二重らせんのスイッチ

著者 :
  • 祥伝社
3.68
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本棚登録 : 279
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396636234

作品紹介・あらすじ

俺は犯人なのか――。
強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。
証拠は全て雅樹の犯行を示す!
最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。

「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」
2015年2月、桐谷雅樹の“日常”は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。

感想・レビュー・書評

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  • どこまで書いたらネタバレで、どこまでなら許容範囲か迷うところですのでネタバレで書きます。
    中盤までのストーリーを書きますので、これから、読まれる方はお気をつけください。



    桐谷雅樹26歳は大手生命保険会社のシステムエンジニアです。
    ある日突然警視庁からきた男たちに、防犯カメラに強盗殺人の凶器を購入するところと、強盗殺人のあった家の防犯カメラに映っていたという理由、またDNAが凶器から検出されたという理由で逮捕され留置場に入れられます。

    しかし、その時間の雅樹ののアリバイがいきつけのカフェで証明され釈放されます。
    雅樹は会社に不起訴が確定するまで来ないようにいわれ人生が暗転します。

    そこで、雅樹は実家に帰り両親に「生き別れた双子の弟がいなかったか」尋ねますが、両親は即座にいないと答えます。不審に思い雅樹は戸籍謄本を調べると、アメリカ合衆国に国際養子に出された基樹(ジェイク)という二男がいたことを突き止めます。

    そして突然、雅樹のところへ、ジェイクと元米軍兵士のナガノと名乗る男が現れ拉致されてしまいます。
    ジェイクはGret Plan「大いなる計画」を実行するのだと言い、雅樹に1カ月間協力して自分に日本語を教えれば、解放すると言います。
    基樹はアメリカで養父母が離婚して、新しい家族の厄介者とされ日本という国に復讐するのだと言います。

    1カ月間日本語を教えながら過ごすうちにジェイクと雅樹の間にはやはり双子の兄弟としか思えない親近感が沸いてきます。
    そして、ナガノは最初からジェイクを騙していたことがわかり、奪った2千万円を持って逃亡しようとするのを基樹と雅樹は追いかけますが…。



    自分の生き別れた双子の兄弟を探すのに自分で犯罪を起こして逮捕させるというのは凄い発想だと思いました。
    後半明らかになる両親の釈明も大変納得のいくものでよかったです。
    伏線回収もお見事でした。
    双子の兄弟というものにはやはり普通の兄弟以上のシンパシーがあるのだなと思いました。
    後半は気持ちがほっこりするミステリーでした。

  • 【王様のブランチ・BOOK】辻堂ゆめさんインタビュー<二重らせんのスイッチ>(2022月年4月30日 ) - えとせとら本棚
    https://matome.readingkbird.com/entry/2022/04/30/123130

    sekuda(@i_WantMoreTime)さん / Twitter
    https://twitter.com/i_WantMoreTime

    新作『二重らせんのスイッチ』が発売になりました | 辻堂ゆめ Official Website
    https://yumetsujido.themedia.jp/posts/33756902

    s-book.net Library Service
    https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=9784396636234

  • 辻堂ゆめさんは東大法学部卒
    子どものころアメリカにいたことがあるんですね、
    新川帆立さんと一緒です。

    新川さんの単行本はすべて読みました。
    面白くてどんどん進んだのですが、ラストが
    期待ほどではなかったみたいです。

    一方辻堂ゆめさんは、
    梅雨みたいにじとっとしているんだけど
    梅雨が開けたらスッキリ!
    私こういうミステリーが好きみたい。

    DNAのこととか、PCのこと(Windowsのパスワードリセットと閲覧履歴の復元)なども知ったので、読んでよかったです。

  • 好きな作家さんなので迷わず手に取りました。
    変な前置きがなく、いきなり物語が展開していくので、すぐに物語に入り込めました。一卵性双生児についての話は腐るほどあるけれど、国際養子縁組の仕組みに触れていて、新しい視点になっていたと思います。
    ラストは私の予想とは違って、2人ともが良い方向へ向かっていったハッピーエンドだったのでよかったです。私の予想は最後の空港で2人が入れ替わるんじゃないか?って感じだったんですけどね笑

