スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
3.82
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本棚登録 : 1624
感想 : 245
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • 読めば、旅をしたくなる。
    幸せを呼び込む青いスーツケース、僕もほしいなあ…

    スーツケースの半分は、旅に必要な着替えや生活用品を、残りの半分は・・・お土産を入れるために空けて置くんでしょ?

    なんてタイトルを見て考えていたんだけれども、

    残りの半分に詰めるお土産っていうのは、旅を経て得たかけがえのない何か。時には予想もつかない方向に突き進み、自分の予想と正反対の幸せだったりする。

    旅って、やはり人生の縮図ですよね。

    夏休み、どう過ごそうか、迷ったらこの小説を読もう。

    ♪MEMORY /BOØWY(1987)

  • これまた素敵な作品と出会いました。。。

    ほかの作家さんの名前を出すのはあれですが、
    青山美智子さんの作品のような穏やかさを感じました。

    旅行に興味のある人もない人も楽しめる作品
    1つのスーツケースが色々な人を幸せに導く

    260頁、9章から構成されているので
    それぞれの章は短めですがしっかりと読み応えあります!
    各章の題名もホントに素敵なんです。

    帯には、
    心がふわっと軽くなる幸せつなぐ物語、と。
    読んでよかった〜という気持ちになりました♪

    これは是非たくさんの方に読んで欲しい!!!


    大学にあがるときに帰省兼旅行用に2つスーツケースを
    買ったのですが数年後に盗まれてしまいました。
    あの子たちはどうしているのかな。。。

    そろそろ海外にも行けるみたいなので
    スーツケースを新調しようかなぁと。


    2022年のベスト本に入りそうです♪

  • 幸せを招くといわれる
    スーツケースをめぐる
    連作短篇集。

    人生は掌。何かを掴み
    取るためには、

    今手の中にあるものを
    捨てなければならない。

    私は何も捨てたくない。

    つまり私はこれ以上を
    望むなということなの
    かな・・・。 

  • なんとなく再読。
    さくさく読めるので、好き❤️

    むかつく男の人が出てくるけど、スカッと振られるので、ざまみろって思っちゃう。

    バカンスは好きだけど、一人旅っていうのはしたことないので、その小説を読むたびに、一瞬、行ってみようかなって気持ちになる。
    その気持ちだけでも、大切だなって思うようにしています‼️

  • 幸運を呼ぶ青いスーツケースの物語。

    それを手にした女性達が悩みながらも前を向き
    少しずつ変わっていきます。
    でも、決して重くはなく軽やかなお話です。
    (最終話はちょっと切なかった…)

    読了後、何か新しい事を始めたくなりました。

    このスーツケースの青い色のように清々しく
    爽やかな連作短編集です。

  • 幸運の青い鞄を持って旅に出る。NY,香港,パリ,女達の一人旅。アブダビ,見知らぬ土地に置き去りにした男に憤慨。ドイツ,留学生と迷子の梟。最終話,老女に贈られた鞄が物語の出発点。ヒヤリとする話。

  • 真美がフリーマーケットで一目惚れしたスーツケース
    デザインはクラシックだが、目の覚めるようなブルーの革でできている、ダイヤル式の鍵で、本体に二本のベルト

    私も綺麗なスーツケースの装丁に魅せられ、この本を手に取った

    友達には言えない生きづらさを抱えた四人の女性のそれぞれの旅に伴われ、決断の扉を開くきっかけを作り、「幸運を呼ぶスーツケース」となる

    それぞれの女性が傍目には分からない悩みや不安、漠然とした違和感、生きづらさを抱えていることに共感した
    そのあたりの心理描写が近藤さんはうまいなと思う

    この本を読んで、ひとつ驚いたことがある
    第九話「青いスーツケース」
    親の転勤による引っ越しで初対面の人とすぐ仲良くでき、感じよく礼儀正しく振る舞い、人の心に割り込むスキルが自ずと身についてしまった和司
    誰からも人当たりが良いと言われるが、褒められるたびにそんなスキルを身につけずに生きていられたらどんなによかっただろうと

    人見知りだ、無愛想だと公言する人から和司は微かな傲慢を嗅ぎ取る
    彼らは人に好かれなくても生存が脅かされなかった人間だと和司は思う

    私自身、とても人見知りで、初対面の人と話すのは苦手、
    そのことによってよくツンとしているなどと誤解を受けて傷ついたこともあったが、こんな感じ方もあるのかと

