絡み合って生まれる「意味」を読み解いていきたい。
    「情報は誰にでも手に入る。差がつくのは分析力」
    この言葉は非常に大事だ。これからも意識していこうと思う。
    (2025/8/10日)

  • YouTubeで三宅香帆さんがオススメしていたので読んでみた。とても面白かったし、いっぱい気づきを得られた。

    著者はロシアの軍事専門家で、一時期ウクライナ戦争のコメンテーターとしてテレビにたくさん出てた人だ。
    正直、ロシアの軍事情報にはあまり興味もないし、積極的に知ろうとも思わない。
    ただ、ロシアの軍事情報なんて普通は取得できないものを、どのように入手して、どのように分析するのか?周辺情報の入手の仕方、得た情報の分析の仕方がとてもわかりやすく面白かった。まさか個人でお金払って衛星写真を手に入れられるなんて!

    軍事情報だけではなくて、ビジネスマンとしての情報の取得方法、分析の仕方など、学ぶべき点が多くて、とてもタメになった。
    ・定点観測で差分を把握
    ・地元新聞を読むことで得られる国の雰囲気
    ・現地確認の大切さ
    ・文章にする事で足りないところを理解する
    ・忙しい人に伝わるように情報を料理すること
    ・偉い人の本をたくさん読む
    ・偏らない、妄信しない
    ・各沼のオタクを利用する

    ロシアの軍事情報というとても秘匿性の高い情報の分析を生業にしてるだけあって、情報の取り扱いへの意識がすごかった。
    ただし、とても読みやすい書き方で書いてあって、わかりやすかった。
    情報分析は泥臭い。スマートじゃない所も正直に書いてあって良かった。良本。

  • 小泉氏がロシアの軍事をどうやって分析しているのか、その手法について話す。紙やウェブでの公的資料や衛星画像サービスを利用し、情報を得て地道に観測。しかし物理的な事だけでなく、ロシアの心理的背景にも目を配り、判断する、地道な仕事が見えてきた。

    情報は今や誰にでもいくらでも入ってくるが、その情報が何を意味しているのかを知る方法~「情報処理装置」を持つのは簡単ではない。生情報を処理して、対象に対処するための意思決定の判断材料にするためには、「料理」=インテリジェンス~情報資料として仕立て直すことが必要。

    その手法とは、
    ・情報を定点観測して、僅かな差分や変化を見出す
    ・専門家が書いた紙の本を地味に読み進める
    ・そして頭の中に相手の思考をエミュレートするような装置を作ってこれをアウトプットする。
     ※エミュレート~模倣~相手のものの考え方を知る。そうすることで相手が何故(こちらには受け入れがたい)そんな発言をするのかがわかる。しかし相手と同一化してしまってはいけない。同一化してしまうと相手国の代理人のようになってしまう。
    ・最近はAIの躍進がめざましいが全面の信頼はまだ。いまのところはアナログで。新しいテクノロジーを使うには情報分析に精通していないと振り回されてしまうだろう。
    ・最後に「文学を読む」ことを提案。情報分析には人間についての理解が求められる。しかしその人間が一番厄介な要素だ。優れた文学作品は、小説家たちがその天才によって見抜いた人間性のスケッチみたいなものだ。
     ※人間性とは「合理的ではないが人間らしいと多くの人が認める行動様式」
     ※小泉氏が今でも度々参照しているのは、近未来のロシアを舞台とするウラジミール・ソローキンの「親衛隊士の日」。

    ・文章を書くことによって、収集すべき情報がわかったり、情報の体系化ができる。

    ・分析者と研究者
     小泉氏はプロの分析者ではない。「プロの分析者」とは情報機関などに勤務している職員で、組織的。これに対し研究者は一匹狼型。でも研究者は幅広く話の歴史的背景などの空気も扱う。両者は上下ではなく、相互に協力しあって事象を見ると、「この戦争とは何なのか」を把握できる。

    ・若き日に外務省で情報分析の仕事をした。そこでは研究資料は簡潔にまとめることを要求された。レポートをまとめ提出すると「君なあ、長すぎるよ。それに専門用語が多すぎるし、文字だらけで読みにくい。学術論文は相手が一生懸命読んでくれるけど、役所の文書ってのは忙しい人が読むんだから」・・どこを削って何を残すか、専門用語はどういう一般用語に置き換えるか、言葉では分かりにくいことをどう図表で表すか、・・この体験は今でも小泉氏の情報分析の基礎になっているという。なるほど、テレビでの分かりやすい解説はここらへんの体験からきているのですね。

