- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396634315
感想・レビュー・書評
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多くのキャラクターが、間接的にではあるが、戦争によって死んでいる。すなわち、菊原の自殺の一因は戦争の記憶であるし、原爆の所産たる十字架は遥子、金森及び仁科を白血病にして死に至らしめ、しかもまりえを白血病にすることで石曾根と澤柳の死を惹起した。このように、彼ら全ての死が戦争によって引き起こされたと言える。
とすれば、本作における原罪とは戦争を言うと理解されよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふたつの時代を行き来しながら紡がれる、重厚な読み心地の社会派ミステリ。臓器移植・骨髄バンクなどの問題とそれぞれの人々の想いがなんともつらくて切ない。
……けれど実際のところは、「そこまでしなくても!」と思ってしまうんだよなあ。やはり戦時をともに生き抜いた人たちの連帯感というのは一風違うものなのかな。 -
1月-9。2.5点。
謎の殺人と、白血病の女性を救うための骨髄バンクの話が、
パラレルで進む。
刑事の過去、確執、バブル期、地上げ、戦争、
などなど、盛り込み過ぎ感が。
意外と読みにくかった。専門用語も多いし。
いまいち感情移入できなかった。 -
う〜ん…
そこまで?という感じだし、
四月朔日教授が最後まで苦手でした。 -
2014.5.11文章がこなれてなくてすごくよみにくかったが、最初の死体遺棄事件が最後、ここまで繋がるか!に普段は無理を感じるのですが不思議に、素直に読むことができました。
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過去の事件と結びついていた。
あれもこれもつながっていくところはちょいと出来すぎな気もするけど、楽しめるからヨシとするかぁ。 -
重厚な雰囲気は嫌いではないのだが、戦争、自己犠牲、信仰、難病を都合よくつなぎ合わせたような終盤が興醒めであった。
作者にとって何が「原罪」だったのだろう。