    ニューヨーク、香港、アブダビ、パリと少しずつだが
    旅の気分も味わえた

  • 一つの青いスーツケースがいろんな思いを抱える人たちに受け継がれ旅をする。幸運を呼ぶというそのスーツケースがそれぞれの人生の後押しをする短編集。楽しくて明るい話ばかりではなかったけどいろいろ考えさせられるお話でした。

  • 幸せの青いスーツケースにまつわる短編連作集。
    スーツケースを持って海外に行ってた頃を思い出しながら読んだ。
    旅慣れた人もそうでない人も、出掛けてみると色々な出会いや気付きがある。
    やっぱり旅はいいよなぁと、またふらっと出掛けたくなってしまった。

  • 目の覚めるような鮮やかな青色のスーツケースが、日常生活に悩みを抱える女性達を次々に繋いでいく連作短編。

    「あなたの旅に、幸多かれ」のメッセージの入ったそのスーツケースは、使ったみんなから「幸運を呼ぶスーツケース」と噂される位旅した人達を晴れやかな気持ちにさせてくれる。
    NY、香港、アブダビ、フランス、ドイツ…スーツケースは女性達の手から手へと次々に渡り色々な土地を旅し、持ち手に幸運をもたらしていく。

    「スーツケースの半分は空で行って、お土産を詰めて帰っておいで」とアドバイスをくれた友もいたけれど、そのスーツケースは旅した土地のお土産と共に、旅した時の素敵な思い出をたっぷり詰め、次の旅人の手へ渡り幸運も連鎖していく。
    自分で選んだ土地に一人で行く勇気ある女性達の物語に、読んでいて元気を貰えた。

    「わたしは幸運をちゃんともらったから、次からは自分で選んだスーツケースで行きます」
    幸運を呼ぶ青色のスーツケースに何時までもしがみつかないで、次の旅人に気持ち良く手渡せる彼女達がとても素敵だった。
    私にもそのスーツケースを貸して!

  • 人生は一人旅。明日はどこへ行こう?
    相棒は青いスーツケースただ一つ。
    今日も残りの半分に、温かいドラマが詰まってゆくー。


    大学時代からの友人である4人の女性達と、
    青いスーツケースを通して彼女達と関わった
    人達を描いた連作短編集。

    海外旅行に行った事がない29歳の真美。
    夫は定年になってから行けばいいと言う…。
    フリーマーケットで見つけた青いスーツケースに一目惚れ、
    衝動買いをしてしまう。
    その時、彼女の中で何かが変わった。
    心配性な夫の反対を押し切り憧れのNYへ初めての一人旅。
    不安に駆られた時、鞄のポケットから「あなたの旅に、幸多かれ」
    と書かれたメッセージが出て来る…。
    やがて、鞄は大学の友人花恵・ゆり香・悠子へとバトンされ、
    世界中を旅するうちに〝幸運のスーツケース〟と呼ばれるようになってゆくー。

    仲良し四人組といっても、それぞれの思いが交錯してる様子
    うんうん、ある!ある!すっごく良くわかり沢山の共感がありました。
    それぞれに小さな秘密を抱えたり、悩みを抱いたり、葛藤があったり
    漠然と将来に不安を抱いてたりする。
    ジリジリする気持ちが手に取る様に感じられました。
    そんなウジウジした気持ちを青いスーツケースが、
    旅先に捨て去ってくれるかのようでした。
    一歩踏み出したからと言って、その後が全てハッピーと
    好転するばかりでは、ありませんがそれがまた良かったなぁ。
    本人の気持ちが前に進む様子も良かった。
    最期のお話は、涙がこぼれました。

