- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396634674
感想・レビュー・書評
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遺体の声を聴く。
遺体は、嘘以外の全てだ。生きている人間は嘘を吐くが、死体は真実しか語らん。
埼玉県の浦和医大病院の臨床研修医師・栂野真琴(つがのまこと)が、解剖研修医師として法医学教室の光崎藤次郎教授にもまれて成長して行く物語と。光崎教授が、何かを探しています。探し求めたものが表に出たとき大学病院が……大変な事になります。
真琴は、内科部長・津久場教授の命で法医学教室へ知らずにスパイとして送り込まれる。そこには光崎教授と女性のアメリカ人のキャシー・ペンドルトン准教授と二人しかいず人手不足であった。その補充と単位不足もあって真琴が送り込まれる。
最初に教室の入り口に掲げられている「ヒポクラテスの誓い」と呼ばれる誓文を読まされる。そこには、生きている者も死んでいる者も分け隔てなく同じ患者と……。
中山七里さんの本を読むのは初めてです。
【読後】
最後に真琴が走り出す。大学の中で何かが行われているのを感じる。それが何なのか分からないが、最後の物語で病院内の患者のカルテが無くなり、検査データーが削除される。やっとクライマックスに……。長かったが事件の概要が意外な所から出て来る。
光崎教授の傍若無人さと、キャシー准教授のクルーさが面白い、テンポがよく、真琴の成長が実感できる。読んでいて面白い。ただ、字が小さいので読むのが大変でした。
ヒポクラテスの誓いシリーズの1作目
2015.05発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。2021.11.10~12読了。★★★☆☆
生者と死者、加害者と被害者、監察医と法医学者、母と娘、背約と誓約、の5編の連載短編集です。
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「ヒポクラテスの誓い」は、医師の倫理・任務などについての、ギリシア神への宣誓文。現代の医療倫理の根幹を成す患者の生命・健康保護の思想、患者のプライバシー保護のほか、専門家としての尊厳の保持、徒弟制度の維持や職能の閉鎖性維持なども謳われている。
ヒポクラテスの誓い(日本語訳)
現実に医学部で使用されているものではなく直訳したものを記す。
医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、パナケイア、及び全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う。
・ この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与えて、必要ある時には助ける。
・ 師の子孫を自身の兄弟のように見て、彼らが学ばんとすれば報酬なしにこの術を教える。
・ 著作や講義その他あらゆる方法で、医術の知識を師や自らの息子、また、医の規則に則って誓約で結ばれている弟子達に分かち与え、それ以外の誰にも与えない。
・ 自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。
・ 依頼されても人を殺す薬を与えない。
・ 同様に婦人を流産させる道具を与えない。
・ 生涯を純粋と神聖を貫き、医術を行う。
・ どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず、不正を犯すことなく、医術を行う。
・ 医に関するか否かに関わらず、他人の生活についての秘密を遵守する。
この誓いを守り続ける限り、私は人生と医術とを享受し、全ての人から尊敬されるであろう!
しかし、万が一、この誓いを破る時、私はその反対の運命を賜るだろう。
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【バックナンバー】
ヒポクラテスの誓いシリーズのバックナンバーは、私の本棚より「タグ」→「タグの一覧を絞り込む」に「中山七里」と入力。または、その中から中山七里を探してください。そうすると著者中山七里さんの本が一覧表示されます。
私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。たまにシリーズ名でも登録もします。例えば「風烈廻り与力・青柳剣一郎」などです。 -
渡瀬シリーズが好きで図書館でこの本にも少し間接的に出てくると知って借りてみた。
法医学ものは勝手なイメージで少しクセが強そうな法医学者が解剖するような作品をドラマや小説を通して見ていたが、この作品で出てくる法医学者の光崎は生きてる人や死んでる人関係なく全ては患者の利益を尊重する「ヒポクラテスの誓い」を守る1人の医師なんだなと作品を通して強く感じました
光崎の一筋縄では行かないけれど、強い信念を持ち、自分の主張をはっきりいう性格がとても羨ましい。また、作品に出てくるキャラクターが魅力的で中山七里さんの作品はとても読みやすいなと改めて思いました。
研修医の真琴の成長も楽しめる作品です。
そして、法医学は死者のためのものだけでなく、生きている人を救うこともできる医学でもあることも知ることができました。 -
ずっと気になっていた作家さんです。いろいろなシリーズが出ていますが、図書館で借りているので順番に読めるものを...とまず借りたものです。
法医学のお話ですが、おもしろかったです。解剖シーンは、描写がリアルでまたすごかったです。
他のお話やシリーズも読破してみたいと思いました。 -
「あなた、死体はお好き?」
研修医の真琴さんが内科の津久場先生から単位が足りない分、研修してこいと法医学教室に放り込まれ...な、お話。
毎話、法医学ミスター権威の光崎教授がなかば無理矢理解剖をするために真琴さん頑張ります。
そして死者の言葉に真実が⁉︎
法医学って大事なんですねぇ
表現グロくて最初引きましたけど、最後の方慣れちゃいましたε-(´∀`; )
短編で展開しますが最後に全て回収されます。
古手川刑事も良い仕事をしてまして楽しかったです。 -
法医学に焦点を当てた医療ミステリシリーズの一作目。
人を解剖する、という日常見ることも触れることもない世界の話で興味深かった。
物言わぬ遺体と対話し、鮮やかな手つきで論理的事実のみをストイックに追求する光崎教授の姿勢は、信頼に足る上司だと思えた。 -
2021/08/07読了
#中山七里作品
法医学教室にスパイとして送り込まれた
新人研修医の真琴。
傲岸不遜な光崎教授に毒されながらも
次第に成長していく。
難しい医療ものだが、文体がやさしく
読んでいて楽しい。 -
ヒポクラテスシリーズの1作目。
先に2作目を読んでいたのでおおよその話の流れは掴めていたけど。
真琴が法医学に携わる成り行き。様々な事件を経ての彼女の変化。
そして終盤にかけて明らかになる意外な黒幕。
中山さん作品らいしい、最後の最後で来る衝撃。
描写は相変わらずグロいものだけど、もう慣れました(笑)
このシリーズもまた追ってみたいと思います。 -
#読了 #ヒポクラテスの誓い #中山七里
研修医の栂野真琴は単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。
ヒポクラテスシリーズ第一作。
死者の声を聞く法医学ミステリー。 -
面白かった。
それぞれ登場人物のキャラが良かった。
渡瀬警部もだいぶ気になる。
「裕福な人間は普通に服を着て外出するだけで、自分たちの生活が満ち足りていることを無意識に見せつけているのさ。本当に憎むべき対象は他にあるのに、どうしても隣の芝生を憎んじまう。そんな風にして本人たちの知らないところで逆恨みされていく」小手川刑事のセリフ。 -
検視医の話なので難しい言葉が出てくるが、いつもの中山七里の本のようにどんどん物語に引き込んでいく。
スーパーな主人公に感化されていく主人公、人の本質を突く心をえぐるようなセリフが、引き込まれる要素かと感じている。
まだ読んでいないものも今後少しずつ読む予定にしている。
fufufuyokoさん♪ありがとうございます。
中山さんの本は初めてですが、明るい真琴の成長が楽しみな医療ミス...
fufufuyokoさん♪ありがとうございます。
中山さんの本は初めてですが、明るい真琴の成長が楽しみな医療ミステリーで、最後の章だけが大学のミステリーになっています。
レビューを楽しみにしています(⌒-⌒)ニコニコ...