  • 突然身に覚えのない強盗殺人の容疑で逮捕されてしまった雅樹。現場に残されたDNAと防犯カメラの映像、という動かしようのない証拠があり絶体絶命かと思われたものの、思いがけずアリバイが証明され容疑は晴れることに。しかしなぜこのような証拠が現場に残っていたのか。そして事件の真相は解決しないまま、さらに雅樹に降りかかるとんでもない災厄と驚きの事実。息もつかせぬ展開のミステリです。
    これは……序盤で明かされるとはいえ、このネタを明かしちゃうと驚き半減なので、詳しく語れませんが。スリリングな展開にぐいぐい読まされます。中盤からどうしようもなく絶望的な状況に置かれた雅樹なのだけれど、なぜか不安ばかりでもなく、希望もあったりして。一方で「大いなる計画」の内容になんとなく想像がついたので、それはそれでどきどきさせられるし。一気読みでした。

  • 大手ソフトウェア会社でプログラマーとして働く桐谷雅樹は、身に覚えのない事件の容疑者として逮捕される。必死に無実を主張するも、防犯カメラに映る犯人の姿は確かに自分と酷似していた。自ら希望したDNA鑑定の結果はまさかの一致率99.99%! 
    “タイトルがネタバレでしょ”と思いながら読み始め、予想通りの展開に唖然とした。が、さすがは辻堂さん。序盤の展開こそ読めたものの、そこから先はこちらの予想の更に上をいく展開に驚嘆した。ちょっと苦しいかなと思いつつ、十分楽しめたのでよかった。

  • あらすじを読んで、とても面白そうと思って一気読みしました。
    分厚い本とは思えないくらい、飽きずに読めて、次々と本当の事実や想いがわかりやすく、面白かったです。

  • Amazonの紹介より
    2015年2月、桐谷雅樹の“日常"は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。


    上記の内容は比較的初めの方なので、どっちかというと、その後の展開に重要な要素が多くありますので、ネタバレなしで感想は正直書きづらいかなと思いました。

    ネタバレなしでの感想となると、伏線の回収が鮮やかでした。今までの辻堂作品もそうですが、回収していく過程が清々しいので、読了もスッキリ感があります。
    この作品でも、一つの行動の裏側では、こういうことがあったんだと後半になってわかっていきます。それがカチッとはまるかのように清々しさがあって、良かったです。


    ネタバレを含めての感想では、実は主人公は双子なのですが、その背景には虐待や産後うつ、国際養子縁組といった社会問題があります。
    辻堂さんの前作「トリカゴ」では、無戸籍をテーマにした物語であり、今回は養子縁組をテーマにしています。

    最近の辻堂作品の傾向として、社会問題を組み込んでいるので、ミステリーだけでなく考えさせる要素もあって、今後の作品に注目したいと思います。

    国際養子縁組という言葉は初めて聞いたので、その内容が一瞬本当の話なの?と思ってしまいました。

    もしも自分の知らないところで、双子がいたとしたら?
    現実ではなく夢なのではと思ってしまいます。
    段々と明らかになる家族の隠された秘密。苦労の果ての末に、良くない結果を生んでしまいます。
    その行動が間違いという言葉にしてしまうと、ちょっと違うのですが、何とかできなかったのかと悔やんでも悔やみきれない気持ちになりました。

    みんな悪くないけど、悪い方向へと進んでしまうという複雑な心境に、子育てや教育をすることの難しさを感じました。
    ミステリーを楽しむというよりは、ミステリーを通して社会問題を知ってほしいというメッセージがあるように思いました。
    何事も正直に。特に家族内では、正面と対等に向き合っていくことが大切であると思いました。

  • 愛には愛が必要という話。

  • DNAによるこの「証明」は完全無欠だと思っていた。まさか、そこにこんな大きな落とし穴があったなんて。
    ということは、今後これを使ったトリックでは完全犯罪は作れないということか…おそるべし科学の進歩。

    強盗殺人事件である日突然逮捕される。防犯カメラに写っているのは自分、現場に残されたDNAも自分のと一致。ってことは、犯人は自分なのか?全く身に覚えがないのに、これだけ証拠がそろっていたら言い逃れもできない…
    怖い、これ、ホントに怖い。
    タイトルである程度ネタバレはするけれど、何も書けない、感想が。

    ただ、非常に面白く読み終えはしたのだけど、なんとなく腑に落ちないところもあれこれ。

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著者プロフィール

1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。大学在学中、第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞。2015年『いなくなった私へ』で作家デビュー。清冽な筆致と驚きに溢れた構成で一躍注目作家に。21年『十の輪をくぐる』が第42回吉川英治文学新人賞候補。22年『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞を受賞。他の著作に『あなたのいない記憶』『あの日の交換日記』など。

「2022年 『二重らせんのスイッチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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