ちりかんすずらん

著者 :
  • 祥伝社
3.60
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本棚登録 : 60
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633240

作品紹介・あらすじ

板前だった父は錦糸町のパブで出会ったコロンビア人女性と出奔、彼女の子どもが待つ本国へと旅立った。そして母と祖母、私の三人がひとつ屋根の下に残された。祖母は血は繋がっていなくても、これからもこの家で女三人で暮していこうと提案した。それから七年。旅に観劇にと趣味に忙しい悠々自適の祖母、フットマッサージ店のやり手経営者となった母、そして商社をやめ児童館の指導員として毎日を送る私。私には、IT系広告会社の社長ユウジというフィアンセがいる。安達千夏が描く、女三人家族の日常。

感想・レビュー・書評

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  • 板前だった父は錦糸町のパブで出会ったコロンビア人女性と出奔、彼女の子どもが待つ本国へと旅立った。
    そして母と祖母、私の三人がひとつ屋根の下に残された。
    祖母は血は繋がっていなくても、これからもこの家で女三人で暮していこうと提案した。
    それから七年。
    旅に観劇にと趣味に忙しい悠々自適の祖母、フットマッサージ店のやり手経営者となった母、そして商社をやめ児童館の指導員として毎日を送る私。
    私には、IT系広告会社の社長ユウジというフィアンセがいる。
    (アマゾンより引用)

    なんかいいなぁ。
    この女3人の関係。
    特におばあちゃんとお母さんの関係がすてき

  • 淡々としているのに、あたたかくて、やさしくて、一話一話味わって読めました。とても良い一冊でした。
    ごはんやお酒がとてもおいしそうだし、おばあちゃんの着物の描写もすてき。女系家族の、すてきなお話。
    2016.08.31

  • モルヒネよりずっと良かった。淡々と進むのに会話が奥深い。納得の一冊。

  • 全然期待していなかったのに、読んでよかったと思わせてくれる一冊。
    「ちりかんすずらん」はちりちりなるかんざしのこと、
    収録一作目に表題作がある。

    女三代の暮らしは実は複雑。
    7年前に離婚した母と娘、父の母である祖母……
    時折、母の腹違いの妹が訪ねてくる一家だ。

    物語は
    30を過ぎわたしと、三年付き合ったユウジとの恋物語を軸に
    女三人の家の下町暮らしが描かれる。

    さりげない暖かさとしなやかさで色づけされた暮らしは
    おいしいものも欠かせない。

    こんな風な素敵なおばあちゃんになりたいな~
    しゃんと生きよう、私も。

    次の作品も読んでみよう。

  •  伸ばした手が、相手のからだに届くということ、肩を叩き、じかに目を見て話せることは、格別の価値を持つ。地球の裏側とだって、通信が可能になっているからこそ、逆に、<会える>ことの尊さが分かるのだ、と。
     肌に触れたら、体温を感じる。
     機械を通さない声は、じかに鼓膜を震わす。
     涙のしずくをぬぐってあげることも、おなじ食卓につくこともできる。
    (P.192)

  • のほほんとしたお話。
    祖母、母、娘を中心とし、母の腹違いの妹、鈴や、主人公の恋人と少し不思議な謎のおこる日常が描かれている。

  • 安達千夏もこういう作品を書けるようになったのか、という感想が一つ。
    それから、もう一つ。私は今まで、命は続いていかないほうがいいと思ってきて、それは多分これからもそうではないかと思うけれど、この作品を読んで、命は続いていくんだ、ということがすとんと胸におちた。そして、一般的に幸福だと思われているようなことは置いておくとしても、こういう人生もありなのかな、と不覚にも思ってしまった。続いていく、こういう幸せに納得させられたのは、この作品が初めてではないかと思う。それくらい、穏やかで、優しくて、幸せな話だった。
    そして何より、安達千夏には幸せになってもらいたいと思う。

  • 児童館で働き、超多忙な恋人のいる「わたし」と、やり手経営者の「母」、離婚した父の母「祖母」の女3人所帯での出来事を綴った物語。 

    日常的ではあるけどなかなかシリアスな出来事をとおして、やさしくしなやかで強い3人の女性の姿と絆をみることができます。

    この3人(すずちゃん入れると4人)、明るくて穏やかだけど相当強い。特に「祖母」は憧れてしまう程素敵です。 

    女所帯らしく随所に美味しそうなお料理がでてくるのもいいです。 
    男性はどんな感想をもたれるか想像できませんが、女性にはお薦めの本だと思います。

  •  読みやすい。

     祖母、母、わたし の3人のお話。

  • 久々に‘買い’と思った一冊。

    好きだ。

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安達千夏の作品

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