春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン

著者 :
  • 祥伝社
3.39
  • (6)
  • (37)
  • (39)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 274
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635558

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お人好しオンパレードな小路先生の世界観が大好きな身としてはとても楽しかった……。一巻に引き続き二巻も癒されました……。
    続編が読みたい……!文庫版が早く欲しい……!!

  • 続編。
    前作の細々を忘れてしまったので
    また読み返そう。
    いいキャラ揃いで今後も楽しみ。

    [図書館・初読・12月27日読了]

  • よい人ばかりしか登場しないので、安心して読める。
    さらさらっと。
    それにしてもいったい幾つのシリーズものを平行して書いてるんだ!

  • 続きか読みたい

  • 今回はスケールの大きいお話し。でも、いつものように大切な仲間たちとその日常が背景にあって、とても魅力的なホームドラマになっている。天野さくらさんは今回もいい味出している。おもしろい。

  • 東楽観寺前交番に赴任して三年目になった宇田巡査。今回はお化け騒動と宇田巡査が何で刑事から交番のおまわりさんに配属になったかの謎が明かされる。二組の恋の行方は順調なようですね。

  •  ~手のつかぬ月日ゆたかや初暦~ ~初暦知らぬ月日は美しく~ (吉屋信子 作) そして、本は、いつだって、出会ったときが最新刊。なるほどです! 小路幸也「春は始まりのうた」、マイディアポリスマンシリーズ№2、2018.10発行。惰性で一応さらっと流し読みしましたが、話に深みが感じられないし、そもそもテーマが全くわかりません。そんな物語って・・・?。惰性で、次巻も読んでみますかw。

  • 【引用】三人で笑ったら、猫ちゃんたちが何事かって顔で皆こっちを見てた。(p.253)
    【感想】どことなく不穏な雰囲気はあったとしても登場人物たちのゆるい雰囲気であまり重くは感じられずおさまるところにおさまるだろうとのんびり読んでいられる。
    【内容】幽霊か妖怪出没したりたぶん巡が監視されたりいろいろあるけれどあおいや杏菜は恋もうまくいってて町のひとたちともずいぶん親しくなってけっこうシアワセだ。あおいと巡の周囲には特殊技能集団が構築されつつある。司令官はさくらさんかな。

