南極風

著者 :
  • 祥伝社
3.49
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本棚登録 : 130
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633981

作品紹介・あらすじ

"光の山"が人生を奇跡に変えた!決死の生還を果たした男を待っていた思いもかけぬ殺人容疑-NZ随一の名峰アスパイアリングに鎮魂と再生への祈りが谺する。

感想・レビュー・書評

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  • 現在進行形の裁判と回想の雪山でのシーンが半々。雪山をこんなに長々と書く必要があったのか。もっと裁判中心で進めてくれれば、終盤あっけなく終わることもなかったのに。

  • お得意の山岳小説に、法廷要素を加えた作品。
    不当な疑いをかけられたのはなぜか、という点も興味がわくが、何より魅力なのは、山岳小説の部分。
    アスパイアリングの魅力。
    息ぴったりのメンバーによる、一体感。
    登山の楽しさに魅せられ、アクシデントからの難局にはハラハラ。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-e33c.html

  • ニュージーランド.アスパイアリングでの山岳遭難事故。ツアー会社の社長を含む5名が死亡する。副社長の森尾が保険金詐欺と未必の故意の殺人容疑で逮捕、起訴される。検察による取り調べと森尾の山での行動が交互に語られる。自分の命を犠牲にする覚悟でツアー客を守るための勇気ある行動に感銘。一方、検察の組織としての不利な証拠の隠蔽が明らかになり、ツアーの生還者のひろみなどの証言が控訴審を有利に導く。山岳小説と法廷ミステリーを融合した作品に読み応えを感じた。サザンアルプスに吹く南極風が森尾とひろみの明るい未来を感じた。

  • 2016 9 20

  • 2015_03_25読

  • 笹本稜平の小説には悪人が登場しない。いや、主人公を貶めようとする人はいるんだけど、主人公の周りの登場人物がみんないい人なんだよね。出来すぎだろうと思ってしまうくらい。

    でも、やっぱりいい話だし、山を舞台にしたというだけで評価は甘くなる。登攀シーンの迫力や心理描写などはさすが。そこがちゃんと描けているからこそ生まれるリアリティ。

  • 2013/12 いいんだけど描写が説明チックで今ひとつ。笹本さんの小説、「太平洋の薔薇」や「グリズリー」みたいなワクワク感のある小説出てこないかなぁ。

  • 遭難者を出したところの描写が、少し弱いような気がするが、山の描写と検察側とのやり取りが、それを余りある迫力がだされている。面白かった。

  • 登山ベースとした裁判もの。ハッピーエンドだが、最後走り過ぎ。

  • “光の山”が人生を奇跡に変えた!決死の生還を果たした男を待っていた思いもかけぬ殺人容疑.....
    NZ(ニュージーランド)随一の名峰アスパイアリングに鎮魂と再生への祈りがこだまする・・・・・以上表紙の帯から引用

    主人公は友人のツアー会社を手伝う山男、森尾正樹
    いい作品だ。この作者の山岳ものには定評があるが本作も勝るとも劣らない
    山の描写がみごと、その荘厳さが読み手に確実に伝わってくる
    遭難の模様もつぶさに描かれていて、その迫力に圧倒される

    思いもかけぬ訴追を受けた主人公が取り調べを受ける場面は読んでいてもつらい
    背後でうごめく黒い影の気配が不気味、果たして・・・・・

    ぜひ一読をお薦めしたい、いい本です

  • NZのアスパイリング山をこよなく愛する森尾。クライミングツアーのインストラクターとして クライマーを安全に導く。どんな危険な状況でもベストを尽くす。 そんな森尾に殺人の疑惑。裁判で戦う事になる。何事も人に対して最大の献身をすれば味方を作り、時には敵をも味方にできる。
    残念ながらいつもよりグッと来るものが無かった。次回作に期待する。

  • 唐揚げ(美味しいもの)+カレー(美味しいもの)=唐揚げカレー(すっごく美味しいもの)みたいになれば良かったのですが、そんな風にならなくて残念でした。
    山岳部分と法廷部分がどちらも、いまいちラストがしまっていなかったです。それまでは良かったんですけどね。

  • ニュージーランドのアスパイアリングの話。商業登山。無実の罪。未必の故意。
    登攀メインではなく、尋問と登山が半々交互に進む。

    ちょっと終盤は御都合主義なところがあったかな。
    解決してないのに残り頁が減るもんで尻切れで終わるかと思った。

  • 登山シーンと尋問シーンが絶妙なタイミングで繰り広げられ息をつく暇もなかったな。裁判のやり取りは手に汗握る?ラストの急展開に少しだけ拍子抜けしたかな。

  • #読了。登山ガイドの森山は落石事故に見舞われ、ツアー中に5人の遭難死者を出してしまうものの、残り3人への決死の救出を称えられヒーローとして帰国する。しかし、1年後何者かの告発により殺人容疑で逮捕されることに。山岳+法廷モノとでいえばいいのか、最後まで詰め込み感がなく読めた。

  • NZでガイド登山に携わる主人公はとあるツアーで自然落石による死亡者を出しながらも奇蹟の生還を果たすが、殺人容疑で検察に起訴されてしまう。今まであまり陽の当たらなかった「検察の闇」は非常に興味深く、登山シーンもリアルで迫力満点です。それにしても、つくづく日本の官権は腐ってやがるんだなぁ。冤罪がなくならない理由がわかるような気がします。

  • ニュージーランドの明峰アスパイアリング。
    海外登山ツアー会社を友人と営んでいた森尾は
    この山で客3名とスタッフ2名を失った。
    自らも決死の生還を果たした彼に
    思いもよらぬ容疑がかけられた。

    登山の道程と検察の取り調べが交互に語られていく。
    そのため事件の全容がなかなか見えずもどかしかったが
    その割に決着が呆気なく感じた。

    【図書館・初読・11/15読了】

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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