うさぎドロップ 9 (Feelコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
4.01
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本棚登録 : 1666
レビュー : 203
  • Amazon.co.jp ・マンガ (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396765255

感想・レビュー・書評

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  • ついに最終巻。

    終わってしまうのが寂しい…マンガの次の巻が出るのを楽しみに待つというのは個人的には久しぶりの感覚だった。出る巻出る巻発売しているのを見つけた時の嬉しさといったらなかった。

    さて、こういう終わり方になりました。賛否両論あると思います。受け入れられない人が多いだろうなあと思って読んでいました。自分もなんとなく「そうなるのか?」という違和感が初読ではあったように思います。ただ、9.5巻の河内遙さんと宇仁田さんの対談を読み、それからまた何度か9巻を読み返してみて、これはとても素晴らしい終わり方なんではないだろうか、と思うようになりました。

    りんがダイキチに抱く恋愛感情(のようなもの?)について考えてみました。
    ダイキチがりんに注ぐ愛情は理屈を超えたところがあるように思います。りんはダイキチ自身の子ではないわけですから。その理屈抜きの愛情を注がれたりんの心の中に芽生える様々な複雑な感情は、実際のところなかなかたやすく言葉にはできないものなのだと思います。「親による無償の愛」みたいな紋切型ではとてもくくれないものなのでしょう。りん自身も自分の気持ちをもてあまし「境界線とかどうなっているのか…」という言葉を口に出したりします。

    そしてダイキチがりんに対して抱く感情についても考えてみました。
    最後のほうでダイキチがりんのことを「高嶺の花」だと言うところがあります。何となくなんですが、これは作者宇仁田さんがダイキチにかなり言わせたかったセリフなんではないか、と勝手に想像しています。家のことや勉強もきっちりする、といったしっかりものの要素に加え、紅璃先輩に果敢に立ち向かっていくようなりんの芯の強さに、ダイキチが女性としての美しさのようなものを見ていた、というようなことがあるのかもしれないと思いました。

    そういう風に考えていくと、倫理的な(男前な?)行動をとっていくダイキチを一番近いところで長い間に渡り見続けてる、一番の理解者でもあるりんがダイキチのパートナーになる、というのは何か心が震えるような展開であるとも言えるような気がします。9巻を読んだ後では、例えば1巻で死への不安を口にするりんを「それまでは絶対死なん!まかしとけ!!」とダイキチが抱きしめる場面など、全然違って見えてくるのです。9巻の結末を知る前の読み方は、子供の不安を抑えるための大人としての言葉と行動、という風に読んでいたのですが、9巻の結末を知った後は、そばにいる大事な人への思いを素直に出し切った言葉と行動、という風に読めてくるのです。本来ならこの素直さをダイキチはりんに出会う前に出会ってきた女の人に対して発揮していけばよかったんでしょうが、そこは不器用なのでできなかった、ということなのかなと思いました。たまたまその素直さを発揮できるりんという相手と、運命的に出会った、という物語なのかなと今は思っています。

    今もじわじわと感動がこみあげてきています。

  • 高校生編。
    いい大人同士なのに、自分たちのことになると慌ててしまうダイキチとコウキママ。母親として子どもたちのことを優先に考えたコウキママの決断とダイキチの関係がせつなかった。
    最後まで親目線でリンを見守り考え続けたダイキチだからこそダイキチとりんの絆は親子のような関係で一貫してほしかったなぁとも思う。

  • 読んだー。読みきった。読み始めてから何年経過したか忘れたが、年月かけて、自分も変化しながら読んだお話し。思い入れが強い。

    この結末は賛否あると思う。でも僕は全面的に支持する。これを書ききった宇仁田ゆみはマジえらい。もっとほんわかさせて「いい話」で終わらせることはできた。絶対可能だ。むしろ、そっちの方が万人受けするはず。でも、そうしなかった。逃げずにりんの生っぽい心を描いた。僕はそこから作者の作品に対する覚悟と愛情の深さを感じて、ますますこの人が好きになった。

    人に対する想いが溢れてくるときってのは結構唐突なことがあって。ここで描かれたのは決してきれいごとではなく、長時間かけて蓄積された本能的衝動。これを単なる「いい人のちょっといい話」コンテクストで理解しようとすると猛烈に違和感が出ると思う。

