新釈 走れメロス 他四篇

著者 :
  • 祥伝社
3.63
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本棚登録 : 3339
レビュー : 637
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632793

作品紹介・あらすじ

異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。

感想・レビュー・書評

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  •  有名な作品を現代の京都の学生を主人公にしてみたら……。森見登美彦なので、雰囲気というか作風は安心と信頼のあの感じです。

    *山月記
     元ネタは教科書にも載っているあの虎になった李徴の話。李徴とは違った意味で斎藤が可哀想な人にしか見えなかった。こっちの方が、人間ではなくなったという印象が強い。

    *藪の中
     元ネタは解釈が多発するあの話。元ネタの方は3人が語るどの話が真実なのかが分からなくなったけど、この話は映画を主軸に捉えれば監督が語る話が事実なんだろうけど、でも整合性が取れてないんだよなあ……。

    *走れメロス
     元ネタは胸熱な友情話なんだけど、こちらは愛すべき馬鹿たちの物語。もしかしたらこっちの方が太宰は好きかも?!

    *桜の森の満開の下
     元ネタは山男と美しい女の話なんだけど、こちらの方が男が女に翻弄されて、身も心もズタボロにされている印象がある。

    *百物語
     元ネタは未読。森鴎外の小説らしいので機会があったら読もうと思う。とはいえ、百物語自体は知っているので、ホラー系で終わるのかなと思ったら、大学生活キラキラ楽しむものもいれば、漫然と傍観者で終わるものもいるという対比を鮮やかに描き出していて心が痛い(どちらかというと後者な自分だったので)。F君はもしかして深淵?(邪推)

  • 0150.森見登美彦『【新釈】藪の中』①2017/3/1
    0151.森見登美彦『【新釈】藪の中』②2017/3/1
    0152.森見登美彦『【新釈】藪の中』③2017/3/1
    0153.森見登美彦『【新釈】藪の中』④2017/3/1

    「新釈 走れメロス」 他四篇より

    収録作品
    ①山月記
    ②藪の中
    ③走れメロス
    ④桜の森の満開の下
    ⑤百物語

  • 古典名作をカバーした短編5編。
    『宵山万華鏡』とも絡み合う話もあり。
    森見登美彦氏は4冊目となるが、
    いずれも妖し魔やかし、うっすらと膜が覆っているような。
    阿呆な大学生が闊歩する京都の街は、今や存在するのだろうか。
    阿呆すぎて、すごく憧れる。
    やはり、中島敦の山月記は昔から大好きなので、
    この短編集でも1番惹かれた。
    超越した人間としてリスペクトされる斎藤秀太郎は、
    しかし、己を内から見つめることも出来ず、鬼と化す。
    憐憫さえを感じる彼を、私は大好きだ。憧れる。
    今年の収穫、舞城氏に続き、森見登美彦氏かな。

  • 山月記、藪の中、走れメロス、桜の森の満開の下、百物語の5編の短編を、現代の京都を舞台にアレンジしたパロディ作品です。

    個人的には「走れメロス」が1番読みやすく、楽しめました。
    他の作品は「森見」色が強すぎて少し読みにくかったです(おそらく、森見ファンの人であれば楽しめるのでしょうが)。
    どことなく不思議な世界観の中をさまよう様な読書体験になりましたし、実際に文豪たちの作品を再読したくもなりました。

  • 名作をあそこまでいい意味で馬鹿馬鹿しく解釈できるのは、森見さんの才能だと思う。
    京都中を駆け巡る走れメロス。
    森見さんの他の作品ともリンクしていて、読みながら笑ってしまった。
    メロスもとい芽野があそこまでクズだと、もはや清々しい。桃色ブリーフによって示された友情…うへぇ、遠慮したい。
    桜の森の満開の下は、いつもの作品と違った不思議で妖艶な雰囲気が好き。
    彼は師匠に読ませていた時と売れっ子作家の今と、どっちの方が幸せだったのだろうか。
    そして彼は今幸せなのだろうか?
    元ネタの方も読んでみたい。

  • 森見さんの本を読むのはこれで2冊目。
    凄く文章が好きなんですよね~~
    それに前読んだものと舞台設定は一緒だから、
    話しが違っててもいろんな物がどこかで絡み合ってて、
    またそこが心をくすぐるっていうか。

    昔の文学を今風にアレンジしてるけど、それでもなんか古臭い(笑)

    なんでだろう?京都・大学っていう場所だから??
    でもそこが好きなんです。

  • 山月記の斎藤秀太郎好きです。他の話にちょっとづつ絡んでくるのも良い。
    話の中では、藪の中が1番好き。原作も読んでみたいな。森見ワールド癖になります。

  • 古典的名作の新しいストーリー。
    原作を読みたくなりました。
    走れメロスはちょっとやりすぎ感がありましたがおもしろかった。
    坂口安吾の「桜の森の満開の下」がすごく好き。


    “わけても芽野と芹名とは「詭弁論部に芽野と芹名あり」と自分たちで豪語したほどのひねくれ者で、変人揃いの詭弁論部員ですら「意味がわからない」と口にするほど意味の分からない、阿呆の双璧であった。 『走れメロス』”

  • 一部しか原作を知らないので比較はできないのだから、知らなくとも楽しめる作品だと思う。が、やはり比較したいので、原作を読むつもりだ。どのくらい本作品がかけ離れたものなのか、楽しみである。

  • arucardさんリコメンド

    森見登美彦さんは、同じ大学の同じ学部卒で、プロフィールを読む限り私の数年下だからたぶん在学期間に重なりがあるし、気になっていた作家です。

    で、今回初めて読んでみました。

    文章うまいなぁ、ってのもあるけど、あの大学が舞台だけあって、出てくる地名などがことごとくはっきりと明確にイメージできるものばかりで楽しめた。

    短編集なわけですが、表題作が一番お気に入りかな。

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著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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