虹猫喫茶店

著者 : 坂井希久子
  • 祥伝社 (2015年4月9日発売)
3.85
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  • レビュー :37
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634643

虹猫喫茶店の感想・レビュー・書評

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  • 『すべての猫が虹の橋で、愛する人と再会できますように。。。』

    この帯からイメージしたものとは違って、登場人物がユニークで、
    時に苦笑いしながらも楽しく読めました。

    医学部に落ち、仕方なく獣医学部に入学するも、動物愛のかけらもない(笑)翔が、
    「喫茶 虹猫」でバイトを始める。

    ”猫の世話をするだけの簡単なお仕事”だったはずが…。
    猫を猫ちゃんという人種…(はい!ここにもいます・笑)に巻き込まれ…、
    抜き差しならない状況に追い込まれ…
    ついに動物愛に目覚めていく物語。

    神奈川県の形が、横向きの猫にしか見えないほどの猫好きで、
    「猫カフェではありません。猫を商売道具にするなど言語道断。
    ここにいるのは里親募集の子たちです。」
    と言い切る、猫愛凄まじき店長のサヨリ。

    そして猫ちゃんのネーミングが、とっても愉快!
    デブ猫ちゃん=豚丼
    鼻の下にヒゲ模様=ソウセキ
    鳴き声が名古屋のおばちゃんみたいだから=ナゴヤ
    あはは~。

    サヨリさん、私の中での配役は杉本彩さん。
    以前から地域猫の活動を続けていらして、
    「ペットショップではなく、ぜひ里親を待ち続けている子を引き取ってあげてほしい」
    との発言に、深く共感しています。

    それにしても、昔はもっと地域のねこちゃん、わんちゃんに優しくて、寛容だったと思うんですよね…。
    正直言って、この本の中にも彼らの過酷な運命が書かれていた箇所があり、
    じっくり読めずに、逃げてしまった自分が情けないのですが・・・

    「虹猫」の子達が、もらわれていく場面は少しホロリ…。
    このままサヨリさんのところで暮らせたらいいのに…なんてね。
    でも、サヨリさんの厳しい里親条件に合格した人にもらわれていくんだから、
    絶対大丈夫、幸せになれる!

    共に暮らした家族に愛されて旅立った子達はみんな、
    虹の橋のたもとで、その人を待っていてくれるのだという。
    そして私自身、それを固く信じているのです。

  • この喫茶店の名前の由来がすばらしいですね。

    私が天寿を全うし、向こうから迎えがやって来たときに
    ちょっと寄り道させてもらい、
    私と共に暮らしてくれたあのコたちに
    必ず会いに行こうと勝手に思ってます。

    そう、元気でやっているかの確認と
    「ありがとう」のひと言を伝えに。

    会いにいかずとも、みんな虹の橋のたもとに
    集合してくれているのかしら?
    いっぺんに、抱きしめられるのか…
    誰が1番最初か決められないもの。
    そんなことを心配してしまいました。

    虹の橋のたもとで、待つ相手を猫たちに探してあげる。
    そんな全く猫寄り目線の喫茶店に
    バイトで関わり成長していく獣医のタマゴのお話。

    フォローさせていただいている方のレビューで
    読みたいと思い、手に取りました。

    登場人物がみんな個性的。
    もちろん登場する猫たちも、キャラ素敵です。
    (うちの相棒猫は『豚丼』似ですね。
     サバトラ柄でないだけであとはかなり…)

    猫ってホントすごいですよね。
    何も関わらないような顔をして大事なことを教え、
    わかるようにそちらに導いてくれる。

    翔くんの人間的成長に、心が揺さぶられます。
    全然動物に興味がなかったのに、
    沢山のいのちと向き合い、
    短期間のうちに獣医として一番大事な部分が
    ひとつひとつ積み上げられていきます。

    猫との関わりの延長線上にある人間との関係。
    自分から関わろうとしなかったはずなのに、
    いい距離感や相手の気持ちに近付くコツを
    いつの間にか身に着けてしまう翔くん。
    (私も見習いたい…)

