ミラーボール・フラッシング・マジック (Feelコミックス)

  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784396765194

感想・レビュー・書評

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  • ミラーボールをキーアイテムにした短編集。ショートムービーみたいな世界観がかっこいい。

    男子校に赴任してきた美術担任の女教師。化粧っ気なし、色気なし、太眉で常に長袖の彼女にがっかりしていたはずが、「ワキ毛」を想像したのをきっかけにめくるめく男子高生の妄想はノンストップ!
    …なかなかにコアなところを突かれました。

  • 恋愛とセックス。妄想と現実。
    時が流れる残酷さ、またそこにある諦めと期待。
    アンビバレントな雰囲気漂う短編10作品。

    ヤマシタトモコ作品の
    物語上の「現在」から手を離した瞬間
    が、好き。そこに彼女のチカラを感じる。

    それはふと妄想モードに入るとき。
    それはふと昔や未来の自分やあの人を回想するとき。

    一度「現在」を離れた視点は
    空中を浮遊するような子気味の良いシニカルなモノローグと
    テンポの良いコマ割りに乗って本編の時間軸とまた繋がる。

    短編という手法の中でも説明的にならず
    かつひとつの物語や人物として成立しているのは
    そういう広がりを嫌み無く与えられているからだと思う。

    「いつかあなたの不思議なおっぱい」は
    妄想と現実と過去と未来をいったり来たり。
    主人公はセックスに興じる今を享受しているが
    でも未来への思いが「タバコ・禁煙」という
    モチーフに乗せて語られる。

    この妄想感というか変態感というか
    「今」に諦めを持ちながらも
    そんなに「今」の日々が嫌いじゃないというか
    かといってアホみたいに「未来」に希望をもってるわけでもないし
    ていうか「今」の自分つくったの「過去」のこういうあなただし
    でもまぁいいかアハハ

    みたいな感じってすごくヤマシタトモコだなぁと思う。
    これは単に俺がいわゆる「恋愛モノ」が苦手だから
    とかっていう話では無い。

    気がする。

    なんつって。

  • 思い込み期待し気後れしすれ違い、何だかんだでうまくいかない人の想い。何かちょっとしたきっかけがあれば動き始めるのかも。それがいい方向かどうかはわからないけれど。男としてはちょっと怖いけど、ガールズトークの話好き。

  • 表題作が『マグノリア』。ふとした会話の駆け引きやぎすぎすとか、予想外のジャブでドキッとさせられてしまう恋愛の小技みたいなものを描くのがやっぱり上手。ところで私は恋愛のテクニックにはレベルのようなものがあると思っているのですが、そのレベル差が大きい恋愛ではつねに片方が片方をリードする。優位に立っている側が胡座をかいて、掌の上で相手を転がしている気になっているとふとした拍子に相手が予想外のところからドキッとするようなことを言ったり、仕草を見せたり、劣勢にある側にも時折ものすごい瞬発力を見せることがあるので侮れない。安心できない、という恋こそがきっと恋の核なのだと思います。何が言いたいかというと、そういう話が好きです。自分のことはさておき。

  • たぶんミラーボールだろうと思ってた。
    でもさ、こういう使い方って斬新。
    ミラーボールシリーズの最終話は何となく想像ついたのだけど「まさかそんなベタなね…」って思ってたらさ(笑)
    他の話も良かったけど、強烈すぎたよミラーボール。

  • 明け方に読んでたんだけど、ミラーボールの連作はその時間のテンションと相まったのか爆笑。他の短編はコレすごい好き!ってのとまぁまぁ好き、とあったけど。さいしょのワキ毛からワクワクしちゃった1冊。面白かったです

  • 「すごく好きな人としか付き合う気がしないのにすごく好きな人ができる気がしない」

  • きっと男性に読んでほしい本というよりは、「女性にとって男っていう生き物はこう見えてるんですよ~」っていうお話です。男って馬鹿だよね、ではなく馬鹿で単純で愛しい生き物だよね!という願望なんです。女性が読んでも楽しめる一冊だと思います。特に木田くんにときめく方は多発なはず。可愛すぎる!「エボニー・オリーブ」の女子会はひたすら共感をした後に友達に久々に連絡とろうかな‥と思っちゃう。私もオリーブ食べたい。

  • 一番すきなのは一つ目の作品。
    脇毛がこんなにもエロチックにみえたのは初めて。

    ミラーボールはこの短さなのにどれも印象深い。
    特におばさんと中学生?の話がすき。
    ラストのおまけも含めて。
    どうやら若い子に振り回されるおじさんおばさんというシチュエーションが私のツボらしい。

  • ヤマシタトモコさんの作品は他2作読んだことありましたが、
    正直あまり好きな系統じゃありませんでした。
    なので、この作品も読むのを大分避けてきたのですけど、
    なんで避けてきてしまったのか後悔した程
    マンガの構成力が凄く「上手いなあ~」としみじみ思いました。

    「未練」という柵の中で生きる男性女性たちは
    心の奥底ではいらやしい感情に素直で、切なくて
    そして優しい気持ちをくれます。

    世界を平和にしたい…なんてな。

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著者プロフィール

1981年5月9日生まれ。 2005年のデビュー後、すぐに「ねこぜの夜明け前」で講談社「アフタヌーン」主催の四季賞、夏・四季賞を受賞。 19年には「違国日記」がマンガ大賞4位に入賞する。主な作品に『BUTTER !!! 』『ひばりの朝』『さんかく窓の外側は夜』(本書原作コミック)『花井沢町公民館便り』などがあり、幅広い層の支持を得ている。

「2020年 『さんかく窓の外側は夜  映画版ノベライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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