ランチ酒

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 468
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635343

感想・レビュー・書評

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  • 昼間っから旨いお酒と、お酒に合うボリュームのある美味しい食事。
    夜と違って、日の明るい内に呑むビール、冷酒、ワインのなんて贅沢なことか。

    バツイチでアラサー、深夜専門の「見守り屋」祥子の、一仕事終えた後の食べっぷり呑みっぷりが豪快で、読んでいてこちらまで呑みたくなる。
    深夜の見守り・付き添い業の「見守り屋」の依頼人は訳ありばかり。
    老人に子供にペット…急に夜出掛けることになった依頼人の代わりをする「見守り」の需要は現実にも結構ありそう。
    本業の「見守り」の他、悩みを抱える孤独な依頼人の気持ちに寄り添う祥子の存在は、依頼人の頑なな心を優しく溶かしてくれる。

    「私は生きているし、健康だ。元気出そう。へこたれてなんかいられない」
    祥子自身が抱える悩みもまた根深いけれど、男性並みにお酒とランチをぐいぐい呑み食べする祥子のお陰で私も元気になれた。
    TVドラマに良さそう。

  • 最近よくあるドラマ仕立てのお店を紹介する番組を見てるようだと思いながら読みました。

    祥子さんの事情もなかなか興味深いもので、見守り屋という仕事も都会ならでは。

    漫画家さんの話が惹かれたかな。ちょっとした一言で後悔したりする事ってありますよね。

    サクッと読めるいいお話でした。

  • 犬森祥子は、昔の同級生・亀山太一が代表を務める会社で『見守り』という仕事をしている。
    夜間の仕事が主で、仕事終わりにランチを食べて寝に帰るから、ランチが一日最後の食事であり、だからお酒も飲んでリラックスしたい。
    ランチで入る店の条件は、昼からアルコールを出してくれる、『ランチ酒』ができる店だ。

    祥子が入った店の、美味しいお酒と食事の描写(これがとびっきり旨い&上手い)
    依頼人や、見守り対象との関係など、仕事の話(主に食事しながら回想している)
    離婚した、元・夫との関係、夫の元に残してきた小2の娘・明里(あかり)への尽きない思い。

    お話はこの3つが撚り合わさって構成されている。
    食べ物とお酒にも相性はあり、人間同士にももちろん相性がある。
    身近な人間ではなく、お金を払って祥子たちに「見守り」を依頼してくる人たちにも理由と事情がある。
    祥子はなるべくプライベートには立ち入らないようにしているが…
    良好な関係を築かなくてはいけない人とはうまくいかず、仕事がらみの人たちには信頼されたりする。
    人生はいろいろある。
    ただ、おいしい食べ物をしっかり、ていねいに食べて味わって、元気を出して、また明日を紡いでいく。
    人間はそうやって生きていくものなのだ。

    『武蔵小山 肉丼』『中目黒 ラムチーズバーガー』『丸の内 回転寿司』『中野 焼き魚定食』『阿倍野 刺身定食』『御茶ノ水 牛タン』『新宿 ソーセージ&クラウト』『十条 肉骨茶(バクテー)』『新丸子 サイコロステーキ』『秋葉原 からあげ丼』『新丸子リベンジ アジフライ』『代官山 フレンチレストラン』『房総半島 海鮮丼』『不動前 うな重』『秋葉原、再び とんかつ茶漬け』『中野坂上 オムライス』

  • 「あぁ、一杯の至福。」
    この帯文句に惑わされてしまった。「ランチ酒」というタイトルから、明るいグルメ小説なのかと勝手に勘違いしてしまっていた。でも、その間違った先入観を持って読み始めたから、いい感じに裏切られたかも。大体、原田ひ香さんがそんなに分かり易い作品にするわけがないのだ。
    「見守り屋」の仕事をする、バツイチ・アラサーの祥子。仕事で出会う依頼人のそれぞれの人生。ぽつぽつと語られる祥子の過去のエピソードも重なり、何ともほろ苦く切ない。だからこそ、仕事終わりのおいしい食事とおいしいお酒のフード描写が生きてくる。どうして祥子がランチとお酒を大事にするのかが、よくわかるのだ。登場する食事のま~あおいしそうなこと!ラムチーズバーガー、刺身定食、とんかつ茶漬け、etc…。この料理にこの酒を合わせるかという絶妙な取り合わせもまた新鮮で…外でお酒を飲まなくなって久しいが(しかもランチにお酒は飲んだことがないが)、自分もランチ酒をしてみたい欲求にかられた。
    「見守り屋」という仕事の特殊性、「東京ロンダリング」をちょっと思い出した。「見守り屋」のみのテーマでも十分一冊いけるんじゃないかと思えるほど濃い内容だったが、そうすると重くなっちゃうかな。一話30分位の連続ドラマを見ているかのような気持ちにさせられた本書、できることなら続編を読みたい!祥子の物語をもっと読みたいのです。

