くるすの残光 天草忍法伝

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 228
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633561

作品紹介・あらすじ

寛永十九(一六四二)年の春、天下泰平のお江戸は活気あふれる下町の貧乏長屋に、ひとりの少年が現われた。寅太郎という名の少年は植木職人の仕事を手伝いひっそりと暮らしはじめるが、彼は大きな使命を抱えた島原の乱の生き残りだった。それは、主・天草四郎の復活と理想の国造りを成し遂げること。そのためには、徳川幕府を裏で操る怪僧・天海が持ち去った七つの"聖遺物"を奪い返さなければならない。だが、幕府は闇の精鋭"閻羅衆"を率いて、大がかりな切支丹狩りを進めていた-。異能の忍びたちの秘術を尽くした死闘の行方は?不思議な力を放つ聖遺物を手にする者は?傑作時代ファンタジー登場。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞にチラっと紹介されていた本。表紙と忍びにひかれてタイトル借りました。

    島原の乱後のキリシタンの人々と幕府との戦いの話。
    天草四郎の一部を受け継いだ人達が…という少々小難しいかんじだがオモシロかった。
    次巻も読みたい。

  • 表紙買いです。面白くないわけではありませんが、この内容ならラノベでいいかなと思ってしまいます。実在しない人物の歴史物はこれが初めてだったので、歴史×ファンタジーが好きであれば楽しめると思います。

  • 天草四郎が神で、彼の残した聖なる遺物を持つと、欲望が叶うため政府に奪われてしまう。天草四郎に超能力を授けられた主人公の少年をはじめ、残された隠れ切支丹たちと政府の殺し屋との戦いの物語

  •  時代は江戸、寛永十五年二月、九州島原の海は戦場となっていた。敗色濃厚であるなか、天草四郎時貞は若者に゛種゛を授ける。そして江戸で仲間たちと再起せよと言葉を残した。
     四郎のもとにあった聖遺物「荊冠」「三本の錆びた釘」「蛇紋の長槍」「小櫃」「瑠璃の杯」「血染めの布」「白木の十字架」は、幕府の征討軍が奪い江戸に運ばれた。生き永らえた少年は、同じく残った志を一緒にする仲間たちと、復活に向けて活動を始める……。

     島原の乱の後の時代を舞台にした創作の話です。残されたキリシタンたちが、江戸でそれぞれ不思議な力を使って幕府の者と戦う、史実を基にしながらもファンタジー的な部分があります。登場人物がそれぞれ萌え要素あり(笑)。

  • 最初はいろんなところの話が飛び飛びでよくわかっていなかったけど、後半になるとその話が全部繋がってきてとても楽しかった!!
    寅太郎かわいい!

  • 島原の乱で殺害された天草四郎復活のため、敵に奪われた聖遺物奪還を目指して修道騎士たちが奮闘する話、ということで手にとってみた。題材は非常に興味をそそられたが、意外とパンチが弱かった。まだまだ序盤というのもあるだろうが、敵組織が複数あるせいでそれぞれの存在感が変に分散されてしまっているというか、ラノベ的な派手さだけが目についてあまり重みを感じないというか……しかもこのパターンで毎回誰か一人が××してしまうとしたら、そのうち飽きてしまう恐れがある。次巻でうなれるほどの魅力があるといいのだが……。

  • ほぼジャケ買いΣ(ノ∀<〃)
    この表紙、かちょいいよね~。

    ■ ■ ■ ■ ■

    お話は『島原の乱』後日譚。
    と言う感じで帯に書かれてたわ~。
    ぃや~ぶっちゃけ騙され感、パないわ~。w
    歴史小説期待してたら、幻想小説?
    そうねぇ。
    文章も平易だし、私がもし中1くらいだったら面白く読めたかも。
    中高年にはちょっとキツいかな。

  • なんだか人がたくさん出てきて話がごちゃごちゃに感じた(--;)次の巻で落ち着いてくるのかな? 読み始めは里見八犬伝のイメージがした。「千里伝」で挫折して、この話でも挫折しそうな予感…「僕僕先生」は大好きなんだけど♪

  • う~ん、普通。
    読んだ後に評価を見たけど、低いのに納得。
    なんか文章がわかりにくい。画を妙にイメージしにくい文章かな。
    同じようなジャンルを書く大御所さんがいっぱいいるけど、それと比較してしまうと、どうもインパクトが弱い。
    題材は悪くないのにもったいない感じ。いっそのこと文章もキャラも「ラノベ」調にすればウケるのかも・・・

  • 最初の数ページで覚悟したが、本当にかけらも面白くなかった。
    ファンタジーというよりRPGみたいな感じ。読んでて人物が全然見えてこない。ただ敵が現れて倒して~と、話だけが進んで行く。

    千里伝といい、なんでこんなのがシリーズ展開出来るのか不思議。

  • 天草四郎の遺した七つの聖遺物を巡る幕府側と切支丹側の闘い、らしいのですが市井の人々の暮らしが穏やかで血生臭さとか殺伐さは殆ど感じられずに読めました。
    聖遺物も一つしか登場しないので以下続巻!と言うことでしょうか。

