木暮荘物語

著者 :
  • 祥伝社
3.58
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本棚登録 : 3851
レビュー : 663
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633462

感想・レビュー・書評

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  • 重松清の「きみの友だち」もそうなんだけど、ある話では脇役やただの背景みたいな人物が主役として登場してくるのがおもしろい。脇役なんていない。ひとりひとりの人生にはなにかしら、ドラマがあるんだな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「脇役なんていない。」
      うんうん!
      「脇役なんていない。」
      うんうん!
      2014/11/06
  • ボロアパート「小暮荘」に纏わる人々の、ちょっと風変わりで普通な日常。

    短編の一つは、
    乱歩の「屋根裏の散歩者」のごとく、男が女子大生の部屋を天井から覗く話――と説明してしまえば、「なんて不道徳でエロい内容なんだ!」と顔を顰める方も多かろう。

    だが、そこは流石の三浦しをん。
    絶妙なバランス感覚で、隠微な感じを全くさせない。田舎のオカンよろしく女子大生を心配する男に、呆れながら笑ってしまうストーリー展開だ。

    なにより愉快だったのが、女子大生の長~いメイクアップ工程を見た男が後悔するシーン。

    『君は素顔のほうが綺麗だね』って褒め言葉じゃないんだな…あんな時間かけて化粧したのに『すっぴんの方がいい』とか言われたら、そりゃあ今までの彼女だって微妙な顔するよ…ってか俺がすっぴんだと思ってた顔ってじつは薄化粧だ…

    (笑)
    このあたり、私としては「うんうん」と頷けてしまう内容なのですが。ぜひ男性に読んで頂きたいな。

  • 図書館より
     おんぼろアパート『木暮荘』の住民たちやそれに関わる人々の姿を描いた連作短編集。

     登場人物や話の設定など、各短編のほとんどがどこかずれている感じがするのですが、それがあまりぶっ飛んでるように感じられず、実はこういう人たちってどこかにいるんじゃないか、こういう事件って起こってるんじゃないか、と思わされました。たぶんフィクションと現実のちょうどいい狭間にある小説なのだと思います。

     文体や登場人物の雰囲気から作品全編にわたってほのぼのした雰囲気を漂わせているものの、全体的な話のテーマとしては男と女のなかなかに生々しい話が多いです。でもそれが不思議と下品なところまでいっていない。これも著者がギリギリのラインを分かってらっしゃるのだと思います。

     登場人物たちに人としての暖かみが感じられたのも、話の内容の割に爽やかさを感じた理由だと思います。

     

     

  • 木暮荘というアパートの住人やその周囲の人たちを一人一人主人公にした連作短編集でした。
    ほんわかしたお話と思いきや・・・でした。人間関係、一人ひとりの心内がいろいろ渦巻いてるよ・・・と感じました。老人の胸の内、夫の嘘、妻のどろりとした感情と嫉妬。
    「シンプリーヘブン」の繭と並木の別れの場面、とてもよかったです。
    「穴」の神埼、「ピース」の光子の関係ややりとりが好きです。光子には幸せになってほしいです。「柱の実り」は不思議な話ながら余韻の残る少し切ないお話でした。

  • 木暮荘という古いアパートに住む人、取り巻く人々のお話。短編が7本なので読みやすかった。どの話も少し性に関する表現が入っている。現実社会に有りそうでなさそうな話の数々。

  • 日本人って、性のことになるとちょっと身構えてしまい、食や仕事や遊びなどと同じ視線で語れない国民性があるような気がします。
    だけど、この物語は、人々が普通に食事をとるように、仕事をするように、遊ぶように、性のことも交えた日常生活を切り取っている。ヘンにエロでなく、そうかといって特別扱いするのでもない。そのバランスが気持ちいいです。

  • 絶対あり得ない、はずだけど、神崎とミツちゃんの関係が良かった。
    軽くさらっと書かれているけど、登場人物みんな生きてた。

  • 43:おんぼろアパート「木暮荘」をめぐる物語。ひとつの場所を巡る人々の連作、というのはぱっと思いつくだけでも「終末のフール」や「阪急電車」などがあるのですが、ただのハートウォーミングな話、で終わらないのが三浦さんらしさかな、と思います。下ネタありーの、毒舌ありーの。スパイスのおかげか、メリハリの利いた読みやすい一冊です。どれも好きだけど、「ピース」が抜群によかった!

  • 短編集ですが少しずつ登場人物たちが繋がっているお話です。
    最初の奇妙な三角関係にほのぼのとしていましたが、実際は全編で性と愛が赤裸々に描かれテーマとなっています。
    みんなちょっと変人で、高齢の大家さんですらこの手の物語にありがちな温和なおじいさんではなくセックスをしたいと悲願し少々意固地な性格に描かれています。
    でもみんな読んでいくうちにいとおしくなってしまい惹き込まれてしまう、そんな小説です。

  • 結構デリケートな話なのに、さすがしをんさん、真剣なところにクスッとやってくれます。重くなりすぎない加減が絶妙。大家さんが悶々と真面目に?SEXのことをひたすら考えているのは笑えました。ある意味切実な悩みなんですけどね。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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