- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635800
感想・レビュー・書評
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両親を火事で亡くし、歩荷として働く祖父に育てられた江頭瞬一。
祖父の仕事を継ごうか悩んでいたところ、祖父から東京へ出るよう諭される。
他所の世界を知り、人と交われと。。。
高校を卒業し、大学に行くわけでも、就職をするわけでもなく、東京に住むことになった瞬一は、コンビニや引越しのバイトで生活費を賄う。
住んでいるアパートでは、隣に住む母娘から、虫が出る度頼りにされる頼もしい存在だ。
東京の生活に馴染んだ頃、祖父が東京に顔を出す。。。。
ひとに続き、この先生の作品は二作目かな?
人が温かいんだよなぁ。
読んでいると、口角が自然と上がるような、そんな作品。
とにかく主人公が良い子で。
我が家にお婿に来て欲しいくらい。
こんな良い子を描ける小野寺先生も、いい人なんだろうなぁ。。。
本の途中、コロッケやさんが出てきて、うふふ(๑・̑◡・̑๑)な気分になった♪
もう一作何か似たような本が出ていた気がする。
ぜひ読んでみたい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな人になりたい。
主人公の瞬一くんは
宮沢賢治の
『雨ニモマケズ 』に
出てくる人だ。
器が大きい、
というより人して綺麗。
なににつけても
見返りを求めない。
私には遠い道のり・・・
でも諦めないで、
できる限りで
頑張ってみよう。 -
作者4冊目。今回のお仕事はアルバイト。
両親が事故に遭い亡くなってから、祖父に育てられた主人公の舜一。素直に育った舜一は祖父からの勧めで東京で一人暮らし。普通は大学や専門学校と思うのだが、明確な目標が無く、故郷を想い江戸川区のアパートに住み、コンビニのバイトから始める。
前作の「ひと」に近い展開。徐々にアパート周辺や勤め先の人達との交流が始まるのも同じ。「ひと」の舞台となった砂町銀座の惣菜屋が出て来たのにもホッコリさせられる。
癌を隠して上京して舜一に会いに来た祖父の言動など感動的な場面もあるが、淡々と進むので深刻な気持ちにならずに読める。この作家の持ち味なのだろう。 -
本の裏表紙のスカイツリーの絵。
読み終えて作中の言葉を思い出す。
「あれは上るためのものじゃない。
遠くから眺めるためのものだ」
高校を卒業後、進学でもなく就職でもなく
群馬の村から東京に出てきた瞬一。
「東京に出て、よその世界を知れ。
知って、人と交われ」
じいちゃんの こんな言葉に背中を押されて。
18歳の青年の住まいは荒川の河川敷近く。
アルバイトをしながら、
少しずつ周りの人々と交流を深めていく。
正直で優しく、187㎝の長身で力持ちの瞬一。
彼の力が 友人や隣人を助けることも。
じいちゃんはこうも語る。
「瞬一は頼る側じゃなく、頼られる側でいろ。
人は大事にな」
登場する人々が、みんな愛おしい。
となりの部屋に住む君島さん母子。
階下の笠木得三さん。
バイト仲間で 血の気の多い 野崎くん。
細々と世話を焼いてくれる 郷里の村の 摂司さん。
そして 何と言っても一番の素敵は、じいちゃん。
ちょっとした事件がいくつか起こるものの
おだやかで優しい空気が終始流れ、
忙しさや喧騒に疲れた心を ふっとほどいてくれる。
全くの余談ですが、先日 友人と訪れた姫路城。
あまりの暑さに、外から眺めるだけにしました。
「お城は中に入るためのものじゃない。
遠くから眺めるためのものよね。美しいわぁ!」
なんて…。-
2023/08/07
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yyさん、こんばんは。
今、姫路城のテレビを見ています。
私も2ヶ月前に姫路城に行って、上まで上りました。
めちゃくちゃ暑くて、夏は上るもん...yyさん、こんばんは。
今、姫路城のテレビを見ています。
私も2ヶ月前に姫路城に行って、上まで上りました。
めちゃくちゃ暑くて、夏は上るもんじゃないと後悔しました。
7~9月は姫路城は外から見るだけが正解ですね。
本とは関係ないですが、言いたくなっちゃったので、失礼...2023/09/13 -
Kazuさん
こんばんは☆彡
(笑)(笑)
楽しいコメント、ありがとうございます。
私は何年か前、11月に上りました。(秋は...Kazuさん
こんばんは☆彡
(笑)(笑)
楽しいコメント、ありがとうございます。
私は何年か前、11月に上りました。(秋は正解!)
それもあって、この前は暑さに参って
「負け惜しみ退散」ができたわけ。
姫路城って、ARやCGが見られる場所もあるし、
アプリをダウンロードすれば、
動画の解説を見ることもできる楽しいお城。
私が一番興味深いと思ったのは、西の丸長局。
千姫に仕えた侍女たちがいたというところ。
あの廊下は印象的でした。
Kazuさんのお陰で、思い出しました。
ありがとうございます♪
2023/09/13
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小野寺さん5読目。
文庫本狙ってましたので、即購入。
この作者は、ほっこりできるし、難しいこと考えずに読める割に大事な事を教えられる読後感がいつもありますね。
『ひと』に表紙のテイスト似てますが、全く別のお話です。
主人公が若い男の子なのは同じ。
東京の下町がたくさん出てくるのは同じ。
うー、どっちも面白かった!
