ひと

著者 :
  • 祥伝社
3.90
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本棚登録 : 4246
レビュー : 471
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635428

作品紹介・あらすじ

激しく胸を打つ、青さ弾ける傑作青春小説!

母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った五十円コロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。

そんな君を見ている人が、きっといる――。

感想・レビュー・書評

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  • R3.3.27 読了。

     読後は「聖輔、がんばれ!!」って大声で声援をしたくなる。読み始めてすぐにこの世界観に引き込まれて、一気読みしてしまった。
     主人公の20歳の聖輔が両親を亡くし、失恋し、大学を中退して途方に暮れているところから物語は始まる。だけど、このお話は決して暗くならない。そこが良い。    
     また、お金は無くとも恋愛して良いとか頼っていいと言っている人に頼るのも大事だとかなどは、心にグッときた。自分で人生の幅を狭める必要はないんだ、世間体とか考えすぎなくていいんだと教えてもらった。本当に良い話だった。読み終えるのが名残惜しい。田野倉のアツアツの揚げたてコロッケが食べたーい。

     小野寺史宜さんの別の本も読んでみたい。
     

  • これで、ようやく2019年の本屋大賞ノミネート作品が全て読み終わった。

    ノミネート作品の中で一番最後になったのは、最も“人畜無害"なイメージだったから。毒にもならない本ならいつ読んでもいいや、とついつい後回しに。

    読んでみて、イメージどおりのやさしさに溢れた小説だった。でも、単に波風の立たない小説ではなかった。素直に面白かった。

    20歳の聖輔は両親を亡くし、経済的な理由で大学を辞めざるを得なくなる。そんな時 どん詰まりの中、メンチカツをおまけで安くしてくれた惣菜屋との出会いで未来が見えてくる。

    タイトルにあるとおり「ひと」についてを描いた小説。ひとはひとりでは生きていけない。じゃあ、ひととの繋がりってなんだろうか?
    ということを考えるヒントをたくさん与えてくれる、そんな本だと思った。

    若いひとは共感で涙するだろうし、年老いたひとはつかの間、若い気分を味わえる。
    遅まきながら、読んでよかった。

    それにしても、聖輔と青葉のその後がとても気になります。

  • なかなか20歳でここまで達観と言うか出来てる若者も居ないと思うが、そこはそれ野暮な突込みは無しで物語を楽しむ。主人公の周りには善人も、小狡い奴も、付け込もうとする奴も、ちゃっかりしている奴も様々。
    そんな中で倹しく誠実に日々を送る主人公を応援するしかない。
    最後には不覚にもウルッとキてしまったよ。


    作品紹介・あらすじ
    激しく胸を打つ、青さ弾ける傑作青春小説!

    母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った五十円コロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。

    そんな君を見ている人が、きっといる――。

  • 両親が急死してしまい、何とか独り立ちしていく20歳の男の成長の1年の物語…

    最初から不幸が続くけど、悲壮感もなく
    久々に安心して読める単純にハッピーエンドなお話!

    一番最後のページの主人公の言葉はそれを言うんだろうとわかってはいるんだけど、実際にページをめくって
    その言葉を見て、読んでみると鳥肌が立った

    読後感はとても良いサクッと読める良い小説だと思います。



  • 会話も多く、淡々とつづられていく物語は読みやすく、サクサクどんどん読み進められるほど。
    でもどこかしら心に響く言葉がちゃんと心に残っていく。
    そしてそれらが読後に蘇ってきてゆっくりじんわりきた作品だった。

    人、ご縁…
    聖輔の人柄に時には危うさも感じたけれど、やっぱり人って、その人柄が人を呼ぶんじゃないか、その人柄が縁を引き寄せるんじゃないかと感じた。

    一人じゃない、頼っていいんだよ、その言葉に聖輔はどれだけの思いが涙と共に溢れ出ただろう。
    肉親以外の人との出会いから、どれだけ多くの温かさに触れどれだけ多くのことを学んだんだろう。
    大切なもの…人に代わりはいない、譲れるものはあっても譲れない人、譲りたくない人がいる。
    この一歩にたしかな成長を感じた。

    誰かがちゃんと見ていて理解してくれて、手を差し伸べてくれる、一人じゃないよ、頼っていいんだよって言葉をくれる…そんな人の温かさが広がる、感じられる世の中だと良いな。

