- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396634704
感想・レビュー・書評
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闇の奥へ…の一冊。
かの有名な迷宮入り事件。
真実という闇の奥へいざなう面白さに夢中になった。
まるで捜査本部解散後、一人の刑事が熱き思いで独自に捜査したどり着いたあの日を目にした気分。
GHQ占領下、日本が戦後復興を遂げようとしている陰で、複雑に絡み合う国、組織、謀略、緻密な計画、マグロに戦慄を覚えずにはいられない。
満州式拷問法、これが事実なら言葉がでない。
人を人とも思わぬ扱い。
悪意に加担しながらも、家族、娘の前で優しい父親の姿を見せる人物にも恐怖を感じた。
自殺か他殺か…この時代の科学捜査、法医学を駆使するシーンも読みどころの一つ。
他殺であると確信した思いが塵となる虚しさよ…。
真実は藪の中…水面下の巨大なチカラ、闇の怖さ、現在にも通じる圧力…様々な思いが頭を巡る。 -
作者がノンフィクションとして発表した「下山事件最後の証言」(2005)の10年後に小説として再び事件の真相に迫ったもの。戦後のGHQ支配の闇の中で復権した右翼、特高、企業人、政治家たちの黒い蠢きをサスペンスとして描き切っている。
現実の事件と切り離して読んでも一級品だ。作者はそんな読み方を許さないだろうが。 -
どこまでが真実で、どこからがフィクションなのか…
昭和の未解決事件「下山事件」に焦点を当てた作品。この「下山事件」、最近まで全然知らなかった。同じ作者の「Mの暗号」を読んだ時に触れていたので、もっと深く知りたいと思い、読んでみたが、史実を調べながら読んでも、どこまでが事実なのか、いまいちよく分からず、何となく消化不良…実際に未解決の事件なので、どれくらいか分からないけれど、作者の「他殺説」の思い込みは含まれているはず。でも、その線引きが分からないのは、作者の巧さなのか?私の読み込みの甘さなのか? -
現時点で事実を知ることはできないが、エンタメ小説として完成している。下山事件についてwikipedia記事程度の事前知識があれば面白く読める。
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終戦から四年、生きるか死ぬかの時代、暗躍する男たち、いったい何が本当で、何が嘘なのか。膨大な資料と長い年月をかけた取材をもとに書かれた小説である事がうかがえる。柴田豊が娘の菱子の視線で描かれるとき、信頼おける父親の顔でしかない。更に最後の真実を読んで菱子の視線から伝わる柴田豊の感触に納得した。
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購入済み。
2022.04.12.途中棄権。登場人物、機関名など多種多様の名称が溢れていてとても読みにくい。135頁まで。
一旦、積読とする。
さて、どうするか。
2024.08.30.
春頃に森山未來主演でNHKドラマになっていた。とても複雑な未解決事件。2022年の私の感想も無理もない結果だったのだ。
再読してみようか?とも考えたが未解決事件にかわりはないので、やはり処分することに。 -
★★★☆☆
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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このようなことがあったことを知らなきゃいけないとは思うけど、拷問が怖くてなかなか…
このようなことがあったことを知らなきゃいけないとは思うけど、拷問が怖くてなかなか…
これ、他殺自殺真っ二つに分かれた事件、としか知らなかったー。
でも絶対他殺なんじゃないか、って思うよ。
ちょっと吐き気と怒りを...
これ、他殺自殺真っ二つに分かれた事件、としか知らなかったー。
でも絶対他殺なんじゃないか、って思うよ。
ちょっと吐き気と怒りを感じながらも ミステリチックで読みやすかったのは良かった♪
この作者さんの家族が関係していたらしいから、ますますのめりこんじゃった♪