佳代のキッチン

著者 :
  • 祥伝社
3.40
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本棚登録 : 416
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633530

作品紹介・あらすじ

失踪した両親を捜すため、お客さんが持ってくる食材で料理を作る「移動調理屋」を始めた佳代。キッチンワゴンで両親ゆかりの地を巡るうちに、一風変わった注文や、ちょっとした事件も舞い込んで…。すべての答えは美味しい料理の中にある?そして謎だらけの両親の行方とは。風味絶佳なロードノベル。美味しいハートフル・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生のときに、突然両親がいなくなった。大人になった佳代は、弟の和馬と、両親を捜すことになった。
    弟は姉の働きで大学まで出て、新聞社に就職している。情報担当。佳代はキッチンカーで、両親の足跡をたどりながら、各地を巡る・・・。
    というだけじゃない、もちろんおいしい家庭料理が出てきます。でも、なかにはビックリするようなものも。
    「いかようにも料理します」というのもカッコイイ。佳代は原則、持ち込まれた材料で、一品につき500円で、リクエストされた料理を作るという、かわった商売をしているのです。しかも、家庭料理だけれど、できるだけ地元の湧き水で調理するというこだわり。行く先ざきで両親についての消息を聞くたびに、自分たちを置いて失踪したことへの怒りだけではない感情が、佳代のなかに芽生えていきます。
    続編を、早く読みたいです。

  • 私の出生地・新井薬師の湧水ではじまる・・・ということで、早速手に取りました。旅&料理をベースに両親探しがテーマ。調理屋の「佳代のキッチン」は全国を旅します。

    訪れる土地の湧水とお料理がホットな気分にさせてくれて、触れ合う人々がとても優しい。

    新井薬師のユウヤくん、文房具店のカミナガさん。横須賀ケンズダイナーのマスター、米兵のジェイク。京都・宇佐美の麻奈美さん、勝彦さん。松江・水名亭のスミばあちゃん、元仲居さんで調理屋になった家坂さん。押上の幼馴染の鉄男、元大家さんの里中さん。盛岡の美加ちゃん、食楽園の二代目。そして北海道のトラック運転手・釜谷さん、函館のタエさん、タクシードライバー・・・。

    1人の女性に手を差し伸べてくれる優しい人たちのステキなストーリーでした。

  • 両親を探すために「調理屋」をしながら全国をキッチンカーで旅する佳代と、行く先々で出逢う地元の人たちとの心温まる話。主人公の仕事が「調理屋」というのが原さんならではな感じ。弟が姉を見守る展開も素敵。でも実は弟は全てを知ってるのではと思ってしまう。続編が楽しみ。

  • 中三の時に自分と弟を残して失踪した両親を探して、ワゴン車でちょっと変わった料理屋をしながら日本中を旅する佳代が主人公。
    両親の消息を掴むごとに移動を繰り返し、その先でいろんな人間関係を目の当たりにする。そり情緒が、料理と合いまって描かれている。

    結局佳代の両親は何故、まだ子供の佳代と弟を捨てるような真似をしたのか。いまどこにいるのか。
    この二つの謎が冒頭から続くんですけど、話が進むにつれて佳代の両親に思い入れが深まると思いきや、そこのところは全く同意できない事情が明らかになりました。
    学生運動というものをよくしらないのですが、それを抜いても、やっぱり子供をあそこまでほったらかしにするのは……。
    その分、大家さんの優しさが身に沁みました。

    各話ごとにいろいろおいしそうな料理が出てきますが、一番心に来たのは第六話「四大麺」の「ラスタ」です。
    ラタトゥイユ+中華麺のことですが、ラタトゥイユおいしそう!
    失業になってもめげない親子の強さにも心惹かれ、この本の中では一番好きな話です。
    一話目の「キャベツの子」で、やや放置気味の子供ユウヤのために親の会社に乗り込んでいった佳代。
    その時の言葉、本当は自分の両親に言いたかったんだろうなってことが、最後まで読んだらしみじみとわかって良かったです。
    二話目「ベア五郎」。ジェイクの健気さに心打たれる。おふくろの味が恋しいという気持ちは国境を超えるのだなと思った。
    三話目の「板前カレー」。和食屋で好き放題する客に最後、ピシッと言ったシーンが良かった。
    第四話「コシナガ」。ばぁちゃんの親としての想いと経営者としての誇りに感動。
    第五話「井戸の湯」。親の因果が…みたいな話で心に痛かった。寿司の天婦羅、食べてみたい。