    音声メディアVOOXの企画でビジネスパーソン向けに情報分析についての考え方を話してほしい、と言われ10分ずつの短いレクチャーを何本か収録した。それを加筆修正して書籍化したもの。

    2024.11.10初版第1刷 2024.11.25第2刷 図書館

  • 著者とタイトルに惹かれて手に取りました。IMINTやGEOINT、OSINTに関する著者流のプロセス、心構えを知ることができて有意義でした。また、ビジネスシーンにも落とし込んで分かりやすい説明がされていました。

  • 非常に良い。
    著者の専門の関係でロシア軍事に関する例で解説されているが、情報の集め方、その調理(分析)の仕方、マインド、注意点など本書で話されている内容は、あらゆる他の分野でも活用できるように思う。

    今の時代、いかにニッチな分野を深堀して自分なりの専門性を打ち出していけるかが要になってくる。そして、それは好きなものでなければ続かないし、楽しめるマインドでなければならない。

    現代は情報が氾濫している、というネガティブな時代であると同時に、世界中の欲しい(基本的なバックグラウンド)情報には簡単にアクセスできるポジティブな時代でもある。
    バックグラウンド情報に限らず、コア情報、足を運んで得る情報も、集めて自分のものにするには熱意や根気が原資になる。
    そしてそれを分析する力の方は、知識(ノウハウ)、積み重ねの経験、そして地頭力になる。
    両方が必要と言える。

    AIが急激に進展しているが、その反面、人は自分の身体を動かさなくなっている。だからこそ、足を動かす、身体を動かす、そうして得る情報の意味の比重はより重くなっていることだろう。

    自分の専門はITインフラ、魔法文化、料理、などにあるが自分の各分野を深めて楽しみ、それを活用する知見として使っていきたい。衛星画像は使わんけど。

  • 最近コパイロットでデータの分析をすることが増えたが、その分析結果を受けて何をするかがうまくできてないと感じていたので読んでみた

    アクションや提案まで変換するには、①バックグラウンド情報、②コア情報、③足で稼ぐ情報 の3種類が必要だが、コパイロットの分析で不足しているものを補うのが大事かなと思った。どれご足りていないかを知るには、人と会話してヒントを得るのも必要かも

    情報調理するには、可能行動(起こりうることのマックス値)×意図(確率)で捉えるのが大事。特に意図の方は、人によって合理性が異なるので、行動様式を理解することが必要。異なる立場、文化の人の本を読むのが良いらしい

  • オーディブルにて。
    ロシアの軍事専門家が著者というだけで面白い。自分とはかけ離れた世界にも関わらず、情報の集め方、分析の考え方を汎用性をもってわかりやすく教えてくれた。

  • ▼最も印象に残って今後意識したいこと
    提供対象者と解像度を合わせる
    ▼粗約
    まずは地道に情報収集(定点観測)して差異を見出す。足でも生の情報を稼ぐ。専門家のものも読む。
    それらを組み合わせて分析対象の思考をエミュレート(模倣装置)する装置を頭の中に作る。
    定期的にアウトプットして足りない情報を発見してまた収集する。
    それを繰り返しアウトプットにつなげていくというスパイラルを生む
    ▼その他印象に残ったところ、つなげられそうなこと
    現代は情報入手のコストが下がったが、分析する処理装置を持つ人はまだ少ない
    情報分析は料理と同じ。素材(生の情報)を加工、分析してインテリジェンス(料理)にしてお客さんに食べてもらってフィードバックをもらう
    可能行動→憶測ではなく相手ができることから考える
    生の情報を、次につながる(行動につながる)ものに変換する必要がある
    バックグラウンド情報(背景情報→文脈、流れか)+コア情報(生情報→今、の事実)+足で稼ぐ情報(体験的情報→空気感や感覚を養う)
    提案とは相手が何を分かっているべきかという問いに応えるもの
    一般論の後に具体的な各論を語れるか→自分の洞察、スタンスを取れるか、か?
    ▼意外だったところ(おもしろかったところ)
    人間(の行動様式)そのものへの洞察を得る手段として文学を読むことが言われていた
    (ロシアのことが例になっていたが、やはりドストエフスキーが出てきた)

