楠本まき選集 1 (Feelコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
3.94
  • (54)
  • (22)
  • (63)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 327
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784396763848

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昔読んだ時はピンとこなかったんだけど、今読むとストーリーの構成がとても好き。アパートの住人達がある人物の死体がないまま葬儀を執り行って、その死の要因も住人達それぞれの視点でぐるぐると変わる、っていうとミステリーに思えてくるけど、ただひたすら不思議な雰囲気の漫画。繊細なタッチで描かれた独特のイラストも昔と変わらず好きなまま。今見るとコマとか文字の配置や構図が広告のデザインみたい。これがまた不思議な印象の漫画になってて、眺めてるだけでも面白い。

  • やっと、「Kの葬列」を一挙に読める本が出ましたね。
    上下巻もいいけれど、やっぱり一冊にまとまってた方がいいと思うんだ。

  • 云わずもがなの『Kの葬列』、後書きを読むと元々は巻頭の『螺旋』の意味づけとして書いたそうで、今回著者に薦められたように先に『Kの葬列』を読んで、最後に『螺旋』読んでみました。読後感が全然違くって、チョット驚きました。是非試して欲しいです。
    『螺旋』ラストのコマ、ドアがシュタンと閉まるのが『Kの葬列』全体のストーリーをシュタンと閉める感があって。

  • コミックス全部持っているのに選集が刊行されたとき勢いで1冊目は買ってしまった・・・。1巻は「Kの葬列」シリーズが1冊に。カラーもすべて再現。

  • とても繊細な絵柄と、独特の調子で進む物語、どこか奇妙な魅力を持つ登場人物たち。
    童話を見ているような、詩集を読んでいるような、とても少女漫画とは思えない耽美的な雰囲気。
    ストーリーは、読み始めはミステリもの?オカルトもの?と世界観に気押されてしまいまったく先が読めませんでしたが、なるほど。よく作られています。二回読んでみてすべてが綺麗につながりすっきりしました。
    いくつかの謎は残ったままですがそこは逆に作品全体のミステリアスさに磨きをかけてていいです。

    それにしても本当に、人物の造形や挿絵のモチーフなど美しい絵柄に惚れ惚れしてしまう…。
    女の子のボリューム感溢れる巻き髪の小さな束ひとつひとつや、瞼から伸びるまつ毛の根元から毛先にかけて細みを帯びる一本一本の描写、、鰐淵さんの毛髪すら、ご老体らしいフワフワぱさぱさの繊細な質感(p.139)が感じ取れて、愛しい。笑

  • 絵が美しく、ストーリー性の無さが却って魅力を感じさせる。
    言葉が尖鋭で、脳裏に鮮やかに焼き付いた。
    コミックと云うよりは、印象派作品・芸術だと感じる。

    悲劇でも無く喜劇でも無く、空気を写真で捉えた様な作品で、
    無意味に意味を無限に連ねるかの如く、幻惑的なものを多く感じる。

    ダークであって、内容が特にえげつない訳で無く
    ミステリーであって、事件性も無く、謎めく譚でも無い。

    美的観念や蠱惑的な対象が極めて歪曲・倒錯している様で、
    ソレをあからさまに感じさせない所が好ましい。

  • この人の本はどれも値段が高くて、学生時代の私には、借りて読むのが精いっぱいだった。選集になってまず嬉しく、装丁の美しさにまた喜んだ本。もちろんマンガは美しく、文章も美しい。きっと彼女からビアズリーを好きになった。

  • Kの葬列がメイン
    話としておもしろいかと言われると?だけど、楠本まきの世界にはなぜか惹かれてしまう

  • Kの葬列

  • オリジナルを読んでいたが手に入ったので選集で再読。
    この人の持つ美意識はやはり好きだなー。

全37件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

16歳の時に『週刊マーガレット』でデビュー。その後、「KISSxxxx」(集英社)、「Kの葬列」(集英社)、「致死量ドーリス」(祥伝社)などの作品で熱狂的な人気を博した。2020年には最新作『赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いのだ』(集英社)を刊行。フランス、イタリア、アメリカ、韓国など、海外でも翻訳本が出版されている。イギリス在住。

「2021年 『線と言葉 楠本まきの仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

楠本まきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×