そして名探偵は生まれた

著者 :
  • 祥伝社
3.12
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本棚登録 : 243
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632557

作品紹介・あらすじ

三月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。新興企業アラミツ・グループが所有する保養所・萩宮荘で、若き総帥・荒垣美都夫が撲殺されたのだ。ここは歴代の所有者が次々と不幸に襲われたという呪われた山荘だった。殺害現場となったホールは完全な密室状態だった。外部からは争う物音が確認されたが、現場に入ってみると荒垣の死体しかなかった。ホールの窓の外は降り積もった雪が逃走した者がいないことを証明している。犯人はどこへ消えたのか?社内懇親会で集められた二十人の中に犯人が?事件の解決に名探偵・影浦逸水が乗り出したが…。『生存者、一名』『館という名の楽園で』を収録した密室トリック三部作。

感想・レビュー・書評

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  • 雪の山荘で新興企業の若き総帥が殺される表題作、テロ実行犯グループが逃亡先の無人島で1人また1人殺されてゆく「生存者、一名」、突然届いた招待状で謎の西洋館に集められた大学の同級生が推理劇に取り組む「館という名の楽園で」。いずれも世間から隔絶された状況で起こる殺人をテーマにした中篇3編を収めたオムニバス。一見不可能な犯罪が行われたトリックを作者が提供する伏線から解いていく、所謂「本格もの」推理小説集だ。個人的には、「誰が」「どのように」といったトリック部分よりも「どうして」犯罪に至ったかの心理描写を好む方なので、この手のパズル的小説はあまり得意ではないのだが、コンパクトな中編集なのでなかなか楽しめた。特に、「生存者、一名」などは、一人が生き残ることは始めから分かっているのに、誰が生き残るのか、彼らに何が起こるのかと緊迫感煽る語り口が見事で、ついつい急いでページを捲ってしまう。他の2編も含めこのジャンルが大好きという人には堪らない作品なのだろう。実際、「本格もの」では定評ある作者のようだ。

  • お勧め度:☆6個(満点10個)。今作からお勧め度を書いていきます。あくまで私的お勧め度ですから・・・。気になさらずに(⌒~⌒)
    歌野さんの作品としては、ちょっとパンチが足りないような気もする。「雪の山荘」ではごく普通。「孤島」はちょっとだけ意外、「館」では少し訳がわからなくなった。まあ、3作品とも可もなく不可もなくというところだろうか?
    一応、密室トリックと言われているけど、込み入った仕掛けがあるわけでもなく、ちょっと気落ちしたが、一番面白かったのは2番目の「生存者、一名」かもしれない。ラストにドッキリ!
    -------------------------------------
    お勧め度 ☆1~3 あまりお勧めしない
          ☆4~6 まあまあかなあ。時間があれば
          ☆7~9 読んでみる価値はある
          ☆10  是非、読んで欲しい

  •  作品解説(帯より):三月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。(中略)殺害現場となったホールは完全な密室状態だった。外部からは争う物音が確認されたが、現場に入ってみると荒垣の死体しかなかった。ホールの窓の外は降り積もった雪が逃走した者がいないことを証明している。犯人はどこへ消えたのか? 社内懇親会で集められた二十人の中に犯人が? 事件の解決に名探偵・影浦逸水が乗り出したが……。

     表題「そして名探偵は生まれた(雪の山荘)」の他、「生存者一名(孤島)」、「館という名の楽園で(館)」の三大密室トリックで構成されいる。
     誰もがどこかで読んだことのあるような設定の中、誰も読んだことのない推理劇が展開さる。どの物語にもあっと驚く結末が用意されており、意外性は抜群。
     中でも特に面白いのが、「生存者一名」。結末は三作中、一番ありがちかもしれないが、人物設定は他を大きく引き離している。某駅でテロ活動を行ったカルト集団の実行犯が、世間の眼から逃れるために孤島へと逃げ延びる……という内容で、作者は以前、某宗教集団に所属していたのでは? と思わせるくらい人間関係がうまく描かれており、極限状態に陥った心理描写もうまい。

  • ミステリ中編集。
    孤島でのサバイバルもの「生存者、一名」が好き。読者が、この生存者を推理するのは難しいはず!

  • ・「そして名探偵は生まれた」:まさかの展開でおもしろかった
    ・「生存者、一名」:誰が犯人か気になったけど、最後が曖昧というか…。
    ・「館という名の楽園で」:館の仕組みが難しかったけど、ミステリー実演は面白かった。最後がよかった

  • もう少し振り切ったほうがよかったな。ちょっと中途半端

  • [2015.04.15]

  • 大満足です。

    中編三作。
    どの作品も意外な結末の後に更にあっと驚く仕掛けがなされており、さすが、という印象でした。

    そして名探偵はうまれた
    …コミカルなタッチで描かれており、すごく読みやすく受け入れやすい作品。途中、結末につながる流れで「ん?」と違和感を感じつつも、その正体がわからなかったのが残念。なるほどー!という感じです。

    生存者、一名
    …結末の意外性でいえばピカイチ。あまり言及がないなりに無人島がよく描かれていて、閉塞感や恐怖が浮き彫りになっていた気がします。タイトルや挿入される記事から「誰が生き残るんだろう?」「この人はどうなるの?」とはらはら楽しく読み進めましたが、全く裏切られました!面白かった。
    ただ、個人的には最終ページは蛇足かな?

    館という名の楽園で
    …トリックは本格系なのですが、設定が面白い!主の考えを色々考えてわくわくしてしまいます。トリックも、中核部分にはすぐ気付くのですが、わかりそうでわからない…!結末はある程度予測がついてしまったのが少し残念。

  • もう少しブラックなのを想像していたんだけどな…。肩透かしを食らった気分。

    表題作の「そして名探偵は生まれた」は笑えるところもあって、そのギャップが面白かった。

  • 努力は認めるが・・・

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著者プロフィール

1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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