    これからも翔くんと共に、虹猫に集まる人や猫を
    一緒に追いたくなる一冊です。

    思ってた以上に、揺さぶられるものありました。
    地域猫のこと、産ませる選択
    去勢・避妊手術のこと。

    私の相棒猫も去勢済み、完全室内飼いですが
    ここまで来るのにいろいろ悩んだこと、
    思い出しました。

    正解がない問題ですからね。
    これからも何かあれば請け負って、悩んで行こうと思います。

    好きな作品に出会えました。
    読みたくなるレビュー、どうも有難うございました。

  • 推定8ヶ月くらいの捨てられた猫をうちで飼うことに決めた。去年のことだったけど、メスだったので避妊手術しないと。と決めたけど、本当に手術していいものなのか…。とても悩んだし迷った。動物病院の先生も相談した。そしたら「もちろん避妊手術しないといけませんよ。そして室内飼いです。」とのお答え。でも先生は最後にぽつりと…「…本当は外でのびのびしてる姿が自然なんですけどね…」と。その時、“あぁ…こういうプロの獣医でも葛藤しているんだ”…と本音を聞けて手術にふみきれました。


    ひょんなことから虹猫喫茶店でバイトをすることになった主人公。と、そこに集まるメンバー。


    一見ハートフルにみえるけど、その中に重いネタがサササッと入り込んでいて、そのあたりはさすがだな…と思った。ところどころ泣きそうになってしまった。


    その反面、人間関係がわかりにくくって、ちょっと悩んだ。ネタ盛り込みすぎかなとも感じた。でも読んだ直後、素直に続きが読みたいなぁ~と思った。


    「アイ」と「タイ」で“あいたい”になるあたりは、見事すぎてしびれた。ひととひと、ひとと猫の絆の物語。

  • 内気な大学生が選んだバイト先には、勝気で猫贔屓な喫茶店の美人店主がいた。彼女に命ぜられるがまま彼が行かされたのは、訳ありの猫屋敷…!

    猫好きな人はもちろん、そうでもない人にも楽しんでもらいたい、人と猫、人と人との愛情があふれたとてもぽかぽかさせてくれる物語です。軽くユーモア交じりでつづられているので楽しく読めますが、多くの猫が保健所で処分されているなどという厳しい現実にも触れ、けして猫萌えだけでない猫への理解に満ちた内容だと思いました。

    引きこもりに近い状態だった主人公が、徐々にコミュニケーションを他人と取り出していき、親や周りの人々に打ち解けていくのも自然な流れで読めますし、他の一癖ある登場人物たちもイキイキとしていて会話やエピソードもそれぞれ切なかったりほんわかしたりで、温かさをたくさん感じたお話でした。

    といいつつも、やっぱり一番の魅力は猫!です。かわいい、そして気高い。素敵。

  • 一浪の末、志望していた医学部を諦め獣医大学に入学した『玉置』。大学のアルバイト情報で見つけた『喫茶・虹猫』を訪れる。それは猫を世話をするだけの簡単な仕事だった・・・はずなのだが。


    人間より猫が大事な喫茶店の美人オーナー、地域猫活動家に猫屋敷のおばあさん・・・など、癖の強い面子がそろう。
    猫を守ろうとしているのは同じなのだけれど、それぞれに主義主張がありぶつかってしまう。それぞれに理はあると思うけど、どのやり方でもやはりモヤモヤは残ってしまう。命の問題だし、結局は人間の都合なのだから。言い始めれば、犬猫はまだ守ろうとする人もいるけど、元はペットだったとしても、ノラなら同じ野生のネズミは?カラスは?と考えちゃうんだよね。飼うなら責任を持ってというのは当然として。
    でも正直言って、私が子どもの頃は猫は放し飼いが基本だったし、近所には飼い・ノラを問わず猫の姿を見るのは普通だった。家に入ってくることもよくあったし、それこそ飼ってたインコをやられたことだってある。
    猫のいない通りはなんだか淋しい。世知辛い世の中になったもんだと少々思ってしまう。
    ああ、最後になっちゃいましたが、玉置君と鈴木君だか佐藤君だかが友達になれればいいな。

