他に好きな人がいるから

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 61
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635312

感想・レビュー・書評

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  • かつては造船業で栄えたが右肩下がりに衰退した小さな町。早朝のマンションの屋上で朝日を眺める坂井修二の視界に自分と同じ高校のセーラー服を着て白兎のマスクを被った兎人間が。高い所で自撮りする白兎マスクのインスタグラマー俗称「バケタカ」にコンビを申し入れられた修二はー

    ◆女の子に振り回されまくる修二にちょっと「キミスイ」的な匂いを感じたけど、承認欲求の強い構ってちゃんこじらせたやつかと思ったら二転三転したなぁ。兎は誰だ?といちいち勘ぐってたけど…いつか、幸せな着地しますように。

  • 『でももう大人だ。生まれてきた意味、生きなければならない理由は未だにわからないけれど、わからないまでもこの世に存在し続けることの尊さは薄らと実感できるようになった。』

    「独学。人から教わるの嫌いなんだよ。ちっちゃい頃に『自由形』って響きに誘われて水泳教室に通ったんだけど、クロールしか教えてくれなくてさ」

    「なんにもできないよ。披露する相手がいないと、コピーする必要がないんだ」
    「できないって思ったら一生できない。先ずはやってみる。そうすればあなたの人生は豊かになる」
    「誰かの言葉?」
    「どんな言葉も誰かの言葉よ」

    「あれに似ているかも。サッカーのW杯で日本代表が敗退した時の気分に」
    「どういうところが?」
    「日本に勝ったチームが次の試合でボロ負けしてほしい気持ちと、勝ち進んで優勝してほしい気持ちが鬩ぎ合う。そんな感じ」
    「お父さんの遺産なんだね」
    「遺産?」
    「うん。悔しいから滅んじゃえ。お父さんの分も頑張れ。正反対の気持ちだけど、どっちもお父さんが遺してくれたものでしょ?」

    「モヤモヤが晴れただけでも大満足なんだよ ー 幽霊とか妖怪って、あやふやだから不気味なんだと思う。クリアに写った心霊写真は全然怖くないよ」

    『他人からどう思われるかよりも、自分がどう思うかの方がずっと大事だ。』

    「好きになった理由と嫌いになった理由が同じになることが多いんだって。テレビで心理学者が言ってた。恋が冷めると『頼もしい』は『横柄』に、『情熱的』は『暑苦しい』に、『頭がいい』は『中身が空っぽ』に、『優しい』は『優柔不断』に変換されるらしい」

    『呪いが不幸の連鎖を起こしたのだろうか? ドミノ倒しの一枚目を倒したのが呪いだったのなら、この町に加害者はいない。後ろから押されたから前の人を押さざるを得なかった。みんな町の呪いに因る被害者だ。』

  • 予想と違ったストーリー。
    色々と予想を裏切る感じが面白い。SNSを使った今時の若者がリアル。

  • 廃頽した町で承認欲求を燻らせる少年少女が、高所自撮りをする。ネットの反応を見、フォロワーを弄ぶ。正体不明の相方との危うい関係が面白かった。大人の世界に対し被害者意識があり、卑屈である。今日の精神的に健康ではない感じが、わかってしまう。

  • それでも、それでも、あの街から解放された2人に、ハッピーエンドになって欲しかった。
    この終わりが美しいのかもしれないけど、仕方ないのかもしれないけど、風船が飛んでいかない終わりを願ってしまった。
    すごく面白くて、途中思いもよらない展開もあったが、ハッピーエンド好きとしては悲しかった。
    この物語の続きはどうなっていくのか、今夜は勝手に妄想しようと思う。

    死んでいく街の描写が秀逸でした。
    バケタカは、この子だったらいいなと思ってた子だったので、ちょっと嬉しかった。と同時に、やっぱり主人公と歩めるラストになって欲しかったよー!

  •  今どきの設定です。

     この手の冴えない男の子は、なぜ顔がいい率が高いのか?性格も良さそうだし、密かにモテそうですが。

     これほどまでに純愛を貫けるなんて、

     うーん、若い人、読んでください。素敵です、純愛。

  • 死にゆく町から逃れようと必死でもがく青春物語。
    人物配置が非常に巧みで、最後主人公は呪いから逃れる事が出来、新しい気持ちに向き合えるような印象的なラストだった。

  • 設定に少し難があるが、野球で言えばタイムリーヒットのような一打の作品であろう。
    最後まで疑問が残ったのは表紙の姿は誰、かである。

  • 昭和に栄えた産業が衰退した暗い町で起きる思春期のあれこれ。何かと兎押しなのは著者名と関係あるのか気になる。

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