- Amazon.co.jp ・マンガ (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396765873
感想・レビュー・書評
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香りをテーマにした短編集。漫画で香りを表現って面白い。香りの表現というか、それにまつわる物語が様々。ちょっと変わったタイプの恋愛、王道の恋愛もの、人生観みたいなものなどが、非モテ系女子や小悪魔女子、孤高のダンサー、レズビアンなど個性豊かなキャラクターを通して描かれてる。タイトルに獣が入ってるのは動物性香料からきているようで、動物もまたテーマとなってるのでさらに面白い。扉絵に描かれたそれぞれのタイトルの香りの由来と物語を照らし合わせて読めるので、なるほどーと納得しながら読めた。
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ムスク、アンバーグリス、シベット、ダマスクローズ、カストリウム、サンダルウッド。香料がポイントになる連作短編集。最後の『組香』で、オールスター勢ぞろいの後日譚と、香教室の先生のストーリー。愛嬌のある支店長、シベットがきっかけでやる気をとりもどしたダンサー、そして標語がキーになる豆腐屋の娘とバラ園の息子が印象に残る。サマルカンドの金の桃、唐代エキゾチシズムの研究をパラパラ眺めていたときのことを思い出して懐かしかった、個人的には。
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香料をテーマにした連作集。なんということもない話だし、画も好きな方ではないのだけど、なんか良い。コマの割り方とかアングルとかの効果でリズムがとてもいい。速いとこは速く遅いところは遅くっていう制御がしっかりされてるんだな。
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淡々とした日常描写の中にも、フェティッシュでどきりとするシーンがあって色っぽい。飄々としたユーモアの感覚や間合いも好き。男性の愛嬌、女性のしたたかさ、やるせなさも繊細に描かれている。