ランチ酒

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 1003
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635343

感想・レビュー・書評

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  • 昼間っから旨いお酒と、お酒に合うボリュームのある美味しい食事。
    夜と違って、日の明るい内に呑むビール、冷酒、ワインのなんて贅沢なことか。

    バツイチでアラサー、深夜専門の「見守り屋」祥子の、一仕事終えた後の食べっぷり呑みっぷりが豪快で、読んでいてこちらまで呑みたくなる。
    深夜の見守り・付き添い業の「見守り屋」の依頼人は訳ありばかり。
    老人に子供にペット…急に夜出掛けることになった依頼人の代わりをする「見守り」の需要は現実にも結構ありそう。
    本業の「見守り」の他、悩みを抱える孤独な依頼人の気持ちに寄り添う祥子の存在は、依頼人の頑なな心を優しく溶かしてくれる。

    「私は生きているし、健康だ。元気出そう。へこたれてなんかいられない」
    祥子自身が抱える悩みもまた根深いけれど、男性並みにお酒とランチをぐいぐい呑み食べする祥子のお陰で私も元気になれた。
    TVドラマに良さそう。

  • ランチにお酒?
    昼間からお酒を飲むの?と思ったが、主人公の犬森祥子の仕事は「見守り屋」
    営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人であろうと犬であろうと寝ずの番をする

    だから仕事を終え、帰路に着く途中に寄るランチは、一日の勤務を終えた通常の人々の晩酌に匹敵するというわけ

    同じ一生でも、酒が飲めない人は、飲める人よりも随分損をしていると言う人がいるが、祥子さんの仕事明けのこの飲みっぷりを見たら、その説もうなづける気がする

    かく言う私は、もちろん飲める口だから、損はしていないけどね

    離婚し一人娘の明里を婚家に残してきた祥子にとっては、仕事の疲れを癒す酒であり、孤独を抱えて生きる客に思いを馳せる酒であり、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、孤独を慰める酒でもある

    ー私は食べて、飲んで、生きていく。そして、生きていれば何かが変わり、それはどこかであの子につながるー

    読み始めた時は、何だ、ただの飲んで食べてのグルメ本かと思ったが、それだけではなかった
    ただ、6〜7割は、街で出会ったおいしい料理とうまい酒の描写だった
    おいしそうだから許すけれど、お腹が空いている時に読むと、ちょっと辛いかも・・・

  • おかわり日和の方を先に読んでしまいました。こちらもおもしろかったです。祥子の心の声や太一とのやりとりが楽しかったです。料理もおいしそうでランチのお酒もいいなぁと思いました。

  • 犬森祥子は、昔の同級生・亀山太一が代表を務める会社で『見守り』という仕事をしている。
    夜間の仕事が主で、仕事終わりにランチを食べて寝に帰るから、ランチが一日最後の食事であり、だからお酒も飲んでリラックスしたい。
    ランチで入る店の条件は、昼からアルコールを出してくれる、『ランチ酒』ができる店だ。

    祥子が入った店の、美味しいお酒と食事の描写(これがとびっきり旨い&上手い)
    依頼人や、見守り対象との関係など、仕事の話(主に食事しながら回想している)
    離婚した、元・夫との関係、夫の元に残してきた小2の娘・明里(あかり)への尽きない思い。

    お話はこの3つが撚り合わさって構成されている。
    食べ物とお酒にも相性はあり、人間同士にももちろん相性がある。
    身近な人間ではなく、お金を払って祥子たちに「見守り」を依頼してくる人たちにも理由と事情がある。
    祥子はなるべくプライベートには立ち入らないようにしているが…
    良好な関係を築かなくてはいけない人とはうまくいかず、仕事がらみの人たちには信頼されたりする。
    人生はいろいろある。
    ただ、おいしい食べ物をしっかり、ていねいに食べて味わって、元気を出して、また明日を紡いでいく。
    人間はそうやって生きていくものなのだ。

    『武蔵小山 肉丼』『中目黒 ラムチーズバーガー』『丸の内 回転寿司』『中野 焼き魚定食』『阿倍野 刺身定食』『御茶ノ水 牛タン』『新宿 ソーセージ&クラウト』『十条 肉骨茶(バクテー)』『新丸子 サイコロステーキ』『秋葉原 からあげ丼』『新丸子リベンジ アジフライ』『代官山 フレンチレストラン』『房総半島 海鮮丼』『不動前 うな重』『秋葉原、再び とんかつ茶漬け』『中野坂上 オムライス』