  • ロシア軍事評論家の情報分析手法が書かれている。わりと軍事的な内容が強いので、一般だとどこから持ってくるんだろうな~とか思いつつも、冷戦自体のペンタゴンの中庭にあるもう一つのペンタゴンの話はとても興味深く面白かった。
    また、ロシアの実情も書かれているので勉強になった。

  • 情報分析力というテーマにしては、確かに楽に読むことができたものの、逆を言えばあっさりとしすぎていた印象。図書館で借りたから良いものの、1600円も払って読むほどのものではない(それは情報分析というスキルを自身がそれほど求めていないから、そのように思うだけなのだろうが)

  • インフォメーションとインテリジェンスの違い、組織にいる人間にとってはしばしば経験する曖昧さ。
    上司、特に経営層にインテリジェンスをお伝えしてもインフォメーション以下の思い込みに一蹴される。そんな日常でも情報分析をあきらめない、と思わせてくれる。

  • 著者は軍事専門家だが、情報分析の仕方は軍事以外の仕事でも役立つと思う。
    私は本書で言うところの「情報通」になりがちなので、情報収集をする際は「仮説を立てること」「アウトプットすること」を意識しておきたい。
    『NEXUS』を併読しているので、所々に共通点があって面白い。両者を読んで、情報分析とは変化を読む技術のことを差しているのかなと考えた。

  • <読書の動機と個人的見解>
    軍事専門家によると、2027年が台湾有事のターゲット・イヤーと目されており、2029年までは緊迫した時期が続くという見通しだ。
    そこで疑問に思ったのが、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年~)のときに軍事専門家らはこのタイミングを見通せて警告を発していたのか、ウクライナ市民(特にキーウ)は事前に察知して安全確保のための行動を取れていたのか、ということだった。
    気になっていたところ、Audibleの聴き放題に本書が入ったので聴いてみた。

    <本書の内容>
    この疑問への回答として、小泉さんはロシアがクリミア半島に勢力を増強し、ウクライナ側もその時に備えているという戦争の兆候は確認していたが、まさかキーウ攻撃に踏み切るとは想定できなかったという。
    ロシアの軍事専門家として有名な小泉悠さんは素人目から見ると「インテリジェンスのプロ」に思えるが、彼に言わせると、政府機関で軍事にあたっている人のことをプロというようだ。
    例えば、衛星画像はお金で誰でも入手可能になったとはいえ、軍事施設周辺などは発注から3~4日待たされるそうだ。軍関係者の検閲が入って、時には入手できないこともあるとか。検閲なしに即時提供してもらうには億単位の料金が請求されるという。つまり、民間の軍事専門家は「プロではない」という認識らしい。そしてロシアによるウクライナ侵攻についても米政府(当然米軍関係者ら)は、かなり確証の高い根拠を持って事前に把握していたとのこと。つまり民間の軍事専門家はインテリジェンスのプロ集団には敵わないということだ。

    <個人的考察>
    冒頭の「いつ、台湾有事が始まるのか?」という問いに対する答えは、軍事関係者らの動きを観察する感度を上げる必要がありそうだ。
    具体的には、世界トップレベルのインテリジェンスのプロ集団を持つ米国、イスラエルの日本に滞在する自国民(非戦闘員)の疎開作戦(NEO)が秘密裏に行われている兆候を掴むこと。大使館や領事館、インターナショナルスクールに通う彼らの子供らの動きで引っ越しや退去が顕著になってきたり、米軍基地では軍用輸送機が頻繁に飛び交うようになっているはずだ。

  • 小泉悠

  • もともと小泉悠さんのYouTubeは好きでよく見ていたが語り口調はそのままで読みやすかった。
    物事を多面的にみることはもちろんのこと相手はどう考えるかという相手目線の大切さを学んだ。

  • ふむ

  • Audibleで。
    小泉悠氏も他の多くの人と同じように、日々の情報収集やそのまとめ方に悩み、いろいろな工夫を凝らしている。そういう意味でとても親近感が湧いた。
    情報分析の考え方。特別な情報源に頼るのではなく、誰でも手に入れられる公開情報をどう料理するかも大切。普段の仕事にも通じる考え方だなと感じた。地道な努力を毎日続けている。やっぱり楽な道はない(笑)。

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著者プロフィール

東京大学先端科学技術研究センター准教授

「2026年 『法と哲学 第12号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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