Paradise Kiss (5) (Feelコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
3.73
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  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 2020
感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396763084

感想・レビュー・書評

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  • 私の心の殿堂入り少女マンガのひとつ。
    矢沢あい先生は神である。
    NANAより、ご近所物語より、天使なんかじゃないよりも、私はパラキスが好きだ。

    何年かぶりに読み返してみて気付いたこと。

    小泉ジョージという男の格好良さとどうしようもなさについて記したい。

    少女マンガってスパダリ的なヒーロー(主人公と結ばれる男性)が多い。
    そりゃ少女マンガはフィクションで女性のドリームでファンタジーでもあるのだから、もちろんそれでも良いのだけど、そのヒーローの内面(特に主人公への恋愛感情以外)に踏みこんだ作品って意外に少ないと思う。そこがたまに物足りない。

    だか本作の小泉ジョージは違う。
    ジョージはどうしようもないナルシストでややこしい美意識の持ち主で、ジェントルマンで一見スパダリなんだけど、女性に厳しく割とかなり面倒臭い。
    そんなこんなで主人公・紫にもめちゃくちゃ厳しい。

    少女マンガでよく見るいわゆる恋愛脳の女の子(恋愛が一番大事)はジョージから見向きもされない。
    ジョージが好きな女の子は、(ジョージとの)恋愛より自分の夢をちゃんと大切にして、自分の人生とちゃんと向き合って真剣に生きている自立した美しい女である。

    そんなジョージを好きになることで、周りの期待に応えることを優先し、自分の人生に向き合う機会のなかった主人公・紫も自立した女性になっていく。

    しかしそんな女性であろうとする限り、ジョージと恋愛関係を伴って一緒にいるのはとても困難という矛盾した状況に陥る。
    紫はジョージが好きでいてくれるような人間であろうとするならば、ジョージとは一緒にいられないことを痛感し、2人は別の道を歩くことを選択するのだ。
    ちゃんと2人は両思いなのに。

    でも紫にとってもジョージにとってもお互いの存在が大切で大きな存在であることには変わらない。
    それがわかる結末がハッピーエンドと言って良いはずなのに、読むたび切なくてもう毎回のたうち回ることになる。

    あの、パラキスの服の詰まったジョージからの最大級の愛が詰まった空間で紫が泣き崩れるシーンには毎回泣く。
    歩む道は別れた2人だけど、あの空間がジョージという男からの、紫への惜しみない愛の結晶であることは、これまで物語を読んできた読者には理解できるからだ。

    この結末がすさまじく最高なんだよな…。

    ジョージの話に戻ると、自立した女性を求めながら実は寂しがりで危うい面を持っているのもジョージという男である。
    この辺のアンバランスさとわかりづらい弱さの描写が矢沢先生、神だなと思う。

    好きな女性に自立した精神を求めながら、それにより自分の寂しさを埋められないのがジョージという男である。
    なんて面倒臭くて愛おしいヒーローだろうか。

    作中ではジョージの内面描写はほとんど描かれず、ジョージのモノローグもまったくない。
    でも作中のジョージの表情や振る舞いから読者はジョージの抱える弱さを垣間見る。
    そしてジョージという男が少女マンガにおける女性の願望として一見完璧な存在でありながら、ちゃんと物を感じ生きている男性なのだということを思い知る。
    この辺りの描写の仕方も矢沢先生、神だなと思う。

    自分で書いててよくわからなくなってきたけど、
    とにかく私はこのマンガが大好きだ。

    ジョージも紫も美和子ちゃんも嵐も徳森くんも香さんも、この作品の登場人物みんな大好きだ。
    また定期的に読み返したくなるであろう作品である。


  • ぼくにとっては、衝撃的な漫画でした。
    読み終わってからしばらく、現実に帰って来れませんでした。
    この本のよさは、男子もときめくほどのキラキラ感、だけではない。

    ひとりひとりの人物が、生き方を教えてくれている。

    夢中になれるものに、夢中になる。
    自分が主人公になって、すべてを引き受けて生きる。
    矛盾や痛みからも逃げず、ありのまま抱えて生きる。
    無理に忘れようとしたり、遠ざけようともしない。
    そうすると全ては自然に、最も良いカタチで共生できるようになっているのです。
    全てはそうなるようになるのです。

    少女漫画の枠を超えた芸術作品だと思う。
    感動しました。

  • ZIPPER立ち読みしてたんだけど。(モチロン、持ってるパラキスは初版w)
    衝撃的な最終回(笑)


    漫画だから、マンガで終るかと思いきや。


    リアルな方向で
    夢を見せずに終ったなぁという衝撃的な最終回で
    その場で友達に
    「ちょっとーーーーーーーーーー!」と
    電話した記憶あり。(メールだったかな。)



    マンガキャラで付き合いたい人ランキングbest5に入る
    ジョージです。。。

  • 人生べすとてんに入るマンガですね!
    最初はこのラストに納得いかなかったけれど(笑)。
    「離れていていても愛を誓い合う恋人たちはたくさんいるのに、どうして私たちにはそれが出来ないんだろう」とかのあたりで号泣。貸倉庫のところとでいまだに泣ける。

  • パラキス。
    かの有名な矢沢あい先生のマンガ。

    ご近所も好きだけど
    あたしはパラキスが一番好きです。

    しかも主人公紫じゃなくて実和子が好きなの。
    嵐に対する想い・・・本気でキュンキュンする!!

    いいなぁ。恋って。

  • ラスト、これ連載中は賛否両論だったんでは。
    私はこの終わり方で良かったと思う。
    ジョージと距離が離れるからうまくいかないんではなく、どう転んでも2人はうまくいかなかった気がするから。
    大恋愛で結婚すれば幸せになれる訳でもないし、徳森くんとはお互いを尊重して付き合えたんだろう。
    ジョージとも良い関係が続いているようだし、好きな人とのゴールが結婚でなくても、それはそれで幸せの結末なのかな。

  • こんなこと言うのもどうかと思うけど・・・・
    私の望み通りのラストになってくれて満足♡

    月並みな感想になっちゃうけど、
    紫の、他人のせいにしちゃうって所すごいわかるなあ・・
    それでも自分の決意を固めて成長していく所に勇気を感じる。

  • 予想外の結末がじんわり気に入っています。

    どんなに求める関係でも、自分らしく生きるための障害になれば
    共に歩むことは難しいのかな、と考えさせられました。

    赤い糸が鎖となる前に断ち切ったジョージもすごいし、
    最終的には受け入れた(理解した)紫も素敵だと思った。

    この出来事が格好良いか、格好悪く見えるのかは
    読者の価値観や経験によって変わるでしょう。

    一緒に居ることだけが愛ではない、のだろうと私は信じたいです。

    貸倉庫の場面が本当に大好きです。
    隠されたジョージからの大きな愛を感じました。

  • 求めるものが絶望的に違っていたとしても、それは愛の不在の証明にはならないのだよなー

  • 2011/07/16 読了。

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