    ▼簡単なメモ
    【一行目】〈東楽観寺前交番〉の入口脇にはコカ・コーラの真っ赤な木製のベンチがある。

    【あおい】楢島あおい(ならしま・あおい)。榛高校の生徒。黒髪ロングの美人タイプ。一見すると深窓の令嬢みたいと自覚している。マンガを書く資料として巡の写真を撮らせてくれと頼んできた。「春は」ではすでに漫画家デビューしている。姿勢がよい。いちいち動きが速い。祖母は平場師(簡単に言えば掏摸師)。高校を卒業して大手をふって巡とデートできるようになった。
    【天野さくら】→さくら
    【杏菜/あんな】鈴本杏菜。あおいの友人。ショートカットで日焼けしている運動部タイプ。実際に陸上競技部。一見キリッとしたクールビューティーだがしゃべると知らない人はイラつくかもといったローカルアイドルっぽいギャップ。両親はヤンキーだった。
    【あんばす】東楽観寺商店街にある老舗の喫茶店。モーニングサービスは厚切りトーストと目玉焼きセットかホットサンドセット。ホッサンドのツナが美味。
    【飯島団地】つくられて四十年経った超巨大団地で空き部屋が増えて一部分すさんできている。市川美春の住所。A棟からN棟まであり、それぞれが一から九まである。
    【市川君和/いちかわ・きみかず】泰造の伯父。スーパーを経営している。楢島さんちの旦那さんは高校の同級生でともに剣道をしていた。
    【市川公太/いちかわ・こうた】→公太
    【市川泰造/いたかわ・たいぞう】→泰造
    【市川美春/いちかわ・みはる】→美春
    【宇田源一郎/うた・げんいちろう】巡の祖父。やはり警官だった。存命していて施設に入っている。認知症が進み巡のこともわからなくなっている。
    【宇田巡/うた・めぐる】→巡(めぐる)
    【大村成寛】行成の父親。坊主歴三十数年。
    【大村行成/おおむら・ゆきなり】→行成(ゆきなり)
    【お祖母ちゃんと神様】あおいの作品。「コーバン!」の連載を始めたいが高校生の間は難しいので書いた短編漫画。
    【加寿子/かずこ】あおいの担当編集者。伝集社の社員。
    【カツヤ】鈴木勝也。泰造のPV製作に協力している。編集センスがすごい。坊主頭におかしな線が入っている。飯島団地で生まれ育った。コーヒーを淹れるのが上手い。
    【カンペン】その地域だけの特殊な「秘匿事項」のこと。交番勤務の警察官の間だけで使う言葉。
    【菊田和正/きくた・かずまさ】祥伝組のトップ。
    【久保一誠/くぼ・いっせい】警視正。
    【警察官】《警察官はおおむね幽霊や妖怪よりも人間がいちばん怖いと思っている人種だ。》春はp.11
    【ケイ】池田啓吾。泰造のPV製作に協力している。ドローンの操縦はほぼプロ。金髪。飯島団地で生まれ育った。
    【京清小学校/けいせいしょうがっこう】巡と行成の通っていた小学校。あおいや杏菜の母校でもあるらしい。
    【公太/こうた】市川公太。市川美春の夫。泰造の兄。行成の同級生。ちょっとやくざな仕事をしているがそうあくどいわけでもない。弟ほどではないが記憶を再生できる。巡や行成との飲み会で友だちってええもんやなあと思って改心し弁護士をめざしつつ弟の芸能活動をバックアップしている。
    【コーバン!】あおいの漫画家デビュー作。新人賞に応募して受賞した。
    【坂見町/さかみまち】東楽観寺の門前町。舞台となる町。奈々川市(ななかわし)にある。本材町に私鉄の駅ができたことで中心はそちらに移り静かになった。東京から電車で四十分。家族が暮らしやすい街と言われ若い夫婦が増えている。
    【さくら】天野さくら。質屋「天野屋」の主。八十六歳の年金暮らしだが裏で闇金をやっている。「天野屋の婆さん」と呼ばれているが本人は嫌がっている。この町の情報源でもある。「春は」では八十八歳になってまだまだげんき。どうやら国の中枢にいる超大物と友人らしい。
    【仕立屋銀次】掏摸の親分。鉄道で仕事をする「箱師」だったそうだ。おおむねチームで仕事をする。それに対して雑踏などで、おおむね一人で仕事をするのが「平場師」。
    【自転車】火急の用事がないかぎりパトカーは使わず自転車を使うのが交番の常識だとか。
    【菅野みつ】あおいの祖母。楢島悦子の母。「昭和最後の平場師」と呼ばれた天才掏摸師。戦災孤児で夫もそうだった。生きるため自然に腕が磨かれた。仕立屋銀次のライバルだった掏摸の弟子でもある。あおいには自分より天分があると言った。
    【鈴本整備】自動車整備工場。娘は杏菜。敷地内に置いていた車のタイヤが三台パンクさせられていた。
    【空】市川公太と美春の子ども。
    【泰造/たいぞう】市川泰造。ミュージシャン。最初の巻では二十二歳。生活のために伯父のスーパーで働いている。動けるデブだと有名らしい。《家庭環境が悪いとかデブだからとかうんぬんかんぬんとかからさ。音楽やってる俺は無敵。売れなくたって無敵。メジャーにならなくたって無敵。》p.62。部活で行成の後輩だった。意識もしていなかった記憶をビデオを観るように思い返すことができる。個人的には岡崎体育さんをイメージしながら読んだ。