    • くるたんさん
      けいたん♪なるほど♪

      たしかに、私もゾッとした!ってか、部屋の合鍵渡した時点で、うーんだった。

      そしてあの女の子も私も好きじゃなかったよ...
      けいたん♪なるほど♪

      たしかに、私もゾッとした!ってか、部屋の合鍵渡した時点で、うーんだった。

      そしてあの女の子も私も好きじゃなかったよ。じゃぁ、あなたはどうなの?って言いたくなるぐらいだった。でも聖輔にはあれぐらいが良いのかもね、なんて思ったり(笑)。

      全体的に心理描写が細かくなくて会話が多かったからあまり考えさせられる間もなかったなぁ。
      読後じんわりきた感じ。聖輔の良すぎる人柄もちゃんと見ててくれた人がいるんだね、なんて思ったよ。
      なんか作者の意図にまんまとハマってしまった感じたわ、私(笑)。

      けいたん♪はすごく細かく丁寧に読んでるって、改めて思った、尊敬(* ॑꒳ ॑*)

      すごい充実した読書トークに感謝♡
      2019/03/29
    • けいたんさん
      くるたん、私の愚痴を聞いてくれてありがとうね(^-^)/

      本の感想って好き好きばかりじゃないけど、愚痴っぽいのってあまり感想には書け...
      くるたん、私の愚痴を聞いてくれてありがとうね(^-^)/

      本の感想って好き好きばかりじゃないけど、愚痴っぽいのってあまり感想には書けないので、くるたんに聞いてもらってスッキリしました(笑)

      面白くなかったわけではないです。いつもと違うジャンルを読めてよかったと思っています(⁎˃ᴗ˂⁎)
      2019/03/31
    • くるたんさん
      全然愚痴じゃないよ♪

      こうやってここはどうだった、こう思った、とか、いろいろなこと言えるのって、リアル読書会みたいで楽しい( ˃̵͈ ˂̵...
      全然愚痴じゃないよ♪

      こうやってここはどうだった、こう思った、とか、いろいろなこと言えるのって、リアル読書会みたいで楽しい( ˃̵͈ ˂̵͈ )♡

      また同時期に(なんせ記憶が危ないから)同じ作品を読めたら、語ってねーー٩(˃̶͈̀௰˂̶͈́)و
      2019/03/31
  • ラストシーンのあまりのシンプルさに驚いたけど、すごく良いと思った。
    タイトル通り、人を描いた物語。
    読み進めるうちに、主人公 聖輔の未来を応援したくなった。あとすごくコロッケを食べたくなった(笑)

  • 舞台は東京、江東区砂町銀座。何と20年ほど前に住んでいたところ。懐かしく思いながら、確かに新入りの人間にも人情のある下町だったなぁ、とあれこれ思い出した。
    主人公がこれまた自分の子どもの年齢と被り、うちの子はこんなにしっかりしてないなぁ…と戻れない時間を思ったりもした。
    人は人ときちんと向き合えば、味方になってくれる人と繋がることができる。でも、子どもが独り立ちできるようになるまで親は元気でいないといけない、とつくづく感じた。2018.8.19

  • 2019年のことですが~本屋大賞にエントリーされていたので読みました。
    2位になったんですね。
    突然、家族を喪い、一人になってしまった青年だったが…
    優しい気持ちになれるお話です。

    柏木聖輔は20歳。
    父は事故死、母が女手一つで大学に進ませてくれたが、ある日、急死してしまいました。
    途方に暮れる聖輔に世間の風は冷たく、わずかな貯金の一部を親戚に騙し取られてしまう羽目に。
    やむなく、大学を中退することにしました。
    空腹を抱えて、とある商店街の総菜屋さんの美味しそうな匂いに吸い寄せられるように近づいたとき‥

    素直な文章で、大変な危機が淡々と描かれ、そんなことがあるのか?!という気がちょっとしつつも、わかりやすいので自然に読み進められます。
    転がるように起きていく出来事に、はらはら。
    それでも善意の若者にはちゃんと、いつかは親切な人との出会いがあるのです。

    色々な人がいる。
    気の合わない人も狡い人も、面白い人もあたたかい人も。
    支えられ、支え合って、生きていく。
    重厚な傑作というのではありませんが、丁寧に気持ちがつながっていく様子が描かれていて、共感出来ます。
    この本を読んで欲しい、誰にでもおススメできる、
    本屋大賞2位も納得ですね。

  • 文章はすごく読みやすい。取り立てて何があるわけではなく、むしろ日々の主人公の生活が淡々と描かれている。それでも主人公に色々な意味で共感出来る。市井の生活の中にこそ幸せはあるのではないか、そう思わせてくれる一冊。