    帯で煽られる閻羅衆とか天海和尚は冒頭少ししか登場せず。
    帯を読んで読み始めるとあまりにも中途半端な状態で終わるので「あれ?」って気分になってしまいます。

  • 天草四郎の聖遺物をめぐるエンターテインメントの時代伝奇小説。ってところでしょうか。キリスト教の「七つの大罪」に絡めてか、聖遺物は七つあるようなので、順調にいけば七巻くらいは刊行されるのかな?まだ開幕したばかりですが、続巻も愉しみになりました。

    原城で天草四郎の傍近くにいたら、いくら子供といえ問答無用で一刀両断だったろうな。とか、切捨て御免の時代に「無辜の民」の命ひとつ、斟酌するほどお行儀のいい悪役はいないかもよ。とか、いろいろ思うところはありましたが、そういう雰囲気の話ではなさそうなので、置いておこう、と思います。
    できれば「魔界転生」をぶっちぎって、仁木さんの新しい伝奇小説を読めると嬉しいよね。

    (寅太郎くんが「ぼく」っていうのは、どうなんだろう。間違ってるとまでは言いませんが、「はい?」って二度見するくらいの違和感はあったな)

  • う〜ん、普通。
    読んだ後に評価を見たけど、低いのに納得。
    なんか文章がわかりにくい。画を妙にイメージしにくい文章かな。
    同じようなジャンルを書く大御所さんがいっぱいいるけど、それと比較してしまうと、どうもインパクトが弱い。
    題材は悪くないのにもったいない感じ。いっそのこと文章もキャラも「ラノベ」調にすればウケるのかも・・・

  • 仁木英之という作家は良い意味で卑怯だ。
    もっと読みたいという欲求が一番湧くタイミングで綺麗に話をまとめている。
    シリーズ物で続編があると知らなければ消化不良に終るのだろうけど、知ってる人間からすれば、「はやく次も」となるね。

  • 忍法・忍術より庄吉・たま・寅太郎をはじめとする人々の心のうごきを--というのはわかるけれど、すべて中途半端な気がした。

  • 僕僕先生のイメージで読んでしまうせいなのか、イマイチしっくりこない。続編を出すのかわからないけど、きっちり終わっていない。

  •  島原の乱後の江戸、植木職人の庄吉は、大家の仁兵衛に頼まれ、14、15歳の少年寅太郎をあずかる。寅太郎は、島原の乱で家族をなくし、遠縁の仁兵衛の元へ来たのだと言うのだが…。

  • 思っていたのとはだいぶ違った…。
    歴史ものかと思っていたらファンタジー(?)だったのねぇ。
    しかもこの終わり方は以下続刊?

    とりあえず女の人が強くて素敵でした。

  • 主役は「たま」さんだね。

    かっこいい妻でありお母さん。

    全部集めてないよね、天海とも戦ってないよね・・・。
    続くのかな??

  • 設定はすごく好きだし町人の話も好みなんだけど、戦闘シーンが読みにくかったな。

  • 詳伝社の為にちょっと変わった仁木さんの忍者もの?~安倍川町の裏長屋に住む植木職人の庄吉は伊勢長島で一揆の煽りを受けて類縁を失って江戸に出てきたが,江戸っ子振りを発揮して喧嘩っ早い。ほろ酔いで長屋へ帰る道で女博徒のいちと出会い,向こうからやってくるかぶき者が気に入らず喧嘩を買うが手に負えず,いちの釣り独楽や同じ長屋の住民で人形遣いの佐七のおゆきや浪人の荘介に窮地を救われる。大家の仁兵衛に家賃の催促されるかと思ったら,植木職に島原から来た寅太郎を見習いとして雇えと云われる。仲間とうち解けない寅太郎に引導を渡した老中・青山家の庭で枯れそうになっている松と会話ができると寅太郎は云い,実際に松は生き延びた。長屋に際物屋の雷蔵が久し振りに帰り,大家が宴会を開く。身体に触れられるのを極端に嫌がる寅太郎を養子としようと庄吉は妻のたまに相談するが,子の産めないたまに異存はない。島原の乱に後詰めで参戦し,南部隠を遣う浅草御蔵奉行に転じた大舘義之の屋敷に,雷を操る賊が侵入しそれを撃退しようとする泥をあしらい,縮地の業を遣う頭の分丸も心配の種ができる。大舘は20万石を預かる者であるが,豪商と組んで私腹を肥やしているのは隠も承知だ。天草・島原の乱で雷の業を遣う者がいたのを思い出し,探索を始めた矢先,庄吉と寅太郎が仕事にやってきている最中に,2尺あまりの人形が忍び込んで豪商との密約・天海から預かった耶蘇教の主・天草四郎の許から運んだ秘宝・荊の宝冠の受け取り証が入った手文庫を庄吉の懐にねじ込んでいった。取り戻した大舘はたまが夜分ひとりで家を出たところを襲い人質とし,護衛だった雷蔵と泥の一騎打ちを仕組んだ。四郎の妻・まりあを受け継いだ大家の仁兵衛は奉行所に訴え,証拠として手文庫の書面も提出する一方,雷蔵が討ち取られ,たまを救出するために,蔵奉行の役宅襲撃を謀り,決断したのは四郎の種を受け継いだ寅太郎だった。寅太郎は,その身体に触れた者に種を仕込んで,芽を出させ,真っ赤な花が咲く時に人の血をすべて吸い上げてしまうものだった~うーむ,慣れないな。僕僕先生ものと随分違うからさ。何にしても,判りにくい。天草四郎に関係した物語はかずかずあるが読んだことはなく,そんなに興味関心を持てない。キリスト教自体に力を感じないからで,仏教の方が多少の親密感があり,それよりも中国の神仙思想に惹かれる。これがシリーズ化されないと,謎は解明されなくて,すっきりしないが,やがて天草四郎が復活する(又は復活させるのを諦める)まで我慢できるだろうか。まあ,庄吉とたまの夫婦が善人で,寅太郎が良い子(15を過ぎていると若者だろうけど)なのが救いではある