  • 最近よくあるドラマ仕立てのお店を紹介する番組を見てるようだと思いながら読みました。

    祥子さんの事情もなかなか興味深いもので、見守り屋という仕事も都会ならでは。

    漫画家さんの話が惹かれたかな。ちょっとした一言で後悔したりする事ってありますよね。

    サクッと読めるいいお話でした。

  • 「あぁ、一杯の至福。」
    この帯文句に惑わされてしまった。「ランチ酒」というタイトルから、明るいグルメ小説なのかと勝手に勘違いしてしまっていた。でも、その間違った先入観を持って読み始めたから、いい感じに裏切られたかも。大体、原田ひ香さんがそんなに分かり易い作品にするわけがないのだ。
    「見守り屋」の仕事をする、バツイチ・アラサーの祥子。仕事で出会う依頼人のそれぞれの人生。ぽつぽつと語られる祥子の過去のエピソードも重なり、何ともほろ苦く切ない。だからこそ、仕事終わりのおいしい食事とおいしいお酒のフード描写が生きてくる。どうして祥子がランチとお酒を大事にするのかが、よくわかるのだ。登場する食事のま~あおいしそうなこと!ラムチーズバーガー、刺身定食、とんかつ茶漬け、etc…。この料理にこの酒を合わせるかという絶妙な取り合わせもまた新鮮で…外でお酒を飲まなくなって久しいが(しかもランチにお酒は飲んだことがないが)、自分もランチ酒をしてみたい欲求にかられた。
    「見守り屋」という仕事の特殊性、「東京ロンダリング」をちょっと思い出した。「見守り屋」のみのテーマでも十分一冊いけるんじゃないかと思えるほど濃い内容だったが、そうすると重くなっちゃうかな。一話30分位の連続ドラマを見ているかのような気持ちにさせられた本書、できることなら続編を読みたい!祥子の物語をもっと読みたいのです。

  •  間が空きながらも、ようやくの読了。おいしいご飯とそれぞれの生活。嫌なことも苦しいこともあっても、おいしいご飯とお酒で何だか進めそうな気持ちになる。

  • 原田ひ香さん初読みでした。
    これ程タイトルに惹かれた本はないかも(笑)
    面白いようなそうでも無いような面白さ(謎)。
    とりあえずこの1冊では終わらないってことは確定。

    そういう話ではないけど、車移動が当たり前の田舎では味わいにくい楽しみであるところのランチ酒。ちょっぴり羨ましいかも(^^;

    ちなみに、これはモデルになってるお店があるんですよね?

  • 原田ひ香さん初読みです。
    とてもよかった。

    食事に合わせたお酒。
    これはたまりません。涎ものですな

    ただ、それだけではなくて、
    祥子は離婚して、娘を夫の家の置いてきている。
    自分が生きるのが精いっぱいという状況が、
    とても切なくて苦しい。

    「見守り屋」というちょっと変わった仕事をしてるという
    生きることのしんどさは人それぞれだけど
    受け止め方もそれぞれ。
    食事とお酒が力をくれるのなら、
    それは素敵なことだ。

    次があるならまた読みたい。
    祥子の心が元気になるのを
    読んでみたい。

    なんでかな、
    多分、美味しそうでいいなぁという話なんだと
    思うけれど、心掴まれた。

  • お酒がとても飲みたくなった…!
    祥子さんの事情はなかなか重いものだったけど、お昼においしいものとお酒を飲んで生きていくの、良いと思った。

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著者プロフィール

1970年、神奈川県生まれ。
2006年「リトルプリンセス2号」で 第34回NHK創作ラジオドラマ大賞最優秀作受賞。07年「はじまらないティータイム」で 第31回すばる文学賞受賞。著者に『ランチ酒 おかわり日和』(祥伝社刊)『東京ロンダリング』『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『三人屋』『三千円の使いかた』『まずはこれ食べて』『口福のレシピ』『サンドの女 三人屋』などがある。

「2021年 『ランチ酒 今日もまんぷく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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