虹猫喫茶店

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 352
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634643

感想・レビュー・書評

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  • 日常の謎と言って良い程に謎だらけのキャラクターが盛りだくさんな物語でした。ユーモアたっぷりで読み始めから終わりまで飽きること無く読み進めて、終始頷きながら共感の持てる作品ですね。
    「虹猫喫茶店」は猫カフェでは無く、保護猫譲渡を生業とする喫茶店です。
    医療大学の受験に失敗した主人公の玉置翔は滑り止めの武蔵野獣医大学医学部獣医学科に入学する。バイト探して学生課の求人で喫茶虹猫を見つけて面接に。店主のサヨリさんと猫達との出会いから物語は始まる。
    主体性の無い主人公が気の強いサヨリさんに強引に押しきられて、時給の良さにも釣られながら奮闘する成長物語でもあり、出会う猫達と人々達とのドラマが連作短編で面白く人情味も味わえる心温まる物語でした。

  • 猫が出てくる本は片っ端から読んでいる。
    その中でも少し異色な作品だと思う。
    現代の猫たちの置かれた環境や状況をきちんと語っているし、猫たちを取り巻く様々な立場や感情を持った人間たちのことも描かれている。

    去勢・不妊手術や譲渡のことなど、当の本人である猫たちに意見を聞けてそれを尊重できれば苦労しないのに、それができないから私たち人間が決断しなければならなくて、どんなに猫たちのことを考えて下した決断だったとしても、それはやっぱり人間のエゴで。
    何が猫たちにとって幸せなんだろうって考えても答えは出せないのに、なんとか答えを出して苦悩している人たちの物語だな、と。
    こういう角度で描いている作品はあまりない。

    ただ、ストーリー自体はそう珍しいものではなく、先の展開が簡単にわかる。
    読みやすいけれど、呆気なく、少し物足りない感じがする。

  • 飼い主に愛されて死に別れたペットはみんな、虹の橋のたもとで主を待っていてくれる。

  • 現代の猫事情がわかりやすく理解できる小説。地域猫問題など、いろいろ考えさせられます。小説としても面白いです。

  • 2020/9.15.
    面白かった〜!薄味サッパリ良本。読みやすかったな〜。面白かったけどまた読みたいかと聞かれたら「ん〜1回で満足」ってなっちゃうのよね。でも面白かった。

  • 求人募集を見て喫茶店を訪ねた僕。そこで
    待っていたのは、引きこもりの美しきオーナーと
    里親募集中の捨て猫たち。仕事は厄介な婆さんの
    猫屋敷の掃除と店の猫の飼い主を探すことだったが…。

  • 2017/09/12

  • 医学部受験に失敗し、獣医学部に入ったカケルは獣医になるモチベーションもないまま、ただ真面目に大学に通う日々。サークルにも部活にも入らず、友人もいず今日もトイレでボッチ飯を食らうもてない男子。
    そんなある日、学生課で見つけた「猫の世話をするだけの簡単なお仕事ーー喫茶 虹猫」の求人募集からすべてが始まる。
    猫屋敷の偏屈ばあさん、虹猫の美人オーナーサヨリさん、喫茶店に毎日来る美少年ヒカル・・・虹猫にかかわる人はみな、それぞれの事情を抱えている。猫と人との絶妙な距離感、お互いを思い合うさりげない気持ち。猫好きのあるあるを随所に織り交ぜながら、カケルが、ヒカルが、サヨリさんが少しずつ変わっていく姿が描かれる。
    甘々~な雰囲気が漂い、私は場違いな感じで居心地悪さを覚えながら、ただ、猫への愛情のみで読み続けた。
    地域猫問題、不妊化、人間と猫との共存などいろいろ考えるところはあったし、サヨリさんのことば、「猫は人間の最良のパートナーだからだ」には深く納得。
    うちの猫にも、「いつか虹の橋で会おうね!」と約束しました。

  • 坂井希久子にしては少しインパクトがないかな。現実の厳しさは描かれてはいるけれども。

  • 動物は思い通りにいかない

著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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