  • 悪くないんだけど…まさか続くとは思わず。
    天草四郎側と、幕府側とに分かれるんだけども、しばらくどっち側についたらいいか判断できなく(個人的に白黒はっきりというか、主人公に肩入れして読みたいので…)、多分今作では天草四郎のほうが主役なんだろうけど、当然キリスト教だし、どうもダークサイドな部分が多いし。スッキリしない。
    とか思ってるうちに以下続刊!みたいな感じで。

    次出たら読んでみないことには…

  • 「あなたの種がほしい」にそわそわしちゃうようなフジョシ脳ですみません。序盤はこれからどうなるんだろうとわくわくしたものの、途中からはいろいろ見失った。残念。

  • 伏線が回収しきれていない感じが・・・。
    “閻羅衆”も大して何もせず終わってしまいました。
    ・・・もしかして、続くとか?

  • 島原の乱を率いた少年、天草四郎が死ぬ間際に「自身が復活するまで艱難のときを耐えよ」と遺した宝と力。
    彼の遺志を継いで江戸に集った四郎の「修道騎士」たちと江戸幕府との戦いを描く、時代物ファンタジーだ。
    どうも話が中途半端なところで終わっているから、どうやら続きがあるようだ。
    ケレンの強いいかにもなキャラクターたちの濃さが、いまいち「切支丹」や「天草四郎」というモチーフを飲み下せていないようで、なんとなく物足りなさが残った。

  •  ほぼタイトル通り。天草四郎の遺物の力によって超人的な力を得た陰の者たちの戦いが…。
     物語の立ち上がりがゆっくりだったのと、登場人物に最後まで感情移入できなかったのとで、お話にいまひとつ入り込めなくて残念。
     意味ありげに登場しながら何もしなかったキャラクターも数人いたから、シリーズ化が前提なんでしょうね。

  • 忍のばっさばっさの戦いを期待してたからちょっと雰囲気は違ったかなぁ。
    でもたま・庄吉夫婦と寅のやりとりがほんわかしてて好き。
    表紙に反して寅は少し幼いかんじだったかな。
    ラストは案外盛り上がらなかったけど、続きが気になることは気になる。

  •  サブタイトルに「天草忍法伝」と記載されていたので、山田風太郎の忍法帖の流れをくむものか?と期待して読み始めた。

     島原の乱から逃れた切支丹忍者と幕府方(主流ではない)の忍者の戦いでは、確かに風太郎系の忍法が現れるが、凄惨な一対一の殺し合いが続いていくというものではない。

     島原の乱を鎮圧して徳川300年の礎ができた時代の、武力による覇権から権力を背景とした知力・財力での覇権への転換期に、純粋武力で生きてきた忍者達が自らのワザを生かすチャンスに打ち震えながら戦いに突入していく。

     しかも忍法比べだけではなく、一般人として登場する長屋の植木屋夫婦が存在感を増してくるところが良い。

     ただ、幕府方の忍び(服部系?)の話がちらっと出てくるが、この忍びは話だけで終わってしまい、三つどもえの戦いはならない。そうなったらもっと奇想天外になったかも知れない。まあ、話をまとめるにはこんなところかもしれない。歴史を無視するわけにはいかないからなあ。

     風太郎忍法帖とはまた違った意味で楽しめた。今後に大いに期待したい。

  • 完結じゃないよね? 続きあるよね?(笑)
    アフタヌーン…か、月刊少年誌(厚いやつ←具体的に誌名が思いつかないらしい)でコミカライズされても面白いかな、と思ってみた。

    しかしきよ(痣。ツンデレ)は亡くなったのか?

  • 天草四郎の遺志を継ぐ少年と忍びの物語。
    ライトな時代物って感じで期待したんだけれど、敵との対立関係もはっきりしないし、文章も読みにくかった。話は続きそうだけれど、もういいかも。

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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