  • とんでもない喪失を味わう主人公、聖輔。父親も母親もなくし、大学も中退を余儀なくされ、持っているお金もほとんどないのに、この人はいったいどうしてこんなに強く、そして他人に優しくいられるのでしょう。20歳にしては酷すぎる経験をしているというのに、彼は人生を投げやりにすることなく、自分の生きる道を必死で模索します。自分が同じ立場であったら、とてもではないが、こんなに強く生きていけないだろうと思いました。もっと怒り、もっと嘆き、もっと人生やけっぱちになってもおかしくなんてない。でもこの主人公は、本当に素直に真っすぐに育ち、どんなに自分が苦しい状況でも他人のことを思いやれる素敵な青年でした。

    世の中の必然でしょうか、そんな彼に金をたかりに来る親戚、上から目線の一つ年上の慶応ボーイ、大学で同じバンド仲間だったのに部屋を悪利用する友人。読んでいるだけで、代わりに自分がぶっ飛ばしてやろうかと思ってしまうぐらいの連中に主人公はどんどんつけこまれていきます。

    しかし、これもまた世の中の真実なのが、「類は友を呼ぶ」という法則。こんなに心が清らかな青年、一生懸命に自分の運命を受け止めて前に進もうとする人間には、必然と応援する人間が表れてきます。主人公は、自分でも気が付かないうちにとっても暖かい仲間に囲まれながら少しずつ着実に成長していきます。

    後半は特に感情移入してしまいました。「もっとやったれー!」「しばいたれ!」「そこで彼女にアタックせんかいな!」 一人突っ込みの嵐でした。でも最後の最後、素敵な素敵なエンディングが待っていました。あぁ、世の中って捨てたもんやないんやな、この青年に負けんように、自分もがんばらないかんな、、そんな熱いものが喉まで込み上げてくる、そんな素敵な青年の成長物語でした。

    • まことさん
      kanegonさん。こんにちは。PC買い替えになってしまいましたが、とりあえず古いのを使っています。。。
      そして、ごめんなさいっ!先日PC...
      kanegonさん。こんにちは。PC買い替えになってしまいましたが、とりあえず古いのを使っています。。。
      そして、ごめんなさいっ!先日PCの調子悪い時に無理にいじったせいか、kanegon69さんのフォローのチェックがはずれていました。故意にはずしたりは絶対にしないのですが、機械ってわからないです。
      改めましてフォローさせてください。どうぞよろしくお願いします。
      「ひと」は本屋大賞2位で惜しかったです。
      瀬尾さんの本は、図書館、予約待ちでまだ読んでいないです。
      2019/05/04
    • kanegon69 さん
      まことさん、大変ですねぇ。コメントありがとうございます。PC買い替えとはこれまた手間がかかりますね。(ちなみに私はPC・スマホ併用です)
      ...
      まことさん、大変ですねぇ。コメントありがとうございます。PC買い替えとはこれまた手間がかかりますね。(ちなみに私はPC・スマホ併用です)

      私はブクログではUIの加減で(UIほんと良くない!)、他人とつながったり、他人のレビューを見るのが難しいと感じていて、半分あきらめています。なので、いいね!を押していないとか、フォローから誰が外れたとか全然チェックしていないですし、また気にもしていないです。なので気楽にお付き合いください。

      瀬尾さんの本は読み始めています。あいかわらず穏やかでほっこりする話ですね。いずれレビューあげます。

      「ひと」はとてもよかったです。この方、大きな展開がないストーリーなのに心理描写がうまいですね。感心してしまいました。エンディングの最後の一ページの演出も素敵でした。

      今後ともよろしくお願いします。
      2019/05/04
    • まことさん
      kanegon69さん。
      お返事ありがとうございます。
      PCのトラブルがあるとつい神経質になってしまいいろいろとごめんなさい。
      私も、...
      kanegon69さん。
      お返事ありがとうございます。
      PCのトラブルがあるとつい神経質になってしまいいろいろとごめんなさい。
      私も、瀬尾さんの順番、次みたいなので、楽しみにしています。
      新しいPCになってから、私も書きたいと思っています。
      2019/05/04
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著者プロフィール

1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第8回オール讀物新人賞を受賞。2008年『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『片見里、二代目坊主と草食男子の不器用リベンジ』『ひと』『タクジョ!』『食っちゃ寝て書いて』『今夜』『天使と悪魔のシネマ』などがある。

「2021年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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