    幸せをつなぐ物語…。
    大丈夫。一歩踏み出せば、どこへだって行ける。

    • katatumuruさん
      しのさんも読まれてたんですね。この本(^^)
      ホント、しのさんとは読む本がかぶる事が多いですね。
      しのさんにイイネ!をいただいた後、「青...
      しのさんも読まれてたんですね。この本(^^)
      ホント、しのさんとは読む本がかぶる事が多いですね。
      しのさんにイイネ!をいただいた後、「青いスーツケース」を「青いスーツ」と書いていたのに気づいて直しました(^^;
      早めに気づいて良かったです・・・(^^ゞ
      2016/11/02
    • しのさん
      うんうん、本当に読む本が被る事が多いですね~嬉しいです♪
      あります!あります!フト後からレビューを読んでいて漢字の変換間違いや言葉の間違い...
      うんうん、本当に読む本が被る事が多いですね~嬉しいです♪
      あります!あります!フト後からレビューを読んでいて漢字の変換間違いや言葉の間違いを発見して慌てて直す事(笑)
      この本のレビューを久し振りに自分で読んで凄く共感してるなぁなんて思いました。
      2016/11/04
  • 人生に行き詰まりを感じていた人たちがそれぞれのきっかけで新たな道を開いていく、そんな短編でした。
    旅をすることが好きな私にとってはわくわくする話が多かったです。


    月とざくろより。

    常にそれに感謝し続けることは簡単ではない。恵まれた環境も、すぐに日常に変わってしまう。

    目の前の幸せに感謝せずに隣の芝を羨むようになると、人は満たされなくなってしまう。
    ないものではなくあるものを数えることの大切さを日々痛感してます。

    最後のお話だけがらっとニュアンスが変わって驚きました。
    読了時はじんわりとした気持ちでした。

    Travels teach you many things you have never known. This book tickled my mind about traveling abroad.

  • とても読みやすかったです。何故だか私も何ヵ国か旅行した気持ちになりました。海外に行ったことがないので、想像するのが楽しかったです。本を介して旅行したい。というならこの本がオススメです。
    こんなスーツケースに会ってみたい。

  • ひとつの青いスーツケースを巡っての物語。

    評価もなかなか良さそうだし、表紙とタイトルに惹かれ手にした一冊。

    事前情報を得ずに読み始める。
    読む前は一人の人の旅の記録的な物語と予想して読んだものの、ひとつのスーツケースを手にしたそれぞれの短編集という感じだった。

    それぞれのお話の中で出てくる青いスーツケースが全ての物語に共通する。

    旅のお話ではあったが、旅のというよりもスーツケースと共に旅をした人の大切な気づきの物語だった。

    最後まで読んで
    あぁ、これがあの時のメモかぁ…
    この人があの時のあの人かぁ…
    と、他の人たちの物語に思いを馳せながら思い返し、読んでいる最中だけでなく、既に読み終えた物語や目に見えない繋がりに思いを馳せる時間を楽しめた一冊。

    じんわりした読後感を味わえる。

  • 青い革のスーツケースを持って旅する、それぞれの人たちのエピソードを綴った話。旅したことで幸せな出会いや気付きがあったことから、幸せのスーツケースとして友達の間を巡る。スーツケースというか、旅とは自分を振り返るきっかけになると思う。

  • 青いスーツケースが幸せを運ぶ。

    一歩踏み出す物語でした。巡り巡るってこういうことを言うんでしょうね。素敵です。

  • 1つのスーツケースを軸に様々な人の旅と出会える連作短編集。1話1話が短いので、隙間時間でさくさく読み進める事が出来ました。
    どの話もキャラクターが魅力的で、特に真美・悠子・ゆり香・花恵は歳が近いせいか結婚や仕事、将来について悩む姿に共感してしまった。最後には皆んなそれぞれの答えを見つけて歩いていく姿に自分も励まされるそんな作品です。

