- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635428
作品紹介・あらすじ
激しく胸を打つ、青さ弾ける傑作青春小説!
母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った五十円コロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。
そんな君を見ている人が、きっといる――。
感想・レビュー・書評
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R3.3.27 読了。
読後は「聖輔、がんばれ!!」って大声で声援をしたくなる。読み始めてすぐにこの世界観に引き込まれて、一気読みしてしまった。
主人公の20歳の聖輔が両親を亡くし、失恋し、大学を中退して途方に暮れているところから物語は始まる。だけど、このお話は決して暗くならない。そこが良い。
また、お金は無くとも恋愛して良いとか頼っていいと言っている人に頼るのも大事だとかなどは、心にグッときた。自分で人生の幅を狭める必要はないんだ、世間体とか考えすぎなくていいんだと教えてもらった。本当に良い話だった。読み終えるのが名残惜しい。田野倉のアツアツの揚げたてコロッケが食べたーい。
小野寺史宜さんの別の本も読んでみたい。
詳細をみるコメント1件をすべて表示-
虎徹さんこの作品を読んでからというもの、コロッケを食べる時は田野倉のものだと思い込んで食べてます(笑)この作品を読んでからというもの、コロッケを食べる時は田野倉のものだと思い込んで食べてます(笑)2023/03/21
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両親を亡くし、大学を中退。天涯孤独となった若者の再生の物語。主人公の聖輔はすごくいいやつです。聡明でがんばり屋で優しい。
でもこのような逆境となり、いろんなことを諦めていかざる得ない。これは相当辛いことだと思います。自分なら自暴自棄or無気力になるでしょう。
でも聖輔はまずは生活のため惣菜屋でバイトします。惣菜屋さんの人々が温かく、もの凄く支えになってくれます。聖輔の人柄ですね。
聖輔は現在の自分の生き方が、確実に未来に繋がっていることをしっている。だからこそ、毎日を悔いなく過ごそうとする。そこに私自身の20代を重ね合わせていました。共感すること大でした。この道でご飯を食べていくんだと無我夢中だった日々に。
人には自分にあった道があると思います。聖輔はたまたま務めた惣菜屋が自分にあっていました。私も学生時代、いろんなバイトをしましたが向いてないものはけちょんけちょんでした。でも評価していただいたバイトもありました。これが現在の職に繋がっています。
聖輔に好きなことを諦めないでほしい。
日々をひたむきに生きてほしいと願いながら読み進めました。
そして、そんな聖輔に忘れていた初心を思い出しました。読みやすくて、感動しながらあっという間に読了しました。
※店を持つのに必要なのは、経営力、技術そして運
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小野寺さんの作品は「タクジョ」に続いて2冊目。前回はタクシーで今回は惣菜屋さん。お仕事小説が得意なようだ。
本作品は両親が亡くなり、大学を中退してアルバイトとして惣菜屋に就職すると言う悲惨な状況ながら、それを全く感じさせない。タクジョと同様に主人公が素直で淡々と日常を送っているせいなのか、深刻にならずに読み進めることが出来る。
彼女らしきものも現れ、仕事の方も何とか先の展望が見えて来たところで終わっているので、将来の明るさも感じられて、読んだ後に心が温まって来る。 -
これで、ようやく2019年の本屋大賞ノミネート作品が全て読み終わった。
ノミネート作品の中で一番最後になったのは、最も“人畜無害"なイメージだったから。毒にもならない本ならいつ読んでもいいや、とついつい後回しに。
読んでみて、イメージどおりのやさしさに溢れた小説だった。でも、単に波風の立たない小説ではなかった。素直に面白かった。
20歳の聖輔は両親を亡くし、経済的な理由で大学を辞めざるを得なくなる。そんな時 どん詰まりの中、メンチカツをおまけで安くしてくれた惣菜屋との出会いで未来が見えてくる。
タイトルにあるとおり「ひと」についてを描いた小説。ひとはひとりでは生きていけない。じゃあ、ひととの繋がりってなんだろうか?
ということを考えるヒントをたくさん与えてくれる、そんな本だと思った。
若いひとは共感で涙するだろうし、年老いたひとはつかの間、若い気分を味わえる。
遅まきながら、読んでよかった。
それにしても、聖輔と青葉のその後がとても気になります。 -
この先、道が開けて行くこと感じさせる読後感。
なかなか街中でのコミュニケーションが取り辛い状況にあるけど、やっぱり人との縁というのは大事なんだと思う。テンポの良く描かれていて、先が気になる展開で、一気に読んだ。-
2023/03/17
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おススメされたので読んでみました。
いゃ〜暖かい。ホッコリした。とても良い作品だった。
結局は『ひと』なんですよね。
無駄無く、多くを語らず、最後の1ページ最後の一言で全てを伝えた作者、素晴らしいです。
こういう作品に自分は弱いんだって思い知らされました。 -
ラストシーンのあまりのシンプルさに驚いたけど、すごく良いと思った。
タイトル通り、人を描いた物語。
読み進めるうちに、主人公 聖輔の未来を応援したくなった。あとすごくコロッケを食べたくなった(笑) -
出会ってしまったな〜
ブクログ生活最高ですね
小野寺史宜さんの文書の感じ合う
自分とすごく合う
他にもいろいろ読んでみたいと思いました
(すぐに『まち』が控えてますが)
そして中身ですが
いい感じだな〜と思いました(なにそれ)
そしてこの物語をいい感じだな〜と思える自分もいい感じだな〜と思いました(ほんとなにそれ)
なんというかこのお話にちゃんと共感できる自分、悪くないね
の割に★4ですがw
いや多分小野寺史宜さんはもっとすごいの来るなこれ
その時のために★5は残しておこうの★4です -
会話も多く、淡々とつづられていく物語は読みやすく、サクサクどんどん読み進められるほど。
でもどこかしら心に響く言葉がちゃんと心に残っていく。
そしてそれらが読後に蘇ってきてゆっくりじんわりきた作品だった。
人、ご縁…
聖輔の人柄に時には危うさも感じたけれど、やっぱり人って、その人柄が人を呼ぶんじゃないか、その人柄が縁を引き寄せるんじゃないかと感じた。
一人じゃない、頼っていいんだよ、その言葉に聖輔はどれだけの思いが涙と共に溢れ出ただろう。
肉親以外の人との出会いから、どれだけ多くの温かさに触れどれだけ多くのことを学んだんだろう。
大切なもの…人に代わりはいない、譲れるものはあっても譲れない人、譲りたくない人がいる。
この一歩にたしかな成長を感じた。
誰かがちゃんと見ていて理解してくれて、手を差し伸べてくれる、一人じゃないよ、頼っていいんだよって言葉をくれる…そんな人の温かさが広がる、感じられる世の中だと良いな。
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全然愚痴じゃないよ♪
こうやってここはどうだった、こう思った、とか、いろいろなこと言えるのって、リアル読書会みたいで楽しい( ˃̵͈ ˂̵...全然愚痴じゃないよ♪
こうやってここはどうだった、こう思った、とか、いろいろなこと言えるのって、リアル読書会みたいで楽しい( ˃̵͈ ˂̵͈ )♡
また同時期に(なんせ記憶が危ないから)同じ作品を読めたら、語ってねーー٩(˃̶͈̀௰˂̶͈́)و2019/03/31 -
2023/03/17
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2023/03/17
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著者プロフィール
小野寺史宜の作品






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