    でも。インセストタブーとかロリコン的危うさに引っかかってるようでは、このお話の中心を見落とす。注目すべきなのは、他人が他人を育てようと決意するに至った感情と、時間とともに蓄積されたその想いの深さで、そこにどかんと存在する、人が人を想う衝動の理由の無さと想いの強さこそ、このお話の主題なのだと思う。

    深い想いはいつだって狂気と紙一重の危うさを含んでいて、どうにも理屈のつけようがない本能的な衝動がその根本にある。これを自然に納得できるように理性的に説明するなんて嘘だし、意味がないわけで、その理由の無さを逃げずに描いてしまったことに僕は共感を覚える。

    エンタテインメントとしてマンガを読む層にはウケが悪いだろうけど、それはそれなんだと思う。宇仁田ゆみがこれまで小出しにしてきたテーマがどーんと現れた感じ。僕は気に入ってる。

  • 最終巻。ううーん。ううーん。わたし的後味悪いマンガトップ3に入りそう。この終わりは好きじゃない。もう1巻とか読み直せなくなるレベル。

  • 血のつながりのない子をシングル・ファザーが育てる。本作はそんな基本設定で展開する物語である。
     もちろん、こんな経験(男女の実子はいるが)はなく、実感を伴った議論はしづらい。
     が、経験のない身からしても、幼少期を過ごし、子育ては親育てを実感させられてきた相手を、性的対象と見るのは相当難しい。というか不可能なのではないか。

     実際、夫婦においても、同じ屋根の下で生活すれば、それが長ければ長い程、そういう感情は持ちにくくなるとの印象もあり、猶更の感。

     本作の良さ、つまりパパ・ママの子育ての苦闘と喜びに関するリアル描写の故に、危ういながら成立していたリアリティが、本巻で完全に崩壊した。その結果生み出されたのは、やや奇形的なファーザーコンプレックス・ファンタジーだ。
     流石に、ファザコン・ファンタジーを親目線で楽しむことは難しく、それを描写の力でねじ伏せられることもなかったなぁと。そんな読後感。

  • 読み終わった達成感、長く付き合ってきたダイキチとりんに幸せになって欲しいなぁと思う気持ちはあるのだけれど、その一方で、こういう方向での決着を付けてほしくなかったなぁ、という気持ちも。長い間一緒に過ごしてきた読者からすると、落ち着くところに落ち着いた結末ではあるけれども、もうちょっと、この突拍子もない親子関係ならではの、突拍子もない結末だったら良かったな、と思うのは贅沢かな。

  • ダイキチの気持ちが分からない。
    美人で、しっかりしてて、賢くて、料理上手な高嶺の花…とは言っても、10年育ててきた娘なのにね。

    大学でも就職でも好きなところに行けばいいっていうのは、りんの足枷になりたくないっていうことじゃなくて、自分からりんと離れられそうにないダイキチの言い訳だったのかなぁ。
    コウキとの仲を囃し立てるのは、コウキにりんを連れ去ってほしかったから…?
    なんてのは、妄想でしかないのだけれど。

    個人的には好きな結末。
    ダイキチには幸せになってほしかったし、りんならそれができると思うから。
    りんの、ダイキチは絶対に一生懸命子育てしてくれるってところは、やけに動物くさくてドキッとしたけれど。まぁ、この二人なら上手くやってけるんだろうな。

  • 大吉30歳独身と、その祖父の隠し子?のリンちゃん、6歳とのお話。
    映画化もされた角田光代さんの「八月の蝉」のエンディングにも通づる大吉の決め台詞。赤毛のアンをめぐる人々にあった短編「ベティの教育」のような展開。複雑な関係の中で浮き彫りになっていく人の繋がり。語らずみせる感じがよかった。キャラの仕種が全員かわいい

  • 個人的には、親子のままでいてほしかったな。
    夫婦も「家族」なんだろうけど。
    他人が親子になる話だと思って読んでいたので、自分内インセストにひっかかってしまって、関係の終着がしっくりこなかった。
    他人→家族→夫婦(恋人)はありなんだけど、家族が親子になるとだめっぽい・・・なんだろうな、この微妙な違いは・・・

  • ついに完結うさぎドロップ
    幼少から育て上げた娘とどうなってしまうのか
    はらはらしたけど
    嫌悪感を抱かせなかったのは二人の爽やかさから
    なるわざだろう

    これで終わって欲しくない爽快な涙が突き抜けた

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