高校卒業と共に、東京に出て、進学せず就職せずバイトしながら生きていく生活の日々。
じいちゃんのすすめで、東京に出てきた、なぜ?は最後の方でわかる。
コンビニや引越しのバイト、ご近所とのつながりの中で、成長していく過程が素敵。
★じいちゃんの言葉
人に頼られる人になれ、お前を頼った人は、お前をたすけてもくれるから。たすけてはくれなくても、お前を貶めはしないから。
★主人公の言葉
身内でも何でもない人の長所を素直に認め、自分ではなくその人のようになれと言えるじいちゃんのような人に、僕はなりたい。
東京に出てきた頃の自分を思い出して懐かしくなりました。わざわざ渋谷の美容院行ってみたり、六本木行ってみたり、ミーハーだった……。。
主人公はかっこいい!こんなきれいな心で、誰からも好かれるような素敵な青年、幸せになってほしい!
ミックスフライ弁当、食べたくなります!
家で缶ビール飲みながら♪
そして、ランニングしたくなる、最近なにかと理由つけて運動不足なのであります -
じいちゃんがカッコいい。
小学3年生で両親が亡くなり、歩荷のじいちゃんに引き取られた。高校を卒業して一人で東京に出てきた瞬一が周りの人と交流していく話。
「瞬一は、頼る側じゃなく、頼られる側でいろ」このじいちゃんの言葉通り、小さいことだけど頼られる人になっている瞬一はすごい。利他の精神を持つべきだと思っているのだけど、ここぞという時には自分を優先してしまうだろう自分が悲しい。
「人を守れる人間になれ」、これが自然に表に出る瞬一には幸せになって欲しいなと強く願いました。 -
瞬一のように、自分の境遇を受け入れて自然体でいられる。真っ直ぐな生き方に憧れる。とても心が洗われる話だった。
じいちゃんの生き方が良かったんだな。人は影響しあって生きているんだって感じた。
年の差は関係無い。上手くいって欲しい。
「筧ハイツ」って何か覚えている。
コンビニ、高校の近く、井川幹太って
なんだったっけ、「横道世之介」だったか?
あーいや「ライフ」だ!懐かしいー -
テンポよく流れる物語にテンポよく流れる涙。
今まで読んだ小野寺作品の中で一番泣いた。
うん、一番好きかも。
体を動かすことが好きな青年の日常、何気ない日常、人とのふれあいがただひたすらテンポよく紡がれていくその心地良さは今作も健在。
年長者の言葉は宝。
特におじいちゃんとの会話はストレートに、力強く心に響き、目からはテンポよく涙があふれ出したほど。
人として生きていく上での当たり前なこと、大切なこと、それを素直に掬い取り生き方に繋げるそんな一人の青年の物語。
心に沁み過ぎた。-
新年明けまして、おめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
いつもいいね!有難う御座います。
やま
新年明けまして、おめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
いつもいいね!有難う御座います。
やま
2020/01/01 -
やまさん♪あけましておめでとうございます。
こちらこそいつもありがとうございます♪
今年もよろしくお願いいたします♪やまさん♪あけましておめでとうございます。
こちらこそいつもありがとうございます♪
今年もよろしくお願いいたします♪2020/01/01
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表紙のイラストから完全に『ひと』の続編だと思って手に取りました
ぜんぜん違いました(微妙にリンクしてますが)
詐欺やん!表紙詐欺やん!(ひどい言いよう)
詐欺ではありましたがすごい面白かったです(詐欺なのは譲らない)
穏やかに流れる時間の中でいろいろな出来事が起こりますが主人公はそのひとつひとつにとても丁寧にとても誠実に対応して行きます
そして周囲の人に心を配り、助けたいと意思をもった行動は小さな幸せを招いていきます
当然です
良い行動が良い結果をもたらすのは当然です
もちろん時には避けられない不幸な出来事も起きますが積み重ねることで乗り越えられるのです
そんな主人公の生き方はじいちゃんの影響であることは間違いなく
じいちゃんは文字通り『前を歩く人』です
より重い荷物を背負いながらも道のりを楽しめる人です
死の目前にあっても他人を思いやれる人です
後に続く若者の手本となれる人です
自分もそんな人になりたいと思いました -
偶然にも、つい最近、東京都の江戸川区平井に行くことがあり、まさに本書が平井のまちのお話だったので驚きました。
東京駅からJR総武線に乗り、途中で普通電車に乗り換えます。電車から、大きな川と河川敷、野球場などが見えました。あれが荒川だったんだろうと思います。広い河川敷と穏やかな川の景色がとても素敵だなぁと感じました。
群馬県の尾瀬で祖父に育てられた江藤瞬一くんが、高校卒業後、単身で東京に移住します。
コンビニでのアルバイトから始まり、引越しの日雇い仕事も経験しながら、人と繋がり、人に頼られ、平井というまちで暮らす青年。
仕事で体を動かし、スーパーで安いお弁当を吟味する。休日は川を眺めたり、まちをランニングしたり、喫茶店で図書館の本を読んだり。
いたって静かな暮らしですが、アパートの住人やバイトの仲間など、人との縁を大事に暮らす彼の生き方は、とても安心感があり、こんな人と出会いたいなぁと思わせてくれます。
群馬の村にも、東京の平井にも、彼の居場所は確かにあり、彼は、ひとからもまちからも愛されている存在なんだと思います。
自分にとっての幸せって何かな…
どんなひとになりたいかな…
どんなまちに住みたいかな…
そんなことをぼんやり考えながら読みました。
心温まる素敵な作品です。
著者プロフィール
小野寺史宜の作品