  • これを読んだら、あらためて生半可な気持ちでペットを飼っちゃいけない!と思った(-""-;)獣医学部の一年生の玉置翔がアルバイトに選んだ先は喫茶 虹猫(^^)猫の世話をするだけの簡単なお仕事のはずが大変な事に!Σ( ̄□ ̄;)猫を通して生き物の大切さ、人の身勝手さを学んで成長した翔の今後が楽しみ♪きっと良い獣医さんになるんだろうな(*´-`)

  • 坂井さん初読み。医学部受験に失敗し、仕方なく獣医学部に学ぶカケル。「猫の世話をするだけの簡単なお仕事」という募集文句につられ、とあるバイトに応募するのだが…。登場人物たちのキャラが立っていて(猫も含めて)、小気味良いユーモアに溢れているので、アニメにしたら面白そう。野良猫の殺処分やら地域猫の避妊手術やら少し重たい問題も盛り込みつつ、全体のトーンは明るく読後感も爽やか。猫好きだけど、神奈川県の形が猫に見えたことはなかったなぁ(笑)。

  • ほんわかした話かと思ってたら、青年の成長記で面白かった。猫が愛らしく描かれていた。

  • この本の帯に惹かれ、手にしてしまったがために買う羽目になった。
    いままでも猫がらみの本などを手にしたことはあるものの、こんな形で購入することなんてなかったのに・・と思いつつ自宅に帰り早速開いてみた。

    初っ端から爆笑した内容になっていた。著者は現在38歳になるが、とても若々しいと思わせる文体と描写に驚いた。小説はあまり読まないが、なぜかとてもとても引き込まれてしまう。果たして帯に書かれていた、『すべての猫が虹の橋で愛する人と再会できますように・・』というほどおセンチメンタルチックな内容なのだろうかと、ふと思ってしまった。

    登場人物は分かりやすい。
    "人間"の医学部に行きたかった大学生の玉置翔は福岡県出身で、特に行きたくもなかった"動物"の医学部にはいってしまった。突如、舞い降りたお姫様、通称桜子ちゃんはなぜか佐賀県出身(うん!いい設定だ)の天然には、イラッとくるのは私たち世代だろう(笑) そして主人公というべき、虹猫喫茶店のオーナ、美人だが口が悪すぎるサヨリさん。玉置くんより10歳以上年上だ。その間に割り込んでくるのは、近所の獣医師相田。桜子ちゃんからみると素敵なおじさま枠。そして彼らを取り囲むようにいろいろな人が絡んでくる。特にねこ屋敷のボケ婆さん、おもしろすぎ。
    共通しているのは、ねこだけ。可愛い可愛いねこちゃんのオンパレードな話ではなく、動物保護に関する実情やらTNRの話やら、猫屋敷のことやら、捨て猫の話やら結構現実的な話がたくさん。そこにサヨリさんの、哀しい過去が見え隠れする。

    クロネコはいるのか?(笑) 表紙には居ない・・。

    とおもいきや!! サヨリさんのそばにいたよ~!いたいた! 嬉しいなあ~。ほっ。

    読み終わってみると、帯に記載されていた物悲しい一文は、サヨリさんの大切な"想い" であり、それは今まで猫に支えられてきたサヨリさんの感謝のように思えた。

    猫を通して心に色々なものを抱えていた人たちが、一歩前に進めるようになっていく過程が重くなく、すっとはいってくる感じ。
    一度猫と暮らしたことがある人なら誰しもわかると思いますが、猫に癒され、励まされ、遊ばされながら、私たちはほっとしてさあ次にいこう!とリセットさせられている。

    でも、猫は何にも変わらない。そこにいつも居るそれだけ。ご都合よく自分が一番!(笑)のスタンスは変わらない。なんて素敵な生き物なんでしょ♪

    " 勉強一筋だった僕に、初めて放っておけない存在が出来た。"  と想う玉置くん。

    猫とはそんな生き物です。I Love Cat!

  • 2017.1/22 とても読みやすい!猫を飼っているが、猫のふとした仕草や習性、そしてそれを見て感じる飼い主の気持ちから、猫にまつわる諸々の社会問題も読みやすさの中に盛り込まれていてなかなかでした♪

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