    【泰造のアパート】泰造が暮らすアパートには部屋に囲まれた中庭があってなぜかチョッパータイプのバイクが置かれているが経路がなくどこから入れたのかわからない。
    【タビ】さくらさんちに来るようになった黒猫。人にとても馴れている感じ。さくらさんが昔飼っていた猫の名前をつけた、というより仮に呼ぶようになった。以前の猫は足だけ白く足袋をはいていたようだったからだが二代目は全身黒いがまあいいかと。
    【魂】《文集に高校を卒業したら、一年間に一グラムずつ魂が重くなるって書いた子がいたんだよ》p.18
    【寺】行成の考えでは《お寺は、その地域でもっとも安全で心安らかにいられるコミュニティスペースであるべきで、それこそが存在意義である》p.134
    【特別地域事情要件】その土地土地に合わせた柔軟な対応をしろということらしい。交番前にコカ・コーラの(と思われた)真っ赤なベンチや、ゴミ箱があるのもそれらしい。好意で置いてくれたものを断らないのも地域住民の印象を鑑みてということらしい。
    【楢島あおい】→あおい
    【楢島明彦/ならしま・あきひこ】四十六歳。あおいの父。市役所勤務。市川泰造の伯父の同級生でともに剣道をしていた。マンガにはまったく興味がなく読みもしないが娘はかわいい。あと、動物が好きでいろいろ飼ってきた。
    【楢島悦子/ならしま・えつこ】あおいの母。買い物のとききっちり暗算して小銭まで支払う。マンガ好きで漫画家になりたかった。あおいのマンガにも容赦なく批評の弾幕をたたき込む。
    【二伊沢智明/にいざわ・ともあき】警視正。巡を刑事に引き上げた人物らしい。
    【西山孝造/にしやま・こうぞう】先輩警官。巡査部長。すでに十年ここで勤務している。
    【ネタ】あおい《退屈な授業はあるし、イヤなクラスメイトもいるけれど、それもこれも全部マンガのネタだって思ったら全然オッケー。》p.48
    【榛高校/はしばみこうこう】本材町(ほんざいちょう)にある高校。
    【浜本晋一郎/はまもと・しんいちろう】ケイとカツヤが寝起きだけはともにしている九十近くの老人。社会人だった息子の義夫が精神を病み自殺して生活が壊れた。じつは元警察官で東楽観寺前交番で勤務したことがある。
    【東楽観寺】交番の後ろにある。
    【東楽観寺前交番】巡が勤める交番。東楽観寺の入口のすぐ脇にあり、まるで守衛の詰所みたいな感じ。東楽観寺の境内に小屋があって交番勤務の警官はそこで暮らすらしい。いろいろと「特別地域事情要件」があるらしい。
    【非番】警察官の「非番」は当直の二十四時間勤務明けと一日休み。「休日」は一般社会人と同じもの。
    【マッキー】真紀子。美春の高校でのクラスメート。鷺沢不動産の娘で結婚して家を出ている。
    【美春/みはる】市川美春。不審な財布の中に入っていた免許証の持ち主。一般的にはその財布もこの人物のものだと思われる。二十八歳。住まいは飯島団地。いろいろあったがあおいたちと親しくなったころにはけっこうシアワセそうでわりとゴーカイな性格だということもわかってきた。
    【巡/めぐる】宇田巡(うた・めぐる)。主人公? 東楽観寺前交番に勤務する警官。元捜査一課の刑事だった。二十五歳だが童顔で私服だと高校生に間違われることもある。子供に親しまれる自信あり。長身でバスケットボールが好き。食事の速度が驚異的に遅い。捜査一課やったのに? 趣味は映画の予告編を(ネットで)観ること。また、本編より面白かったりするしね。どうやらいろんなことを調べるきっかけにしているようだ。そう考えると知識欲を満たすことがしゅみなのかもね。
    【柳勇次/やなぎ・ゆうじ】巡の同期の警官。おそらく監察。
    【行成/ゆきなり】大村行成。巡の幼馴染みというか小学校の数年間の友人(九歳まで)。東楽観寺の副住職。坊さんなので今は「ぎょうせい」と呼ぶらしいが友人の間では昔ながらの「ゆきなり」でいいそうだ。顔がシャープなのと禿頭でスーツを着たら暴力団の若頭に見えそうだ。法話はとても上手いと自覚している。口八丁でいくらでもネタを広げられるし声も滑舌もよい。
    【ゆとり】市川泰造いわく《今を生きる我らに心のゆとりをもたらすのは、一ヶ月は食っていける程度のおかねですよ》p.73
    【立番/りつばん】交番の前に立って警戒しとくこと。東楽観寺前交番では特に必須ではない。

  • 平和なストーリー。

  • 春の暖かさが事態を動かす。過去を封印する者、暴く者。

全35件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

小路幸也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×