  • 原田ひ香さん初読みです。
    とてもよかった。

    食事に合わせたお酒。
    これはたまりません。涎ものですな

    ただ、それだけではなくて、
    祥子は離婚して、娘を夫の家の置いてきている。
    自分が生きるのが精いっぱいという状況が、
    とても切なくて苦しい。

    「見守り屋」というちょっと変わった仕事をしてるという
    生きることのしんどさは人それぞれだけど
    受け止め方もそれぞれ。
    食事とお酒が力をくれるのなら、
    それは素敵なことだ。

    次があるならまた読みたい。
    祥子の心が元気になるのを
    読んでみたい。

    なんでかな、
    多分、美味しそうでいいなぁという話なんだと
    思うけれど、心掴まれた。

  • ご飯もお酒もおいしそう。だけどほっこりご飯ものってわけじゃなくて、めちゃくちゃひりひりする…。

  • またまた原田ひ香さん。
    離婚し子供も手放してしまった犬森祥子は、同級生のもとで「見守り屋」として生計を立てている。深夜から朝方にかけて働き、家に帰る前にその日の疲れをランチ酒で癒す。
    うーん素晴らしい。昼から飲むお酒ってなんであんなにおいしいのでしょうね……。具体的な駅名と実在するらしい店舗という設定もまた飲酒欲をそそります。料理もとてもおいしそうに描写されていました。

    ただ、ストーリーは重い。少しずつ明らかになっていく主人公の過去。
    交際期間が短いままデキ婚、義実家同居と夫の浮気でうまくいかなくなり離婚、しかも子供の親権は向こうに。あまつさえ夫の再婚話……不憫すぎる。。
    ここまでの身の上話をもってくるなら、もう少し人物の造形を彫り込んで欲しかった気もする。
    でもあまりにも寂しすぎて酒でも飲んでないとそりゃやってらんないよ。

  • 1話が短いので読みやすかったけれど、「今流行りの」感が最後まで消えず…。
    食べ物やお酒の描写が美味しそうだった。
    主人公、幸せになって欲しいなぁ。

  • 図書館で借りたもの。
    犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。
    営業時間は夜から朝まで。
    ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。
    そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。
    今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!

    ランチ酒と見守り屋、離婚した元夫のこと、娘との交流を軸に描かれていた。
    登場するのは全部実在のお店。美味しそうなランチとお酒がたくさん出てきてお腹が空いたなぁ。
    見守り屋のお客たちも個性的。
    とても面白く読みました。
    続篇出てほしい!

    牛タン定食のとろろをどのタイミングでかけるか問題は共感した(笑)

  • バツ1三十路女性の昼呑みコラム風物語。

    第一酒 武蔵小山 肉丼
    第二酒 中目黒 ラムチーズバーガー
    第三酒 丸の内 回転寿司
    第四酒 中野 焼き魚定食
    第五酒 阿倍野 刺身定食
    第六酒 御茶ノ水 牛タン
    第七酒 新宿 ソーセージ&クラウト
    第八酒 肉骨茶(バクテー)
    第九酒 新丸子 サイコロステーキ
    第十酒 秋葉原 からあげ丼
    第十一酒 新丸子リベンジ アジフライ
    第十二酒 代官山 フレンチレストラン
    第十三酒 房総半島 海鮮丼
    第十四酒 不動前 うな重
    第十五酒 秋葉原、再び とんかつ茶漬け
    第十六酒 中野坂上 オムライス

    深く考えず、結婚、出産、離婚と人生を流れてきた犬森祥子がたどりついた先は、夜専門の見守り屋の仕事だった。

    夜勤明けにグルメと酒を堪能しつつ、仕事で出会った人達と別れた夫、娘との思い出がオーバーラップする。


    時に楽しく、時に痛飲するアラサーに共感できる人もいるのではないだろうか。

    グルメ、バツイチ、人間模様と面白い切り口。 

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著者プロフィール

原田 ひ香(はらだ ひか)
1970年、神奈川県生れ。2006年、NHK 創作ラジオドラマ脚本懸賞公募にて最優秀作受賞。2007年、「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞してデビュー。著書に『東京ロンダリング』『三人屋』『母親ウエスタン』『虫たちの家』『ラジオ・ガガガ』『ランチ酒』などがある。
(2018年5月10日現在)

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