新釈 走れメロス 他四篇

著者 :
  • 祥伝社
3.63
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本棚登録 : 3265
レビュー : 627
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632793

作品紹介・あらすじ

異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。

感想・レビュー・書評

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  • 山月記、藪の中、走れメロス、桜の森の満開の下、百物語の5編の短編を、現代の京都を舞台にアレンジしたパロディ作品です。

    個人的には「走れメロス」が1番読みやすく、楽しめました。
    他の作品は「森見」色が強すぎて少し読みにくかったです(おそらく、森見ファンの人であれば楽しめるのでしょうが)。
    どことなく不思議な世界観の中をさまよう様な読書体験になりましたし、実際に文豪たちの作品を再読したくもなりました。

  •  有名な作品を現代の京都の学生を主人公にしてみたら……。森見登美彦なので、雰囲気というか作風は安心と信頼のあの感じです。

    *山月記
     元ネタは教科書にも載っているあの虎になった李徴の話。李徴とは違った意味で斎藤が可哀想な人にしか見えなかった。こっちの方が、人間ではなくなったという印象が強い。

    *藪の中
     元ネタは解釈が多発するあの話。元ネタの方は3人が語るどの話が真実なのかが分からなくなったけど、この話は映画を主軸に捉えれば監督が語る話が事実なんだろうけど、でも整合性が取れてないんだよなあ……。

    *走れメロス
     元ネタは胸熱な友情話なんだけど、こちらは愛すべき馬鹿たちの物語。もしかしたらこっちの方が太宰は好きかも?!

    *桜の森の満開の下
     元ネタは山男と美しい女の話なんだけど、こちらの方が男が女に翻弄されて、身も心もズタボロにされている印象がある。

    *百物語
     元ネタは未読。森鴎外の小説らしいので機会があったら読もうと思う。とはいえ、百物語自体は知っているので、ホラー系で終わるのかなと思ったら、大学生活キラキラ楽しむものもいれば、漫然と傍観者で終わるものもいるという対比を鮮やかに描き出していて心が痛い(どちらかというと後者な自分だったので)。F君はもしかして深淵?(邪推)

  • 名作をあそこまでいい意味で馬鹿馬鹿しく解釈できるのは、森見さんの才能だと思う。
    京都中を駆け巡る走れメロス。
    森見さんの他の作品ともリンクしていて、読みながら笑ってしまった。
    メロスもとい芽野があそこまでクズだと、もはや清々しい。桃色ブリーフによって示された友情…うへぇ、遠慮したい。
    桜の森の満開の下は、いつもの作品と違った不思議で妖艶な雰囲気が好き。
    彼は師匠に読ませていた時と売れっ子作家の今と、どっちの方が幸せだったのだろうか。
    そして彼は今幸せなのだろうか?
    元ネタの方も読んでみたい。

  • ネタを古典に求めるというのは芥川もやってることですしねぇ
    とりあえず、「走れメロス」が予想通りの森見節で、読んでいておもしろい

  • 森見さんの本を読むのはこれで2冊目。
    凄く文章が好きなんですよね~~
    それに前読んだものと舞台設定は一緒だから、
    話しが違っててもいろんな物がどこかで絡み合ってて、
    またそこが心をくすぐるっていうか。

    昔の文学を今風にアレンジしてるけど、それでもなんか古臭い(笑)

    なんでだろう?京都・大学っていう場所だから??
    でもそこが好きなんです。

  • 山月記の斎藤秀太郎好きです。他の話にちょっとづつ絡んでくるのも良い。
    話の中では、藪の中が1番好き。原作も読んでみたいな。森見ワールド癖になります。

  • 古典的名作の新しいストーリー。
    原作を読みたくなりました。
    走れメロスはちょっとやりすぎ感がありましたがおもしろかった。
    坂口安吾の「桜の森の満開の下」がすごく好き。


    “わけても芽野と芹名とは「詭弁論部に芽野と芹名あり」と自分たちで豪語したほどのひねくれ者で、変人揃いの詭弁論部員ですら「意味がわからない」と口にするほど意味の分からない、阿呆の双璧であった。 『走れメロス』”

  • 走れメロスのために借りてきた。

    芽野の行動はおかしいし、わかってて付き合う芹名もおかしいし、図書館警察長官も残念なタイプ。

    俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ

  • 阿呆学生とか不思議な世界とか、いろいろな森見成分が古典を借りて読むことができます。素晴らしい。

  • 名作5編を、京都を舞台に現代に蘇らせるとこうなった!
    森見ワールドに染まった名作たち…面白いです。
    「走れメロス」以外は元のお話を読んだことがなかったので、知っているともっと楽しめたかも。
    登場人物たちがやはり個性的でユニークで、ハチャメチャだったり不気味だったりする雰囲気にぴったり。
    森見登美彦、新刊出してくれないかなぁ…早く次の作品を読みたい!

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