リバーサイド・ネイキッドブレッド (Feelコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 53
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396765651

感想・レビュー・書評

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  • 有間しのぶ新作。思春期の子供は大人が考えるほど子供じゃない。セキララで密やかで、自分と同じようで違うようで、何だか泣ける。

  • 本編最後の4コマに渡るモノローグがすごくすごく好き。

  • 美味しいパン屋さんを中心に、パン屋さんのお姉さんに恋する女子中学生、家族に依存されてる男子中学生、その男の子に恋されるSMの女王様。様々な人々の心模様が、美味しいパンと、川のほとりの風景と共に描かれていきます。うん、なかなか面白い・・・のだけど、今までの4コマと違って笑いの要素はそんなに無くて、本当に群像劇と言う感じ。それがちょっと、昔から読んでいる読者としては淋しいような・・・。

  • やさしいひとたちの、恋の話。

    あと天然酵母パンとか無農薬野菜とか出てきます。この辺は正直あんまりいいイメージないけど、まあマンガの雰囲気を盛り上げる小道具だもんね。

  • 何と言ったらいいのか・・・・・・まずは、これを言うべきか
    有間先生、この作品を描いてくれてありがとうございます

    久しぶりに、「面白い」の一言が出ない漫画に出逢えた、出逢ってしまった
    こう書くと語弊が生じるが・・・面白かった、の一言で済ませちゃいけない、って気分になった、が多分、近い
    この感覚が判る、共感してくれる読み手の方がいてくれると嬉しいんだが、本当に読みながら何度も頭をぶん殴られるような衝撃が外側からも内側からも『来る』漫画
    恐怖で毛穴が開く事があると思うんだが、それが感動で起こった、と言ってもいい。恐らく、曽田正人先生の『昴』を読んで以来の感覚

    素朴な絵で描かれた美味しそうなパンが作中に何回も登場するも、やはり、これは『恋愛漫画』なんだ、と読み終わってしみじみ思う
    どの登場人物も、大小や形状が違うにしても、自分独りだけじゃどうしたって解決できない『業』を抱えて、どうしようもできない「好き」のベクトルを相手に向けている
    安堵感を覚える内容である
    もちろん、様々な理由から恋が成就しない彼らを見て優越感に浸れるから安堵する、なんて歪んだ事を言っているんじゃない
    恋愛の問題でもがき苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ、誰かに頼って良いんだ、縋っても良いんだ、って気持ちになって、する必要もなかった緊張が一気に解かされる感じがある、そう言う意味での安堵感を与えてくれる
    それと同時に、「あぁ、恋をするってのは苦しいし、辛いなぁ」と当たり前の事を思い知らせてくる。恋愛には色んな形があって、それぞれに異なった楽しさがあるんだけど、同じように苦痛も齎すのだ・・・男と女の恋愛が絶対的に正しい形、同性愛なんて穢れてるし、間違ってる、とか、そんな確固とした信念もない薄っぺら過ぎる説教なんて、呆気なく吹っ飛ばしてくれる

    それぞれが望んだ結果じゃなくて、お互いにとって“最良”の結末になっている、ってのも、私には衝撃的だった。最終的に、誰も彼も痛い思いをしてきたけど、不幸になっていないのにも救われた
    いぶきが犬井に遭遇して「ムラッ」と来るシーンが作中にある
    この反応は、あながち間違っていないよな、と私と嫁さんの意見は一致している
    やや乱暴な言い方になってしまうが、相手が異性だろうが同性だろうが、その人と寝れてヤれるか、そこは交際するにあたって重要な理由の一つになるのだ。だから、犬井を見て彼女に出た反応は、人間を自然界に生きるただの一つの生物とするなら、当然のものだろう
    また、その「ムラッ」が事前に出ている為、リルを視た瞬間の「きゅん」がかなり活きている・・・凄い勉強になる、悔しいが(それはそれで、不遜な気もするが、本音だ)

    正直、他人に不用意に推薦できる漫画じゃないな、とも思った。本当に素晴らしい作品だからだ・・・あくまで私が感じたものだが、これは叶わぬ恋に苦しんでいる人を応援したり、恋に破れた人を慰めるのには不向きっつーか、逆に落ち込んでいる人間に追い討ちをかけかねない。曲がってしまっている背中を、骨を折りかねない強さでぶん殴ってくるのだ・・・・・・素晴らしい故に、読み手を傷つけかねない漫画を単純な善意で勧める度胸を私は持ち合わせていないようである
    ただ、仮に私が中学校、もしくは、共学高校で現代国語を生徒らに教える身で教団に立つ身だとしたら、彼らに「これで感想文を書いてきてください」そんな課題を出したい
    多感な時機を生きる、お年頃の彼らがこの『リバーサイド・ネイキッドブレッド』と言う作品を読んで、どんな印象を受けるのか、実に興味がある

    今、本当に息がし辛いくらいに苦しいし、大して広くもない部屋をぐるぐると回りたい
    そんで、有間先生に対して申し訳ない気持ちで胸が一杯になっている
    この作品のこういう所が素敵で、どこに共感したのか、ここはちょっと違うんじゃないか、的なレビューを書きたかったのに、半分もまともに書けていないのが、自分でも判ってしまう。有間先生が読み手に伝えたかった『何か』すら、巧くキャッチできてない可能性もある(が、描き手が伝えたいそれを100%理解するのは余程、経験を積んだ活字中毒者でなきゃ無理だと思われるので、そこはあえて気にしないようにしている)
    普段は三日くらい置いてから、ある程度はまとめた感想を書くようにしているのだが、この『リバーサイド・ネイキッドブレッド』に関しては、そんな間を置いたら、この感動も衝撃も霧散してしまう気がして、それが怖くなって感情任せに殴るよりも荒々しく書いてしまうしかなかった
    頭の中でブワブワと不気味な伸縮を絶え間なく繰り返して縦横無尽に暴れてるこれを、頭蓋骨を鉈でブチ割って引っこ抜いて、紙に叩きつけたら、少しはまともなレビューになるんじゃないか、と冗談交じりで悩んでしまったのも久しぶりである
    最後の最後に書くのも滑稽な気がしてきたが、四コマ形式で話が進んでいるので読み易かった(多分、それが思い切り、感情移入してしまった最大の理由なんだろう)

  • 久しぶりの有間しのぶは、1冊にエキスが濃縮されていて大満足。この人の書くキャラたちはなんかまとっている空気がいいよねぇ。絵は下手だけども。

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著者プロフィール

有間しのぶ<ありましのぶ> 
神奈川県在住。
「ヤングマガジン」において『本場ぢょしこうマニュアル』でデビュー。
代表作
『本場ぢょしこうマニュアル』『モンキー・パトロール』『キラキラフィズ』『ホテルポパン』等。
デビュー以来一貫して、マンガで描きたいテーマは「夜」と「夏」。
現在、「ビッグコミックオリジナル増刊号」にて『その女、ジルバ』連載中。

「2016年 『やぶとはなもも(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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