- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396634872
感想・レビュー・書評
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あしたのみえない詐欺師やキャバ嬢、取り残された少女、そしてひも。札幌から熊本までの旅の中で、人情の大切さに気付き、それを明日からの生き方とする。小路ワールドで、ハッピィ―エンドドラマ。ひもくんをもう少し活躍させたかった。
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★人間って、あらかじめ失われて生まれてくるんですって(p.198)
ここちよい小品です。熊本で入院してしまった母親のところに小学生の娘を連れていってやってくれとキャバクラ勤めっぽい女に頼まれた男は因縁もあったのでそれを引き受け三人は経費節約のため車で札幌から熊本に向かうというロードノベル系。なんとなくそれぞれ裏がありそうな三人だがそれなりに楽しく旅を続ける。完全にロードノベルというには起伏が小さいかもしれません。
▼簡単なメモ
【一行目】玄関開けたら、雨が降り始めて焼けたアスファルトに染み込んでいく匂いと一緒に、派手なおねーちゃんが立ってた。
【あすか】鈴崎凛子の娘。片原修一のところに由希が連れてきためちゃくちゃかわいい女の子。十歳くらい。素直で賢そうなのできちんと育てられたようだ。
【安藤正隆】三芳由希の元カレ。ろくでもないヤツだが根っからの悪人ではないただの優男。旧いスカイラインを愛している。
【片原修一】主人公の語り手。高校教師だったがモンスターペアレントにより冤罪のセクハラ疑惑で辞めさせられた。しかし、《俺もね、この姉ちゃん以上に汚い大人たちがうごめく世間の垢にまみれちゃってるから》p.7とか《三振か、ホームランか。》《どっちみちそんな人生をずっとやってきたんだ。》p.35とかカタギとも思えないような独白をしてるが?
【ケリをつける】《赤の他人が身内の揉め事に手出し口出ししてケリをつけられそうな明確な手段》p.225は二つ。暴力と法律。強いていえばあと二つ、金と愛があるのだとか。
【篠田高之】片原修一の友人。
【鈴崎凛子】あすかの母。片原修一の元教え子で熊本で入院したので由希はあすかを連れていきたいと考えた。
【三芳由希】突然訪ねてきたキャバクラふうの女。鈴木凛子の友人。源氏名はアリサ。歴史学者だった祖父にかわいがられて自分も(今で言うところの)レキジョになった。蓮っ葉なようでいてどこかしっかりしていて賢い。 -
東京バンドワゴンから好きでよく読む作家さんです。今作もテンポよく楽しく読ませて貰いました。力を抜いて一気に読めました。
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主人公の心情の書き方あんまり好きでない
最後まで読む気にならず、途中でやめてしまった -
人物の描写が上手い!
読後に、後味良くホッとする。 -
学があるってそんなに古い言い回しかな。
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図書館で借りた2冊が少々重めの話だったので、間に軽いものを挟もうと借りた本です。
小路さん、ここ10年読み続けて作家さんですが(既読44作)流石に飽きが出てきて、昨年から休止してました。
久しぶり。
思い通り"軽い"。と言うか、何も考えず、ただ楽しみながら読み飛ばす本です。
6週間おきに通う病院の行き帰りと待ち時間もあり、半日ほどで読了。
笑えて、温かく、まあこんな読書も良いものです。 -
「先生、この子を母親のところまで連れて行ってくれないかしら」 ある日、十歳の少女あすかを連れて訪ねてきたキャバクラ嬢の由希は、札幌に暮らす「片原修一」に迫った。あすかは高校教師だった彼の教え子鈴崎凜子の娘で、由希は凛子の親友だという。凛子は現在、帰省した熊本で緊急入院しているらしい。なぜ僕が?と応じる「修一」に、かつて二人が〝特別な関係〟だったことを持ち出す由希。かくしてそれぞれが抱える〝大人の事情〟も絡み合う、日本縦断七日間の奇妙な旅が始まった――。 札幌から熊本まで2000キロ。
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なかなか面白い詐欺師でした(笑)