    感想を書こうと思ってブクログ検索したら、続編が出ているとのこと。見つかり次第読みたいと思います。

  • 移動厨房車に食材を持ち込めば、希望するメニューを一品500円で作ってくれるという「佳代のキッチン」。
    設定はなかなか面白い。
    確かにそういうお店があれば、需要はありそう。
    いろんな場所に行くと、その土地によって喜ばれる看板メニューが異なる様子が面白いなと感じた。
    そして移動する場所場所で佳代のキッチンの存在が、お客さんの人生にほんの少しずつ影響を与えていくのが素敵だった。

    軸になっている「中学生の頃にふいに出て行ってしまった両親探し」という内容は、読み進めるほど両親の行動が理解不能!
    結局、それでいいんだろうかというモヤモヤ感が残ってしまった。

  • 佳代のキッチンシリーズ 第1弾

    第1話 キャベツの子
    第2話 ベア五郎
    第3話 板前カレー
    第4話 コシナガ
    第5話 井戸の湯
    第6話 四大麺
    最終話 紫の花

    中学生の時に失踪した両親を探して、調理屋としてキッチンワゴン車を運営する佳代。

    新聞記者になった弟・和馬とともに、両親が足跡を残した新井薬師から、横須賀、京都、松江、押上、仙台、ニセコと奔走する。

    その土地で出会った人と交流し、騒動に巻き込まれながら、両親の人となりを心に刻んでいく。

    佳代の旅は果たして終わりを迎えるのだろうか。


    満を持して読んでます。
    絶対面白いと思ってたから。
    次作楽しみです。

  • 好きな部類の話でした。軽ワゴンの移動料理屋で全国を回りながら、行方不明の両親を探す佳代。滞在地での人との関わりと料理と両親の足取りと考えがいい具合にミックスされてました。

  • 調理屋という不思議な仕事を続ける佳代
    料理 調理 食べ物って 不思議な魅力があって
    関わる人を 幸せにしてくれる
    グルメとか 食通とかじゃないけど
    美味しいって言うことが出来る人生を
    歩んでいきたいなぁ
    というような 1冊でした。

  • 両親を捜し求めて全国津々浦々旅をしている佳代さん、食材を持ち込んでもらえれば、無骨な漁師飯から肉じゃがなどのお袋の味、もちろん洋食もイタリアンだって作っちゃう!
    湧き水が汲めるところで営業するこだわりもあって、近くにあったら通っちゃうかも。

    いくら両親探しとは言え、若い女の子が一人で車中泊!かつ自分の腕一本でやっていくって中々に厳しいと思う。(住所不定、無職ではないけど定職でもないわけだし…)
    けど、そこは物語だから突っ込まないし、突っ込んで厳しい現況を書いたら、こんなにやさしい物語にはならないので許容範囲です。

    結局両親捜しの目的は達成されず。
    曖昧な結末にしているのは賛否が分かれそうだけど、見つかった結末にも見つからなかった結末にも私としては納得できなかっただろうから、これで良かったかな。

    両親捜索を続けるためだけに始めた調理屋を最後には自分の仕事にすると決めた佳代さん。
    各地でその土地の人に出会い、料理に出会って、変化してった佳代さんが素敵です。

  • ある目的のため、ワゴン車で仕事をしながら全国を旅している佳代。料理の素材を持ってきてくれれば一品500円で調理するというスタイルが、時間のない家庭などに人気が出てはその地を去っていく佳代。彼女の目的は……。
    日常の謎もありつつ、全体としては大きな謎を追っていくというスタイルで、楽しく読めました。おいしい料理は、人を笑顔にするちからを持っていますね。面白かった!

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。鋭い風刺とユーモアで描く独特の作風で話題に。07年、ある書店員の熱心な応援で、2001年に文庫化した『床下仙人』がブレイク。09年、グルメのホームレスが人助けをする人情小説『ヤッさん』が、15年には『握る男』がベストセラーになるなど、時代を超えてヒットを連発する人気作家。

「2019年 『星をつける女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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