    • hanaさん
      こんばんは。
      「いいね」押したつもりが、うっかり押せていなかったみたいです(>_<)すみませんでした。
      素敵な息子さんですね!一緒の本を共有...
      こんばんは。
      「いいね」押したつもりが、うっかり押せていなかったみたいです(>_<)すみませんでした。
      素敵な息子さんですね!一緒の本を共有出来るなんてうらやましいです。
      確認したら私も「お探し物は図書室まで」図書館で予約していました笑
      また感想楽しみにしています♫
      2021/10/02
    • アールグレイさん
      こんにちは♪
      ニュースです!月初めなので図書館HPを開いたところ、月曜日の抹茶カフェ、が購入予定になっていました!
      5番目です!・・・・です...
      こんにちは♪
      ニュースです!月初めなので図書館HPを開いたところ、月曜日の抹茶カフェ、が購入予定になっていました!
      5番目です!・・・・ですが、癒される青山美智子さんもいいのですが、長編も恋しくなってきました。次は長編をと思います。(*^_^*)
      2021/10/03
    • hanaさん
      5番目なんてうらやましいです!
      短編が続くと長編が読みたくなる気持ち分かります。長編小説だったら次はどんな作品を読まれるのでしょうか。また楽...
      5番目なんてうらやましいです!
      短編が続くと長編が読みたくなる気持ち分かります。長編小説だったら次はどんな作品を読まれるのでしょうか。また楽しみにしています(^^)
      2021/10/03
  • 旅に出るときのお供はスーツケース。
    出かけるとき、中に詰めているのは、着替えだったり、洗面道具だったり…、必要最低限のもの。
    できるだけスペースを空けて出かける。
    この本を読んで、ふと思う。
    このスペースって帰りのお土産のためのもの?
    いいえ、そうではないはず。
    形にはできないけれど、そのたびへの期待だったり、その地へのあこがれだったり、夢だったり、はたまた、前回の旅の思い出だったり。
    それが、旅先で、思いがけず形になったり、匂いになったり…
    帰りはいつも、いっぱいの”思い”を詰めて帰ってくる。
    その思いが心地よかったり、明日への力になったり…
    だから旅はやめられない。


    青い革製のスーツケース。
    そのスーツケースを手に旅に出る人々の物語。

    ■ウサギ、旅に出る。
    山口真美はフリマで青いスーツケースを手に入れる。
    そのことが、普段、無意識に押さえつけていた自分との出会いにつながる。
    そう、一歩踏み出せばよいだけ…

    ■三泊四日のシンデレラ
    中野花恵は真美の青いスーツケースを借りて、香港へ旅立つ。
    旅行中の話は誰にもしない花恵。
    彼女にとっての旅とは…

    ■星は笑う
    人それぞれ、旅をする意味や目的が違う。
    旅に求めるものが全く違う二人が一緒に旅に出るとどうなるのか…
    ゆり香も真美の青いスーツケースを借りて旅にでる。
    ゆり香にとっての旅はとてもシンプル。
    でも、それが一番難しい…

    ■背伸びする街で
    澤悠子も真美のスーツケースを借りて旅に出る。
    行先はパリ。
    パリは日本人にとってアジアと比べ、ハードルの高い街。
    悠子はそう思っている。
    そして、自分のことを見栄っ張りだとも。
    そんなパリで裕子がスーツケースの半分に詰め込んだものは…

    ■愛よりも少し寂しい
    中野花恵の従姉妹である栞はパリに留学中。
    夢と現実の狭間でもがいているとき、花恵の友人悠子と出会い…

    ■キッチンの椅子はふたつ
    獣医でシングルマザーの星井優美。
    一人娘の春菜が留学したいと言い出したことで、優美自身、気づいていなかった自分に気づかされることになり…

    ■月とざくろ
    ドイツへ留学した星井春菜。
    留学の意味がわからなくなってきて…

    ■誰かが恋する場所
    大学時代の同級生、真美、英恵、ゆり香、悠子の4人は温泉旅行に出かける。
    そこであのスーツケースに再び出会い…

    ■青いスーツケース
    あの青いスーツケースはここから始まった…


    やっぱり近藤史恵さん、好きだなぁ~
    今持っているスーツケースは使い勝手重視で選んでいるけれど…
    こんな素敵な青いスーツケースが欲しくなりました。
    そして、そのスーツケースをもって旅に出たい!

  • 連作短編集。
    シンプルな青いスーツケース。このスーツケースを持って旅に出かけると幸運な事が起きる。友達の人から人へと、そねスーツケースは渡されて、幸せな旅を演出する。
    ちょっとしたきっかけ、心の持ちようで人生は一変する。人は何かきっかけが欲しいのかもしれない。

  • 人生初のドキドキ一人旅から、
    そっと別れを告げる死出の旅まで
    様々な形の旅が登場する連作短編集です。

    何かをつかみたくて旅に出る人
    反対に旅に出たことによって何かを手放した人、
    旅の結果は人それぞれなのだけれど
    出かける前には見えていなかった自分の思いが
    帰りには見えていたとしたら、それだけで
    その旅は大成功なのだろう。
    あ~、どこでもいいから今すぐ出かけたい、
    旅に行きたいぞ~~~!

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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